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株式会社オーディオテクニカ Mシリーズプロモーションサイト制作

株式会社オーディオテクニカ Mシリーズプロモーションサイト制作

・「図鑑」をモチーフに製品の魅力をアナログなアプローチで表現
・アジャイル開発を実践し、検証を重ねサイトデザインや機能を段階的にブラッシュアップ
・プロトタイプを制作し説得力ある提案を実現、クライアントの意思決定を後押し

グローバル化に向けた挑戦、本社主導でMシリーズのサイトを制作

1962年に創業、1974年にヘッドホン市場に参入した株式会社オーディオテクニカは、常に新しいヘッドホンスタイルを提案し続け、エントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広いラインナップを展開しています。中でも、世界各国で高評価を得ている商品の一つが、プロフェッショナルモニターヘッドホン「Mシリーズ」。

商品の魅力を斬新な切り口で紹介しようと、独自の感性とスキルでプロモーションサイト制作に臨んだのは、株式会社オーディオテクニカの松本総一郎氏、デザインを担当した株式会社Ligh.の菅原大介氏、サイトの開発を担当した株式会社スマートデザインアソシエーションの島袋直和氏、ロフトワークの重松佑によるプロジェクトチームです。重松が「4名が顔を揃えた時点で成功を確信していました」というプロジェクトをインタビューで振り返ります。

重松(ロフトワーク):プロジェクトの背景には、会社として大きなねらいがあったようですね。

松本(オーディオテクニカ):現在当社は、海外市場に本格的に焦点を当て始めており、グローバル化に向けて販社を含めグループ全体の最適化を図ろうとしています。今回のプロジェクトはその一環でした。世界中で既に愛用されている「Mシリーズ」をグローバルマーケティング用のマテリアルとして捉え、世界中の販社、代理店が活用できるサイトを作るという一つの挑戦です。

今回はいわゆる発注者と受注者の関係ではなく、自分が信頼する美意識を持つ人たちと一緒に一から考えていきたいと思い、以前から知り合いである重松さんに直接依頼しました。

重松:松本さんから依頼を受け「最高のチームを作りたい」と思いました。そこで普段から信頼している菅原さんと島袋さんに案件化の1ヵ月も前から「もうすぐ面白い案件があるからスケジュールを調整して」と依頼しました。2人が持っているクリエイティブへのこだわりや、良し悪しを判断する価値観を日頃から尊敬しているので、想像を超えるものが作れるという確信がありました。

従来の製品写真にはなかった斬新な表現方法に、アジャイルで挑戦

重松:コンセプトづくりにあたっては、音の再現が忠実なMシリーズの特徴から、余計な加工のない、シンプルで製品の魅力がストレートに伝わるサイトを目指したいと考えました。まずは菅原さんとどのような世界観を作り上げるかをWEBに限らず、色々なリファラーを持ち寄ってミーティングを実施。二人が持ち寄ったアイテムの中で唯一共通していたのが「図鑑」で、ここに商品の見せ方のヒントを見出したのです。

菅原氏と重松が持ち寄った「図鑑」の参考画像がサイトデザインの原型になった

菅原(Ligh.):特に昔の古い図鑑は写真ではなく絵で描かれていて、着彩にもものすごく手間がかかっています。商品そのままを見せれば100%伝わるわけではなく、Mシリーズが内包するイメージや実際に伝えるべきポイントは、従来の製品写真では表現できないのではないかと改めて気付かされました。そこで、アナログとデジタルの融合を表現したいという松本さんの思いに応えるためにも、図鑑のように手の込んだアナログ的アプローチで最新のヘッドホンを紹介できたらと考えました。

重松:一方で、本当にそれでいいのかという不安もあり、どのような表現方法があるのか、検証目的でヘッドホンの撮影をしました。「このやり方でいいのか」と疑問を感じた直後に撮影スタジオを押さえて、まずは自分たちで撮影して検証を行いました。頭で考える時間を極力減らし、悩んだら自分たちですぐにカタチにしてみるのが私たちの進め方です。当初は、撮り下ろした写真素材を使うのは、グローバルのデザインガイドラインを考えると難しいのではという懸念がありましたよね。

サイトに使用する製品写真を、新たにスタジオで撮影

松本:一緒にサイトを作っていく過程で“これでいきたい!”という思いが芽生えました。プロトタイプがコンセプトに合っていて、適正かつ最適だったからこそ、製品の撮影素材を使用することを思い切って決断でき、当初は難しいと思っていた内部でのコンセンサスも容易に得ることができました。

重松:アジャイルの実践もポイントです。実際に動きのあるサイトをお見せすることで、納得できた点も多かったと思います。戻るボタンの矢印も当初はないものでした。今サイトを見れば、この機能はあって当然、と思うんですが、実際に作ってみると明確になる点も多いですね。

