Main menu

ものづくりゾーン「ハレマチ特区365」コンセプト策定

ものづくりゾーン「ハレマチ特区365」コンセプト策定

ゴールが決まっていない状態から議論を重ね、岡山のものづくりを伝える新たな取り組みをファシリテート。
ものづくりゾーンの考え方をコンセプトとして言語化し、「岡山が変わる!」ことをイメージできる形で共有。
策定したコンセプト“Make! in Okayama”に基づくリアルな空間「ハレマチ特区365」がオープン。

地元の人たちが愛着と誇りを持てる、まちのシンボルとしてのイオンモール実現へ

2014年12月、西日本最大級かつ岡山駅直結型施設として誕生したイオンモール岡山。その開業と共に生まれたのが、岡山のものづくりを伝えるセレクトショップ「ハレマチ特区365」です。ここには、約100の小さな地元ブランドが出展するほか、常設のワークショップ空間が設置され、創り手と出会い、セレクト品に触れ、岡山のものづくりを体験・体感できる場所となっています。

2014年12月にオープンしたイオンモール岡山

ハレマチ特区365

ロフトワークが支援したのは、そのコンセプトメイク。岡山市民の期待を背負い、岡山の顔となる壮大なまちづくりの一端を担った今回のプロジェクトは、ロフトワークにとって、また一つ新しい挑戦でした。イオンモール株式会社はロフトワークに何を期待したのか。同社 開発本部 企画開発部 開発デザイングループの高須賀大索氏に、改めてその思惑を語っていただきました。

森内章(ロフトワーク):プロジェクトがスタートした経緯を教えてください。

高須賀(イオンモール):もともとまちづくりを担うはずだった地元企業の計画が白紙になり、2011年7月にコンペが行われました。岡山というまちの魅力を考えれば、当社にとって非常に有望なマーケットと立地です。ぜひ取り組みたいということでコンペに参加しました。

イオンモール株式会社 開発本部 企画開発部 開発デザイングループ 高須賀 大索氏

市場調査を実施してわかったのは、みんな岡山をいいまちだと思っているし、「ハレの国岡山」に誇りを持っているけれど、何かが足りないということ。わざわざ大阪や神戸に行かなくても買えるようになって欲しいものに加えて、ここにしかないもの、そして、まちの顔になる”集える場所”が欲しいという声が非常に多かったのです。そこで、単なる商業施設ではなく、人々が集い、地元の人たちが愛着と誇りを持てるシンボルとしてのイオンモール岡山を目指しました。今回のプロジェクトは、その5Fの一画に計画したものづくりゾーンが対象です。

森内:ロフトワークとの出会いは?

高須賀:スマートフォンに代表されるように、お客さま自身でいろんなことができる時代。すでにあるものや作ったものをお客さまにただ「どうですか?」と提案することに限界を感じていました。与える側、与えられる側、提案する側、提案される側ではなく、これからは一緒に作る時代だと思いながらも、デベロッパーである当社は、そんなことを一緒に楽しみながら考え、創っていけるパートナーがいなければ、実現はできません。

一般のお客さまに何かを一緒に創ったり、クリエイティブをもっと身近に体験してもらおうと考えたとき、その場でものをつくれる「FabCafe」という新しいことをやっている会社があると聞き、とにかく飛び込んでみることにしました。ロフトワークはクリエイターネットワークを持ち、瀬戸内国際芸術祭をはじめ、地方の名産品リデザインプロジェクト「Roooots(ルーツ)」のような取り組みもされているので、いろんなことをデザインも含めてきちんと構築できる力に期待しました。

地域の外からの視点でものづくりゾーンのイメージを提案・言語化

柏木(ロフトワーク):通常は目指すべきゴールがあってスタートするものですが、お話を伺った当初は、「ものづくり」というキーワードだけでアウトプットは何も決まっていませんでした。提案ありきではなく、一緒に考えていきましょうと。そういう意味ではロフトワークとしてもチャレンジでした。

