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Column コラム

膨大な情報の中から適切な情報を提供することが情報設計(IA)の基本

諏訪光洋

代表取締役社長
諏訪 光洋

重要になる情報設計力(Infomation Architect)

本当の情報設計力が試される、大規模サイト/高機能サイト

IA --- Infomation Architect(情報設計)

WEBサイトは高機能/大規模化する一途です。
一昔前なら、企業アプリケーションにWebが使われることはほとんどありませんでしたが、今やSaaSを筆頭にCRMやERP、銀行への振込やイントラネットなどあらゆるアプリケーションがWeb化しつつあります。

数百ページはもちろん数千ページ・数万ページの企業サイトも増え、中堅以上の企業や組織のサイトリニューアルにCMS導入はもはや当たり前といえます。数名のウェブデザイナーの共同作業よってつくられる「ホームページ」も無くならないものの、情報設計/デザイン/コーディング/システム開発/CMS構築/コンテンツ移行とそれぞれの分野における専門家が集まり制作を行なう大規模プロジェクトが急激に増えつつあります。一軒家のようにウェブデザイナーが手作業で組み立てていたウェブサイトはすでに大規模なビルの様相を呈しているのです。

このような状況の中、IA(情報設計)が重要となるのは当然のことかもしれません。求められる機能や情報量は多く、しかしまだつくられた事は少ない。実際問題、情報設計が破綻し「使い勝手の悪い」サイトは次々と生まれつつあるのが実情でしょう。

しかし、気をつけなければいけないのは情報設計=ユーザーインターフェースではないという事です。

情報設計に必要なのはユーザーインターフェースだけではない

優れたUIデザイナーだからといって、大規模サイトの情報設計が出来るわけではありません。

IA というと、つい先進的なインターフェースが話題になります。珍しいFLASHやブログに見えないブログ・・しかしユーザーインターフェースやデザインは情報設計力における一構成要素にすぎません。

数百ページ/数千ページのサイトにおいて、ユーザーが求める情報が存在する末端のページまで誘導するのは、ユーザーインターフェースではありません。ましてやトップのFLASHが果たす役割は極めて限定的です。

大規模なサイトの「情報設計」を行なうには、サイトの全てのコンテンツをきちんと把握し、コンテンツブロックに分解し、コンテンツブロック同士の中で適切な誘導を考え、またコンテンツブロック内でいかに情報を見せるかを考えるなど、デザイナーが規定できる範囲を超えた膨大な設計作業が必要です。

IA(情報設計)と情報を格納するCMSの関係

本当の情報設計を実現するには、情報をリポジトリ化するCMS導入がかかせない

マニュアル(手作業)によるサイト運用が前提の大規模サイトは、どんなに厳しいレギュレーションを作っても、徐々にサイト全体が劣化します。

原因は「デザインレギュレーション」では情報構造を規定しきれず、全てのコンテンツに対する情報設計が行き届かない不完全なものになるためです。

一方、CMSはまさに「情報構造」を規定し、生成されるコンテンツを当初の設計通りにマネージメントが可能であり、そのためのシステムです。どんなにページが増えても、あるいは商品がニュースが増え続けても情報構造が壊れません。逆に言えば規模や運用に耐える真の情報設計を行うにはCMSをはじめとした情報を管理するシステムの導入は欠かせないのです。

特に大規模なサイトを運用することを前提につくられた商用CMSやオープンソースCMSの多くは「情報(コンテンツ)」「デザイン(UI)」「運用(ワークフロー)」をそれぞれ別に設計可能です。

大規模なサイト・高機能なサイトの多くは、膨大なコンテンツを運用する、あるいは既に持っているケースがほとんどです。そのデータがディレクトリーごと、あるいはカテゴリーごとに何千件あり、それぞれをどう紐付かせ、どう見せるかを考ええる必要があります。情報設計を行なうには膨大な全コンテンツとその内容を把握することから始まります。

例えばあなたのサイトのニュースページ

例えばどのサイトにもある「ニュース情報」。
情報設計の視点で見るとやるべきことがたくさんあります。皆さんのサイトはきちんと出来ているでしょうか?

