1967年に創立された金沢星稜大学は、学校法人稲置学園が経営する、経済学部、人間科学部、大学院からなる総合大学です。「誠実にして社会に役立つ人間の育成」という建学の精神の下、金沢という歴史と文化のある街につくられたキャンパスで、学生たちは生き生きとした学生生活を送っています。そして、学生たちにさまざまな情報を提供する大学のWebサイトは、情報を提供する側にとっても、受け取る側にとっても、もはや欠かせない存在となっています。
金沢星稜大学のWebサイトは、2005年の時点で、WebRelease 2の導入によるCMS化がなされていますが、これまではWebサイトを積極的に活用できていなかったと学校法人稲置学園総務部企画広報課の井下桂子氏は振り返ります。「広報ツールとして、WebRelease2に慣れていない一職員がサイト構築を行ったこともあって、WebRelease 2の機能をうまく活用できていませんでした。閲覧者のユーザビリティを重視した設計になっておらず、サイト構造を改善することと、テンプレートの改良の、両方が必要だと感じていました。また、情報収集や更新作業を限られた職員が行っていたので、リアルタイムに魅力発信できていないという反省点もありました」(井下氏)。
稲置学園では、2009年より企画広報課がWebサイトを管理することとなったのをきっかけに、大学の公式Webサイト全体を見直すことにしました。同学園がリニューアルをロフトワークに依頼する決め手となったのは、ロフトワークのWebサイトだったといいます。「Webサイトを閲覧すると、WebRelease2による大学サイト構築の実績が豊富なことがわかりましたし、プロの視点でいろいろなご提案もいただけるのではないかと思いました。また、デザイン的なクオリティの高さも感じ取ることができましたので、ロフトワークさんにお願いすることにしました」(井下氏)。
プロジェクトを任されたロフトワークは、稲置学園からのリクエストを踏まえて、改善策を検討しました。第1のリクエストは、ユーザビリティの向上でした。ロフトワークでは、経験豊富な複数名のディレクターが設計に参加するという体制で、ユーザビリティを多角的に検討しました。
▲既存の訪問・閲覧者のアクセスを意識した情報設計
「先方からの要望で、新規のアクセスよりも、既存の訪問・閲覧者のアクセスを促進するサイトとして制作しました」と担当ディレクター。受験生や在校生など既存のユーザーが情報を取り込みやすいサイトを構築するため、レイアウトや、情報の見せ方に関して、特に知恵を絞ったといいます。たとえば、学部数とメニューとしての見せ方のバランスを考慮し、メニュー部分にサマリー欄を設けるというアイデアで、メニュー自体が学部紹介としても機能するレイアウトを実現しました。
また、トップページの「ニュース一覧」部分に、画像とリード文を併せて掲載することで、閲覧者の目に留まりやすくなる工夫を施しました。「キャンパスライフ」のコーナーに、学生たちの活動を読みやすい形で掲載する仕組みや、「ニュース&トピックス」の形で新着情報を入れ、学生たちに更新内容がすぐにわかるようにする仕組みも、ロフトワークの提案によるものです。
「こうしたい、と要望を言うと、こうしましょう、と提案をいただけて、互いに意見を出しながら、『いちばん最良の方法を』ということで、今の形になりました」(井下氏)。
▲「等身大の金沢星稜」を全面に出したサイト構築
第2のリクエストは、「等身大の金沢星稜大学」を全面に出したサイト構築でした。「本学には明るく元気な学生が多く、そうした印象をWebサイトを見に来た方々にも感じていただけるよう、写真を多く使うようお願いしたところ、いい感じにデザインしていただけました。また、在学生にも、自分たちの活躍が出ているのを見て、モチベーションを上げてほしい、そういう学生支援的な機能もWebサイトに付け加えたいという思いがありました。リニューアル後に行った学生へのヒアリングで、その手応えを感じています」(井下氏)。
第3のリクエストは、運営体制の確立、最新情報をいち早くアップできる体制づくりでした。「テンプレートに関して、『やりたいけどできなかった』部分を、プロの手でクリアしていただけました。これまでHTMLの知識がないと敬遠していた職員も、文字を打ってボタンを押すだけでWebサイトを簡単に更新できるところが、CMSの利点だと思います。サイトの運営に関わっている職員だけでなく、他のいろんな職員も、教員も、学生も、みんながWebサイトで情報を発信する意識を持つようになってほしいと思っています。その仕組みを早く軌道に乗せたいです」(井下氏)
3つの課題をクリアした担当ディレクターは、今回のプロジェクトを振り返って、感慨深げな表情でこう話しました。「見た目のクリエイティブも大事ですが、コミュニケーションをつくるということも、大事なクリエイティブだと思いました」。
プロジェクト期間は3月中旬から6月中旬の約3ヶ月と短く、東京と石川という距離の遠さから、対面での打合せは一度しか行うことができませんでした。「離れていますので、一度しかお会いしてお話することはなかったのですが、メールや電話でこちらが投げかけた質問に関しては、明確な答えを即座に返していただけました。密にコミュニケーションをとらせていただいたので、遠隔地ということは問題ありませんでした。こちらの事情もあって公開は7月1日になりましたが、スケジュール管理をしっかりしていただいたおかげで、ほぼ予定どおりに進みました」(井下氏)。
▲完成した新サイト 対面での打合せは一度だけだったがスケジュール通りに進行
リニューアルを終えて、「満足度は高いです」と笑顔の井下氏。アクセス状況も前年同月比で月間PVは193%、閲覧者一人当たりのページビュー数は154%、学内(在学生)からのアクセス数も192%を記録するなど、確実にリニューアルの効果が伺えます。「でもまだ、スタート地点に立ったばかりです」と彼女が話すのは、職員・学生・教員、みんなが“情報を発信する意識”を持つことで、Webサイトを中心に、大学全体をもっと活性化させていきたいというビジョンがあるからです。「うまくいけば、すごくいいサイクルができるんじゃないかと思います。がんばって早くその体制を整えなくては、と思っているところです」(井下氏)。

スケジュール管理をしっかりやっていただいたことと、デザインのクオリティの高さが、いちばん印象に残っています。満足度はとても高いですね。2005年の時点でWebRelease 2を選んだのは間違いじゃなかったと思います。それがきっかけで今回、ロフトワークさんとお仕事させていただくことになりましたから(笑)。
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