高須賀:ぼんやりとしたビジョンがあるだけで、一歩が踏み出せずにいたとき、「何をやれるか、何を目指すか、山の上に旗を立てるまでは、まず一緒にやってみましょう。そうすれば、各々が担当すべき業務が明確になるでしょう」と、ロフトワーク代表の諏訪さんと岡山のまちを見ながら話したのを覚えています。

柏木:岡山を訪れた諏訪のバトンを引き継ぐ形でプロジェクトが動き出したのですが、あったのは、ものづくりゾーン“Okayama-ku”を作ろうという諏訪のアイデアだけでした。それでも前に進めたのは、ロフトワークにとって興味深いテーマだったことに加え、メンバーのみなさんの熱意が大きかったと思います。

高須賀:そうですね。とりあえず面白いことをやってみよう!というロフトワークに、ローカル企業のメンバー、さらにはものづくりに高い関心を寄せる現場の竹田さん(イオンモール岡山)など、みな実に面白いメンバーで根拠なく何かできそうな気がしていました。チーム力はその後のプロセスにも非常に影響しますから、こんな風に思えたことは原動力になったと思います。

森内:とはいえ、コンセプトがないと何も動きません。一歩を踏み出すきっかけをファシリテートすれば、自ずとその先が見えてくるはずです。そこで、ゴールが見えないながらも、外からの目線でどういう場所にすると面白いかを考え、ご提案することにしました。最終的なアウトプットは、ものづくりゾーンのコンセプト策定と構成イメージです。

ロフトワーク ディレクター/エバンジェリスト 森内章

コンセプトを策定するために、岡山の各所を巡り歩き、自分たちなりに気づいたことを整理したり、地元企業から情報提供いただいたり、岡山愛にあふれる竹田さんに熱く語っていただいたりしながらコンセプトの叩きを作り、約3ヵ月半かけて仕上げていきました。

岡山の各所をめぐり、情報を収集。

私たちが提案をしたコンセプトは“Make! in Okayama”です。

フィールドワークをして感じたことは、岡山には豊かで素敵なものづくりの素材・製品・伝統があるにもかかわらず、それらに対して自信を持てていない控えめな人が岡山の中には多いことでした。次に、これは日本の地方都市全体に言えることかもしれませんが、合理化・効率化が図られた一般の生活者にとって日常生活の中で地元の「特別なもの」に触れる機会、見直す機会というのは実はそれほど多くありません。

今回イオンモールが作る場は単なるショーケースではなく、日常的な買い物にやってきた岡山に住むお客さまが「好奇心を持って」「自分も一緒に作り」「岡山をもっと好きになる」そういう機能を持った特別な場にしたい、ということがみなさんとのディスカッションで浮き彫りになったことでコンセプトが明瞭になりました。

どんなプロジェクトでも、このように言語化して、何かが「変わる」ことをイメージできる形にすることが大事です。

高須賀:Made inではなく、Make! in。岡山で作られているものを、その場でお客様と一緒に作る。この考え方を作り上げていくプロセスがなかったら、ものづくりゾーンという言葉だけが独り歩きし、各々考えていることがバラバラで、自分たちが本当に何に取り組みたいのか、わからなくなっていたと思います。

策定したコンセプトがリアルな空間「ハレマチ特区365」としてオープンし地元民の誇りに

森内:コンセプトの策定後は岡山での建築設計のフェーズとなりロフトワークは一旦プロジェクトを離れました が、3ヶ月ご一緒して岡山への興味が湧いてきたところでこの良いチームが終わるのも残念でしたし、県外の私たちだからこそお手伝いできることがあるはずだという想いがありました。そこで、タイミングを見て、ものづくりゾーンのソフト部分について提案の機会をいただきました。

提案にあたっては、渋谷・京都の両オフィスで「ものづくり×クリエイティブ×ローカル」に関心の高いディレクターを募り、集まった10人と3つの岡山の「ものづくり」をテーマに、クリエイター公募や、ワークショプ、ショップとのコラボ、キャラバンツアーなど12の企画を提案しました。結果的には、イオンモール全体のコンセプト「ハレマチ」をテーマとしたharemachi(ハレマチ)Webサイトの構築と、クリエイターとのコラボレーションによるものづくりプロジェクトを採用していただきました。

高須賀:新しいことを仕掛けようとしたとき、Webの知見や技術はもちろん、人脈、ネットワークがあるロフトワークは強いですね。お互いの領域を尊重しつつ、うまくタッグを組めたなと思います。

森内:“Make! in Okayama”をコンセプトとするものづくりゾーンが「ハレマチ特区365」としてオープンして半年以上経ちますが、手応えはいかかがですか?

