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WIRED  × Loftwork 正しい問いの設定と答えを探すプロセスを支援するプログラム「Polémica」─第2弾 「空気」とは何かを考える

WIRED  × Loftwork 正しい問いの設定と答えを探すプロセスを支援するプログラム「Polémica」─第2弾 「空気」とは何かを考える

「空気」とは何かを考える

ますます複雑さを増し、目まぐるしいスピードで変化していく現代。市場のニーズに応えているだけでは既に世の中にあるモノの焼き増しになり、社会へインパクトを与える新しい価値創造は難しくなります。

大切なのは社会と向き合うための本質的な「問い」を持ち、その答えを探すための「正しいプロセス」を描くこと──。WIRED JAPANとロフトワークが2016年からスタートしたサービス「Polémica」は、未来を創造したい企業にむけ、正しい問いの設定と答えを探すプロセスをサポートするプログラムです。

既存の枠組を超えて、新しいビジネスの可能性を探索

2017年初頭、Polémicaの第2弾としてスタートした本プロジェクト。幅広い領域で将来的な新しいビジネスの可能性を探索するA社から相談をいただき、既存事業ドメインを超えて「空気とは何か」という問いの探索プログラムがスタートしました。

  • 内容
    ・将来を見据えた機会領域策定
    ・機会領域策定のためのリサーチ
    ・ワークショップ企画設計
    ・リサーチ内容の報告書/ツール制作
  • 体制
    クライアント企業名非公開
    WIRED:若林 恵、川村 洋介、矢代 真也、川鍋 明日香
    ロフトワーク:林 千晶、 脇水 美千子、多田 麻央北島 識子
    京都大学 学際融合教育研究推進センター:宮野 公樹
  • 期間
    2017年2月〜6月

主なプロセス/クリエイティブ

プロジェクト設計・領域(テーマ)策定

プロジェクト設計のフェーズでは3社によるディスカッションを重ねて、A社が展開する既存事業や提供する既存価値から視点を外し、市場ニーズの分析など従来のマーケティングでは描けない未来を目指すための領域を定めました。

既存事業を含むより広い概念である「空気」をリサーチテーマとして設定。空気に関する横断的かつ包括的な研究や文献は存在しなかったことから、科学・社会・宗教・言語・文化など多面的かつ分野横断的な文献調査をプロジェクトメンバー全員で実施して、考察を深化させていきました。

文献調査

撮影:西田香織

文献は古典・小説・歴史・思想・文化・科学など幅広いテーマから40冊弱を選び読み込みます。調査の過程では、「発見や気づき(Findings)」とそこから生まれる「仮説」をまとめながら進めていきました。

京都大学研究者20名とのワークショップ

撮影:西田香織

京都大学学際融合教育研究推進センターとのコラボレーションで、「空気の解剖学」と題した2日間のワークショップを実施。空気に関連した分野以外の専門家も交え、多様な学問領域で活躍する方々に「(人にとって)空気とは何か」という問いをぶつけました。

ワークショップ実施にあたり、参加者には文献調査を通じて導き出した6つの問いが投げかけられ、活発な議論のための呼び水としました。あえて予定不調和に議論を進めることで、「空気」という大きなテーマの理解をより深めていきました。

・空気を分解したときの最小単位は何なのか?
・吸う空気が変われば人は変わるのか?
・音、匂い、光、他には何を空気に乗せられるのか?
・空気を作る行為と感じる行為は違うのか?
・公衆衛生と風水は、いかにして融合できるのか?
・ただよう煙は空気そして異世界を可視化するのか?

研究者の専門領域から「空気」についてさまざまな観点から仮説と裏付けとなるデータを収集/撮影:西田香織

ワークショップのメインファシリテーターを務めたのは京都大学 学際融合教育研究推進センター 准教授 宮野公樹氏(写真中央)/撮影:西田香織

ワークショップからの発見を言語化・構造化

撮影:西田香織

ワークショップの翌日、プロジェクトメンバーで、ワークショップで挙がった仮説や裏付けとなるデータを統合。「空気とは何か」という大きな問いへのヒントとなる情報を、無数に貼り出されたポストイット群から抽出、言語化と構造化を進めていきました。

統合の結果、「空気」を幾つかの概念として捉え直すことができ、我々が生きている中で意識的・無意識的に存在を感じている「空気」とは一体何かを理解する切り口を定義しました。

「空気」という複雑で複層的な概念をしっかりと捉えるためのプレイカード

イラスト:ケイト・プライヤー、デザイン:藤田裕美

ワークショップで得られた、「空気」を取り巻くいくつかの概念は、当初プロジェクトメンバーが想像していたような二次元の体系として表現ができませんでした。様々な概念が入れ子構造であったり、定義する人によって階層構造が変化する様相をなしていたのです。

そこで、最終的なアウトプットはレポート冊子や動画のようなものでなく、今後A社内で様々なメンバーがアイディエーションやバリデーションで利用できるアイデアカードをデザインしました。このカードは使う人や組み合わせによって、様々な解釈や新しい発想が生まれるように、柔軟さと余白を残したデザインにしました。

アイデアカードは、概念・性質・行動や状態・海外での空気の捉われ方・対話を通じた気づき・書籍からの気づきの6つのカテゴリーに分かれ100枚弱のカードで構成。白紙のカードには今後、A社内で得られた新たな気づきや発想を記入できるようになっています。

カードをランダムに並べ相関を考えることで予想外の問いや視点を生み出す──「空気」という複雑で複層的な概念を捉えるため、A社で今後も活用される予定です。