手描きのワイヤーフレームをもとに作成されたサイトデザイン案、縦と横の動きで表現

島袋(スマートデザインアソシエーション):「スクロールで下がってクリックで横に動く」という実に明快な方針に従ってプロトタイプを作り、実際に動かしたらどう見えるのかを検証しながら、ブラッシュアップしていきました。仕様書や素材もない段階で参加したのはもちろん、出し戻しのサイクルをこれだけ繰り返したのも初めて。普通の案件では修正すべき箇所が見えても、仕様が固まった段階での調整はあまりしないものですが、今回のように何回もやり取りする中でブラッシュアップを繰り返したことで、納得するクオリティに仕上げられました。

製品の細部に宿るこだわりをサイトでも表現

ジャンク品を分解してサイト上での見せ方のヒントに

重松:ヘッドホンを深く理解するために実際にジャンク品を購入して分解したりもしました。ばらしてみるとまた面白い。それがパーツを並べて見せたいと思った理由です。

菅原:パーツの見せ方も図鑑にヒントを得ています。撮影は大変でしたが、人は見たことのないものを単純に面白いと思うし、内部を見せることで安心感につなげる狙いもあります。

松本:パーツを見せるのは業界的には標準的な手法ですが、図譜的な見せ方が面白い。商品をオーセンティックな空気感の中で眺められるように考え、きちんと表現した結果でしょう。また、図鑑を持ち寄ったりヘッドホンを分解してみたり、見えないところでものすごく人の手がかかっているアイデアをデジタルなものに組み込んでいくことに意味がある。直接的な効果につながらなくても、最終的に形になったとき、見る人に伝わる要素になるはずです。

サイトでは実際にMシリーズヘッドホンに使われている部品をビジュアルで使用

重松:4ヵ月の短期プロジェクトでしたが、効果はいかがですか?

松本:定量的評価はまだ少し先になりますが、各方面からの反応は非常にいいですね。特に海外で評判です。サイトの素材を使わせてほしいという問い合わせが入ったりしています。

重松:今後の具体的な計画はありますか?

松本:当サイトの延長線上でコンテンツを増やしていく計画です。あとは、会社として世界市場での認知を高めていくと同時に、音響メーカーとしてお客様にどんな貢献ができるのかを世界規模で考えていきたいですね。長いこと海外事業を展開していますが、まだ明確なブランドイメージは確立できていません。グループ全体でブランドイメージを統一し、メーカーとしてのアイデンティティをきちんと伝えていく必要があります。

重松:グローバルに発信されるサイトですから、今後の発展にますますわくわくしますね。

(写真左から) オーディオテクニカ 松本氏/ロフトワーク 重松/スマートデザインアソシエーション 島袋氏/Ligh. 西島氏、菅原氏

内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。

お客様の声

株式会社オーディオテクニカ マーケティング本部 商品企画部 プロオーディオ企画課 松本 総一郎氏

株式会社オーディオテクニカマーケティング本部 商品企画部 プロオーディオ企画課
松本 総一郎氏

図鑑を持ち寄ったりヘッドホンを分解してみたり、見えないところでものすごく人の手がかかっているアイデアをデジタルなものに組み込んでいくことに意味がある。直接的な効果につながらなくても、最終的に形になったとき、見る人に伝わる要素になるはずです。現在当社は、海外市場に本格的に焦点を当て始めており、グローバル化に向けて販社を含めグループ全体の最適化を図ろうとしています。今回のプロジェクトはその一環でした。一緒にサイトを作っていく過程で“これでいきたい!”という思いが芽生え、プロトタイプがコンセプトに合っていて、適正かつ最適だったからこそ、製品の撮影素材を使用することを思い切って決断でき、当初は難しいと思っていた内部でのコンセンサスも容易に得ることができました。

制作チーム

このサービスに関するお問い合わせ

Yu Shigematsu

クリエイティブDiv. シニアディレクター
重松 佑

コンセプトづくりにあたっては、音の再現が忠実なMシリーズの特徴から、余計な加工のない、シンプルで製品の魅力がストレートに伝わるサイトを目指したいと考えました。まずは菅原さんとどのような世界観を作り上げるかをWEBに限らず、色々なリファラーを持ち寄ってミーティングを実施。二人が持ち寄ったアイテムの中で唯一共通していたのが「図鑑」で、ここに商品の見せ方のヒントを見出したのです。また、どのような表現方法があるのか、検証目的でヘッドホンの撮影をしました。「このやり方でいいのか」と疑問を感じた直後に撮影スタジオを抑えて、まずは自分たちで撮影して検証を行いました。頭で考える時間を極力減らし、悩んだら自分たちですぐにカタチにしてみるのが私たちの進め方です。

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