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mitsu_suwa

代表取締役社長
諏訪 光洋

京都烏丸にロフトワークの新しい拠点をオープンしました

床が好き過ぎて京都にオフィス作りました

場所は京都のヘソ(....いや、ヘソは御所か)、四条烏丸に建つCOCON烏丸というビル。京都で土地勘も無い中、オフィス探しを難航していた中、一目で即決。

惚れたポイントは数あれど一番は「床」。見て下さい、このフローリング。これは10年20年前の床ではない、というかこんなフローリングは見た事がない。どのくらい厚みがあるのか検討もつかない、そして見た事が無い種類の不揃いの木材を職人が手作業でつくられた重厚な床。

しかも古いだけではなく、美しくリファインされたファサード、小さな映画館まで入っていたりとテナントまで、もうとっても魅力的なのです♡

▲「京都シネマ」。どーんと3D...ではなく今はアラン・ドロン特集、なんて粋な事をする雅なミニシアターです

「COCON KARASUMA」のCOCONは「繭」の意味なのだ

調べれば元々は商社である丸紅が1938年に建築した旧丸紅ビル。設計は長谷部竹腰建築事務所(現・日建設計(!)。それを建築家の隈研吾氏がリノベーションを手がけたという、それはそれは恵まれたコラボ。

そして僕が惚れた床材は「イペ」という南洋の木材でした。

残念ながらオフィス部分は割と平凡なつくり(といっても所々特有の造作が萌えるのだけど)。そこでまた林千晶の目を盗みつつ京都オフィス作りに精を出したのです。で出来たのがこのオフィス。

▲2-30人くらいまで入ります

でも...ロフトワークの事を良く知る人は、新しい写真を見て「ん?」と思いませんか?

▲どこかで見たような...

そう、渋谷のオフィスに似てます。というかそっくり。これには理由があります。

烏丸に拠点をつくった理由

ロフトワークは、これまで何度か渋谷以外の場所にオフィスをつくる機会がありました。中には新しい素敵なビルに「賃料当分いりません」なんていう申し出もありましたが決断をしてきませんでした。ロフトワークはクリエイティブは距離を超えてもっとダイナミックに繋がるはず、そしてそれを実現させたいという想いから生まれました。

今ロフトワークは16,000人を超えるクリエイターのネットワークを持ち、月に200人のクリエイターとオンライン上につくられたバーチャルなプロジェクトを通し、年間500を超えるプロジェクトを手がけています。クリエイターは全国津々浦々、最近は海外のクリエイターとも一緒に仕事をする機会が増えてきています。

そんなロフトワークが拠点を増やす、っていうのは自己矛盾なんじゃないか。それがこれまで拠点を増やした来なかった理由。それを変えたきっかけは去年スタートしたOpenCU。OpenCUはクリエイティブの「教え合い」ネットワーク。オンラインコミュニティと知識を共有するリアルな時間によってつくられています。

OpenCUのメンバーは2011年9月現在、2000人を超えたくさんのリアルな「出会い」が生まれきました。そのリアルな出会いが生む力の再発見。1+1が2ではなく、3や4を生みだすサプライズがリアルにはあったのでした。

OpenCUがもたらしたリアルの力。そして今年の株主総会で普段は拠点(組織)の拡大に慎重なJoiからも「今の君たちならきっと面白くできるよ」という後押しがありました。場所の決定は「是非京都に」と声の多かった事。期待に応えたかったし、それにやっぱり京都は楽しそう!という気持ちから烏丸を新しい拠点の場所にしました。

「ワトソン君、用事がある、ちょっと来てくれたまえ」

"Mr. Watson! Come here; I want you!" これは電話を発明したグラハム・ベルが電話で最初に話したとされる言葉。テレコミュニケーションが行われた最初の会話。でもここにヒントがあるのです。もしよりしっかりしたコミュニケーションが電話で出来るなら「ちょっと来てくれ」なんて言う必要はないはずです。そう、電話じゃだめなんです。

京都のオフィスと渋谷のオフィスは「常時」大画面とカメラで会話が出来るようになっています。通りかかる時「あ、ちょっと山田くん〜」と呼んだりミーティングをしたり。でもそう書くと「それってテレビ会議システムでしょうちにもあるよ」とか「スカイプと何が違うの?」という言われます。