・ニュースの一覧ページがあり、タイトル・日時など必要な項目が記載されている。
・トップページには適切なニュースが掲載されている。
・入力は1回で済んでいる。一覧用/トップ用など複数回の入力を必要とされていない。
・PDFダウンロードがいきなりスタートしない。
・自動的にアーカイブが出来ている。
・RSSが配信されている。
・プレスリリース/最新製品,サービス/CSR/採用など、カテゴリーごとにニュースは配信され、それぞれがわかるようになっている。
・カテゴリーごとのニュース一覧がみることができる。
・カテゴリーページトップに、適切な最新ニュースが掲載されている。
・ニュースは適切な日時に配信される体制ができている。

いかがでしょうか?上記全てを実現することは容易ではなく、しかし全ては「当然行なわれるべき」ことです。そして残念ながら手作業による運用を前提につくられたサイトで上記を完全に実現することは不可能です。

ロフトワークのアプローチ

数多くの大規模サイト構築とCMS導入の経験が生む、本当の情報設計力

ロフトワークでは大規模なサイトリニューアルの多くがCMS導入に関わるプロジェクト。求められるのは、企業や組織のスタッフによる日々の運営に耐えられる情報構造です。多くのCMSサイトが1年間で数百〜数千ページ以上のコンテンツが増え続けます。増え続ける膨大なコンテンツの中で、訪れたユーザーがそれを意識せずに目指したコンテンツにきちんとたどり着けるか。

ロフトワークはより本質的な「情報構造」のレベルから情報設計力を考え提示をしているのです。

100以上の大規模サイト/高機能構築の経験が生む情報設計力

システム開発会社とともに、BtoB WEBサービスを構築することも可能です

ロフトワークが手がけるWEB構築の業務のほとんどはCMSに代表される大規模かつ高機能なサイト構築。

ディレクターは小規模なCMS導入からはじまり、中規模なCMSサイト構築やWEBアプリケーション開発を経て、大手SIerやシステムベンダーと共に高機能なサイトを幾度となく日々構築しています。数千ページのサイトを「机上で設計」するだけではなく数多く構築することで、組織レベルでの大規模サイト/高機能サイトの情報設計を着実に行います。

教育と情報共有が生み出す情報設計力

クリエイティブミーティングの様子

教育と情報共有も情報設計力の強化には欠かせません。

ロフトワークでは社内で定期的な仕様設計/情報設計に関する研修を行い、月に一度情報設計に関わるディレクターによる相互レビュー「クリエイティブミーティング」を開いています。

またWikiをカスタマイズしたECM(enterprise content management)によるナレッジを集積し、リスクの高い情報設計に関する情報共有を行っています。組織レベルで情報設計力を高めるためには、スタッフ群の情報設計という高度な能力に対応できる能力の均質性も重要です。ロフトワークのディレクターがプロジェクトマネジメントと情報設計に適しているかどうかという視点で選ばれている「専門のディレクター集団」であることも品質の高さを生み出しています。

誰もがごく普通につかえるものを

ロフトワークの「情報設計力」は目立たないかもしれません。なぜなら情報設計の本質は珍しいFLASHや、ユーザビリティ調査というわかりやすいものではないことを知っているからです。

CMS を利用し数千,数万ページのサイトの構築、あるいはシステム開発会社と共同でSNSなどの高機能サイトの開発、年間200以上の大規模WEBプロジェクト…そして経験がさらなる総合的な情報設計力を生み出しています。

誰もがごく普通につかえるものを当たり前につくれる本当の情報設計力。それがロフトワークが提供するI.A.(Infomation Architect)です。

執筆者

諏訪光洋

代表取締役社長諏訪 光洋

1971年米国サンディエゴ生まれ。
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。

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