高須賀:地元のものづくりが外に向かい始めると、それが地元の人の誇りになり、自分の住むまちに見せたい場所、都市名所ができたという認識につながる。そういう役割を少しずつでも果たせていると思います。ハレマチ特区365のある5Fフロアのあの世界観が好き! という声もいただいています。今後はこれをどう継続していくか。まだまだやれること、考えるべきこともあります。ローカルのほうがネタも暮らしも豊かであることにみんなが気づき始めている今こそ、たくさんの驚きを作り出し、岡山の外から見ても「あのフロアって面白いよね」と言われるものにしていきたいですね。

森内:日本のローカルには素敵なものづくりの素材・技術・ストーリーがたくさんあり、それを愛する地元の方々の熱い思いもあります。そんなみなさんの声を聞いて、クリエイティブの力を使ってものづくりの価値を流通させていくお手伝いをすることはロフトワークがチャレンジしたい大切な領域です。このプロジェクトをきっかけに、改めてそのことに気づかせていただき、大変勉強になりました。

近日公開予定:HANPU!オカヤマPROJECT

ものづくりの国・岡山発、帆布の新しい価値を発見するコ・クリエーションプロジェクト「HANPU! オカヤマ PROJECT ~クリエイターとつくる岡山発の帆布デザイン~」事例記事も現在制作中です。

プロジェクトサイト:http://haremachi.com/hanpu/

お客様の声

takasuga

イオンモール株式会社開発本部 企画開発部 開発デザイングループ
高須賀 大索氏

とりあえず面白いことをやってみよう!というロフトワークに、ローカル企業のメンバー、さらにはものづくりに高い関心を寄せる現場の竹田さん(イオンモール岡山)など、みな実に面白いメンバーで根拠なく何かできそうな気がしていました。チーム力はその後のプロセスにも非常に影響しますから、こんな風に思えたことは原動力になったと思います。また、新しいことを仕掛けようとしたとき、Webの知見や技術はもちろん、人脈、ネットワークがあるロフトワークは強いですね。お互いの領域を尊重しつつ、うまくタッグを組めました。

登壇者男性

イオンモール株式会社イオンモール岡山 営業
竹田 忍氏

目指したのは、岡山の魅力が再発見でき、新たな創造が生まれ、楽しくて何度も足を運びたくなるような空間です。決定したコンセプトを具現化するにあたり、岡山の過去の歴史と未来を融合させ、「新しい岡山らしさ」が感じられるように工夫しました。今後は、岡山のものづくりに携わる方々と、ハレマチ特区365に来店されるお客様が一体となり、新たな文化を創造・発信する拠点にしていきたいです。

制作チーム

このサービスに関するお問い合わせ

Akira Moriuchi

MTRL KYOTO プロデューサー
森内 章

コンセプトがないと何も動きません。一歩を踏み出すきっかけを描くことができれば、自ずとその先が見えてくるはずです。そこで、ゴールが見えないながらも、岡山の外からの目線でどういう場所にすると面白いかを考え、“Make! in Okayama”というコンセプトを提案しました。どんなプロジェクトでも、このように言語化して、何かが「変わる」ことをイメージできる形にすることが大事です。

Tetsuya Kashiwagi

シニアプロデューサー
柏木 鉄也

事前に岡山に行った諏訪からバトンを引き継ぐ形でプロジェクトが動き出したのですが、あったのは、ものづくりゾーン“Okayama-ku”を作ろうというアイデアだけ。それでも前に進めたのは、ロフトワークにとって興味深いテーマだったことに加え、高須賀さんや竹田さんなどメンバーの人達の熱意も大きかったと思います。