全然違うのです。インターネットに常時「繋がっていなかった」時の事を思い出して下さい。常時繋がった後、ダイアルアップの人にその違いを説明したもどかしさも。「常時接続」と「必要に応じて接続」は似て非なるもの、だったらテレコミュニケーションでも常時接続をしてみたら?結果、なんの段差も無く大画面ごしに声をかけれる事で京都オフィスと渋谷オフィスはびっくりするくらい「繋がって」います。内装を同じにした理由はこのテレコミュニケーションをどこまでシームレスにできるか、というコミュニケーションデザインのひとつ、なのでした。はー長かった。。

テレコミュニケーションでの工夫はもうひとつ。京都オフィスをつくるにあたり全員にiPod Touchを配付しFacetimeを使った「顔が見える内線」にしました。これも「声だけと何が違うの?」「うちは携帯全員に配付してるよー」と思う人は多いかもしれません。でも表情が持つ情報量はびっくりするくらい多いんです。電話越しで冗談を言える間柄は仕事上では多くありませんが、画面越しなら「あ、髪切った?」なんていうコミュニケーションが当たり前に生まれます。

素晴らしい京都(もしや本題?)

▲いい写真がとれなかった...ので2人しかうつってないデス、、

渋谷から烏丸に来たのは精鋭3人。僕もオフィスづくりからオープンして10日、烏丸と渋谷を何度か行ったり来たりしています。

その間、昔の友人やクライアント、あるいはお世話になった人に会ったり(=飲んだり)してきました。東京の夜も好きだけど京都の夜はずっと夜が深くてまるで異次元空間。

▲よっぱらった後に迷い込んだ小道。人が空間から出てくるとか似合いそうな。

昼に歩けばたくさんの歴史で見た寺があり、そして歴史や発見があります。

▲これは「耳塚」。なんだろう?と思ったら親切なおばちゃんが教えてくれました。ひえ〜。

オフィスのまわりには美味しいご飯やさんも沢山。写真はCOCON KARASUMAの裏にあるSpice Chamberというお店のカレー。

▲...絶品です。。

烏丸オフィスはもうすでにとっても楽しくてうまく行く予感にみちています。9/10,11には、ロフトワーク全社の合宿を京都で行いました(その様子はまた別途)。きっと京都でのたくさんの出会いや助けがあってはじめて「うまくいく」んだと思っています。

"The achievement of one goal is the starting point of another."
(1つの目標達成は新たな目標の出発点だ)

これはグラハム・ベルが残した言葉。そう烏丸オフィス開いたのは、西日本のクリエイティブを楽しくする出発点なのです。西の皆さん、そしてクリエイターの皆さん、これからよろしくお願いします。

え?理由がひとつ足りない?それはもう少ししたら発表できる..と思います。 お楽しみに!

※備考

渋谷-烏丸オフィス間の「常時接続」を行う方法はいくつかありました。
・Ustream等のストリーミング系
・H.264をLAN回線に変換しVOIPで接続するシステム
・Skype
・Logitech等のカメラメーカー付属のシステム
・Tandberg, SONY等、ビデオ会議システム
・WEB会議システム

これらのうち、ストリーミング系はタイムラグがありすぎて「会話」の実用になりません。また音声を拾ってまた戻してしまいいわゆる「ハウリング」を取り除く機能が無いため音声面でも不利。Skype,Logitech等は1日10時間の接続を維持することが不可能、かつ独自アプリの為「再接続」などのスクリプトをつくることが難しい。そしてTandberg等専用機器はまだ僕らのような会社にはまだまだ高価です。Tandberg,かっこいいんだけどね。

最終的に選んだはAppleのFaceTimeを使った方法です。MacbookPro,iMacにはHD,全画面でFaceTimeを行う事が出来、Facetimeスクリプトによってコントロールする事が可能でした。Mac自体もスケジュールによる管理も出来るため勤務時間になると「自動的に烏丸と渋谷が繋がる」という事が2,3時間でつくられたスクリプトによって実現しています。回線やアプリによって断絶すると自動的に繋ぎ直すようなコントロールも出来る上、品質は相当高く十分。これをMacという汎用マシンが標準で提供しているとは恐ろしい時代です。

もちろんFaceTimeはAppleの手の中。今後どうなるかわかりませんが、他の方式と比較すると現時点では最もオープンでコントロール出来る上H.264, AAC, SIP, STUN, TURN, ICE, RTP, SRTPという標準技術の組み合わせでつくられています。よって挙動やトラブルが「読みやすい」上、今後の発展も期待できます。

残念なのは、現在HDには外部カメラが対応していない為、iMacかMacbookProを使う必要がありゴチャゴチャしちゃう事。Thunderboltを使ったiSightの復活を望みたいところデス。

執筆者

mitsu_suwa

代表取締役社長諏訪 光洋

1971年米国サンディエゴ生まれ。
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。

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