Main menu

mitsu_suwa

代表取締役社長
諏訪 光洋

Web 戦略会議セミナー 事前座談会

「第1回 ビジネス成果をあげるためのWeb戦略」後編

ソーシャルメディアと企業サイトの距離

諏訪: やるべきことの一覧をつくる、それはつまり、選択肢をどれだけ捨てられるか、取捨選択をするという事です。とにかく去年はTwitterの大爆発の年でした。いろんなウェブサイトがTwitterを導入しました。そして、それと同時に、「うちはTwitterやってんのか?」というのを経営者から言われて頭を痛めていたWeb担当者がすごく多かった年でもあったんじゃないでしょうか(笑)。

でもTwitterを始めるのは難しいんです。だって外部に発注できませんから。組織の話になると人事戦略やセキュリティポリシーにもかかわってくる。

Web担当者にとっては、Twitterという黒船に振り回された年だったと思いますが「ガイドライン」をつくりソーシャルに良いステップを踏み出した企業も多かった。ガイドラインは内部向けのフレームワークで戦略づくりひとつと言えます。外注出来るこれまでのプロモーションは戦略決めも実行もソーシャル対応やシステム投資に比べるとやりやすいんです。ステークホルダーの数が少ないですから。

安田: そうですね。Webを介してのユーザーとのコミュニケーションをどうするかという議論が、TwitterとかFacebook導入の是非を考えるうえで浮かび上がってきていますよね。単に「Twitterやる」「Facebookやる」だけでなく、何のためにソーシャルメディアでどうしていくかの戦略を立てるには、「ビジネスが分かるけどソーシャルメディアが分からない上司」と「ビジネスはまだよく分からないけどソーシャルメディアは分かる部下」の真ん中の人材が必要な時期でもありましたね。

中田: もともと企業ではWebというものにお金かけていないんですよね。部長クラスのひとにTwitterのことを話すと、やる必要があるというのは意外と分かっているものなんです。しかし、どうやっていけばいいかが分からない。コミュニケーションの概念そのものが理解しにくいというのもあります。そこをうまく引き出して形にしてあげると、ちゃんと機能してゆくはずなんです。とはいっても、B TO BのWebサイトででどう使っていくかはまだ議論の中ですね。

Web戦略で埋めるべき“差”

安田: いまは変化が速いので、教科書で書かれたことを実行しているうちに時代が変わってしまう、そんな時代なわけです。そんな時代に意識したいのは、組織なんて、何かを達成するための手段でしかないということ。たとえばソーシャルメディア対応を広報部がやるのかマーケ部がやるのかといった議論がありますが、実際にはすでに「広報」「マーケ」という組織の切り方では対応しきれなくなってる面もあるんですよね。大切なのは「いまの組織がどんな構造になっているか」ではなく、「いまの時代の顧客と適切にコミュニケーションしていくには何をするべきなのか、それを実行するにはどんな組織にするべきなのか」といったこと。本当に望ましいのは、組織を超えて全スタッフが適切に考えて動くアメーバ経営的な状態ですよね(なかなかそうはいかないですが)。そして、そういった個別最適化をたばねるためにも、適切な全体戦略がないといけない。

中田: 企業Web担当者と、サービスプロバイダーのスキルの差も広がってきています。先端的な知識と、実際に流通している知識にかなりの格差が生まれている。これというのも、ひとつのメディアやサービスが生まれて、それが古くなるまでのスピードが速くなったせいでしょうね。有識者はそのことを知っているから、何かが流行ったら、次に来るのは何かという思考になる。反面、一般的な人は「ついていけない」という感覚で立ち止まってしまう。

諏訪: 新しい事はとりあえずやってみないとわからないのも事実。「戦略つくれ」っていっておいてなんなんですが(笑)。で戦略も「とりあえずつくったら」っていう事なんです。そんなに大上段に構えて40枚の事業戦略をつくる、ってものじゃないんです。とりあえず「えいや」でつくってみて、情シスの戦略や考え、あるいはマーケティング部門の戦略や考えとどこらへんが違うかを付き合わせてみるだけでもいいかもしれない。ポイントは「学習」なんです。戦略をきめる、実行してみる、どーも予想していた感じにならないねってなるのが大切なんです。これはPDCAサイクルを回し始めたWEB担当者にはピンとくると思います。戦略は大きな「仮説」なんですよね。間違った結果になって、例えばいまいちなシステム投資をしちゃっても、そしたら次の投資戦略はもっと上手になるはずなんです。 それを組織として繰り返せる企業、そうじゃない企業の間でこれからもっともっと差が生まれてくるのは間違いないと思います。セミナーでは、さらに実践的なお話を、パネルディスカッションとともに展開していただきます。本日はありがとうございました。

執筆者

mitsu_suwa

代表取締役社長諏訪 光洋

1971年米国サンディエゴ生まれ。
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。

最近執筆した記事

コメント

blog comments powered by Disqus