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触覚を新たなデザイン分野のムーブメントに

国立研究開発法人 科学技術新興機構(JST)におけるイノベーション志向型の研究開発支援プログラム「ACCEL」の一環として実施されている「JST ACCEL 身体性メディアプロジェクト」(研究代表者:舘 暲 東京大学名誉教授)は、「HAPTIC(触覚)」分野の産業活用を推進する「HAPTIC DESIGN PROJECT」をスタートしました。ロフトワークはこの取組みを立ち上げから支援。既存の産・学・エンジニア層に加え、デザイナーやクリエイターなど新しいプレイヤーを巻き込みながら、「HAPTIC DESIGN」をムーブメントとして盛り上げ、社会実装するための施策を行いました。

プロジェクト概要

  • 支援内容
    リサーチ:新たな気付きからのプロジェクトゴールの定義
    プランニング:具体施策の立案と3年先までのシナリオの作成
    実行:各施策を組みあわせたムーブメント作りへの挑戦(シナリオの実行)
  • アプローチ
    リフレーミング:HAPTICの価値の再発見
    これまでの研究内容やアウトプットを元に、新たな分野の可能性やまだ発見されていない「HAPTIC」を洗い直し、HAPTICの新たな価値を再発見しました。
     
    コミュニケーションデザイン:Webメディアを起点としたコミュニケーションを設計
    HAPTIC DESIGNのコンセプトを整え、VIを定義。Webサイトへと展開しています。メディア型のWebサイトでは、食やファッション、エンターテインメントなど身近な題材からHAPTICを語り直しています。
     
    アワード:ムーブメントを生み出すアワードのしかけ
    HAPTIC DESIGNを題材としたアワードを通じて、まだ見ぬHAPTICデザイナーを発掘し、多くの人に注目してもらう仕組み。イベントなどのアワードのプロモーションと併せて、HAPTIC領域への参加人口の飛躍的成長を目指しました。
     
    エキシビジョン:展示による成果発表とタッチ・ポイントづくり
    FabCafe Tokyo、FabCafe MTRL におけるアワードの受賞作品展で、プロジェクトの成果をお披露目。一般の人々へのタッチポイントを創出しています。
  • 体制
    ・主催:JST ACCEL 身体性メディアプロジェクト
    ・協力:新学術領域研究「多元質感知」、NTTコミュニケーション科学基礎研究所、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
    ・運営協力:株式会社ロフトワーク
    ・プロデューサー:白江 崇志
    ・プロジェクトマネージャー:渡邉 多恵子
    ・メンバー:原 亮介 / 関口 智子 / 北島 識子 / 小原 和也 / 小野村 香里

インパクト

 
  
   

アワード作品応募数

70点/2ヶ月

   

アイデアソン参加者数

約100人/2回

   

制作した記事数

25件/5ヶ月

 

プロジェクトプロセス

リサーチ:新たな気付きからのプロジェクトゴールの定義

プロジェクトのキックオフとして、全員で本プロジェクトで実現したい世界、目指すべき未来像、活動の全体像を可視化しました。また、2日間のワークを実施し、各自がもつ「触覚」に対する原体験を改めて整理、共有するなどメンバー間の「触覚像」を探求していきました。

さらに様々な分野の外部有識者にヒアリングし、今後の「触覚」の可能性をリサーチ。「企業」「開発者」「クリエイター」という重要なステークホルダーごとの課題を整理しました。

プランニング:具体施策の立案と3年先までのシナリオ作成

課題に対するアプローチの第一歩として、ステークホルダーごとのゴールを明らかにしました。それぞれ取りうるアクションを3年先までシナリオに落としています。

▲1年目の施策のアウトライン

実行:共感を集めるコンテンツを作成し、ムーブメント作りへの挑戦

HAPTIC DESIGNとは何かを徹底的に深掘り、言語化。世界観を表現するVIと、言葉を定義。

「触覚体験を設計するクリエイター」から学び、新しい「ハプティック・デザイナー」を育むコミュニティ作りを目的としたイベント「HAPTIC DESIGN CAMP」の企画・開催。

フロントランナーから最新の触覚のデザインを学び、参加者も身近にある様々な触覚をもつ素材を使い、新しいアイデアをプロトタイプしました。

「触覚体験を設計するクリエイター」へのインタビューやレポートを発信するWebメディアHapticdesign.orgの立ち上げとコンテンツ制作

研究、デザインの両面から、HAPTIC DESIGNのフロントランナーを取材しインタビュー記事を掲載しています。

活動を社会実装につなげる、エントリーの仕掛けとして、HAPTIC DESIGN AWARDを開催

▲初代グランプリを受賞した作品「稜線ユーザインタフェース」

新たなHAPTIC DESIGNERを発見し、作品を発表する場を提供する日本初の触覚をテーマにしたアワードです。短期間の応募にも関わらず、70点ものアイデアが寄せられました。

各実行施策は連携し効果を最大化

具体施策の実行を短期間で行う必要があったため、効果的・効率的に目的を達成する戦術も立案し、各施策を連携・一体化させてシナジー効果狙っています。

制作チーム

このサービスに関するお問い合わせ

Takashi Shirae

プロデューサー
白江 崇志

ポジション
プロジェクト全体の設計を担当。

コメント
ムーブメントを作り出すために、当初は幅広い範囲から調査しましたが、最終的にはロフトワーク自身が具体的に体感しリアリティがあったFabCafe・Youfab(グローバルアワード)が拡散していくプロセスを下地に全体を設計しています。

技術的な側面が注目されがちな分野ですが、当初から技術への認知を高めることだけではなく、「触感自体の根本的な在り方」を考えていたので世の中の技術動向に振り回されないプロセスで展開できたと感じています。今後は、イベントの自走化とアワードの開催を支援し、活動全体を通して「日本におけるHAPTIC=渋谷」を国内外に周知していきたいですね。 

kazuya_ohara

MTRL プロデューサー
小原 和也

ポジジョン
リサーチの設計、企画全般の設計、ファシリテーションなどを担当。

コメント
FabCafeとして新たな取り組みであるということを重視した企画設計、プレゼンテーションを行うことで、既存のコミュニティへの接続を試みました。

メイカーズムーブメントを背景にFabCafeができたように、同じような成長を遂げたコミュニティを参照しながら施策を実行しました。またデジタルファブリケーションにとっても新しいデザイン手法、発想として触覚的な表現、触覚に基づく表現の探求ができるということも同時に重視していきました。

デジタルファブリケーション技術を通して「Fabクリエイター」が生まれたように、引き続き、つくるための状況をつくりながら、「触覚デザイナー」という職種を誕生させたいと考えています。

Ryosuke Hara

グロースハッカー
原 亮介

ポジション
プロジェクト全体のプランニングとディレクションを担当。

コメント
価値づくりから価値浸透へ。 このプロジェクトは、世の中への新たな価値の提示であり、クリエイティブの文脈に新たなカテゴリーを創り、浸透させていく取り組みだと捉えプランニングをしていきました。 そのために最も力を入れ、時間をかけて議論してきたのが、触覚のデザインというものを、どう定義づけどう表現すればクリエイティブ層に共感・共有されるのかという概念の言語化と戦略設計でした。 イベント、メディア、アワードと異なる施策をひとつにつなげて、定義したメッセージとイメージの浸透を最大化させたことで、実行期間約半年というなかでムーブメントへの兆しを創ることができました。 日本発の新たなムーブメントしてのポテンシャルを実感できたので、今後は日本からグローバルへの展開を目標にしっかり育てていきたいと思います。