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mitsu_suwa

代表取締役社長
諏訪 光洋

ワルシャワと中野編集長、そしてビッグデータとマーケティングの遠くて近い関係

2011年9月、ワルシャワで行なわれたCreative Commons Global Summitというイベントに参加した。

ワルシャワと日本は細く長い関係があるのだけど、多くの日本人にとって馴染み深いとは言えない都市。もちろん僕も初めての場所(http://www.flickr.com/photos/suwaws/sets/72157627710130042/)。怖いスパイが跋扈している薄暗い町並み...な事はもちろん無くて食事は美味しいし(塩加減が日本と近い)、女性はかわいい(ポーランド人には血統的に日本人的に親しみやすい美人が多い)、日本人を含めた旅行者に親切で治安も良いいいところ。一方で街は意外と新しい建物が多い。でもそれはドイツとロシアという大国の間に位置してきた場所、そして第二次大戦の歴史を知れば古都を単純に楽しむのとは違う味わい方がワルシャワにはあるという事。

今回のワルシャワ行きはクリエイティブを著作権の視点から新しい世界的なルールで流通を促進させているCreative Commonsのグローバルサミットの開催に参加のため。

僕が属するloftworkは「クリエイティブの流通」を目指して10年以上活動してきているのだけど、Creative Commonsは著作権を"All Rights Reserved"だけではなく"Some Rights Reserved"、つまり一部の権利を守るルール。それによってクリエイティブがより活発に流通する事を目指している。

このCreative CommonsはGoogleやYouTubeにも採用され、そして2009年Wikipediaにも採用された。組織も世界的でこの5年で最も成功したNPOのひとつだろう。でも大きくなると困難も生まれる。Creative Commonsも新しいライセンスの策定とその調整、それに伴う組織の軋轢に直面している事もわかったのが今回のグローバルサミットだった。

国を超えた活動やコミュニケーション、クラウドの中に蓄積された大量のデータ、いつでもインターネットに繋がる世界共通のスマートフォン。この3年また世界はすっかり様変わりした。最近では今更ながら「ビッグデータ」という言葉がひとつのトレンドになりつつある。世界のデータ量が飛躍的に増えているのは昔からわかっている事だったけど、それはこれまで永遠に蓄積され、唯一Googleだけが過去大量にストアされた情報から望むページを見つける手段だった。

それが変わりつつある。鍵は「人」だ。

"Googleは地球上のほとんどのWebページを 結ぶ化石的なリンクの膨大なデータベースを 構築しているが、Facebookはもっと貴重なものを持っている。 それは、Web上に実在する本物の人間の あいだに作られるリアルタイムの結びつきだ。(Ben Elowitz,TechCrunch)"

Google CEOのEric Schmidt氏も認めるFacebookの脅威。それはソーシャルネットワーキングがそれ以外の巨大化した情報自身を繋ぎ合わせる役目を生み出している。
WEBマーケティングも数年前まではSEOに大きく比重がおかれていた。Googleを始めとした検索エンジンに見つけてもらえなければ売上げはあがらなかった...それが人にシフトをしはじめている。FacebookやTwitter等ソーシャルサービスの台頭、エンゲージメント、リードナーチャリング、レコメンド、行動分析...これらキーワードの流行は全て人の行動が中心だ。

ビッグデータは個人の行動と結びつく事で生きる。これに気づかせてくれたのはASCII Web Professional編集長の中野克平さんとの対談。「ビッグデータ」について話を聞きに行き、てっきりクラウドや解析の話を中心の話になるのかと思ったのだけど対局にある「個人」から話がスタート。FacebookやリコメンドといったWEBの話ではなく、もっともっとベタベタな個人の生活、あるい縦割りの会社組織の中で先輩後輩の順列を壊さないような所に「気を使った」サービスを蓄積された膨大なデータを活かして「より満足される」サービスの話が出てくる出てくる。ビッグデータを使って個人の欲望をコチョコチョくすぐるサービスが生まれている事を具体的な社名やサービス名とともに解説してもらった。

ワルシャワでは組織が大きくなり軋轢が生まれ動きが遅くなる難しさを感じた。その1週間後、巨大に蓄えられた個人の活動データがその個人の欲望を満たすマーケティングを生み出しつつある事を知った。

"好むと好まざるとに かかわらず、消費者が 利用する新しい技術や 歴史の変革力が変化をもたらすのである"

これはダイレクトマーケティングの父であり世界有数のダイレクトマーケティングエージェンシーであるワンダーマン社の創立者であるレスター・ワンダーマンの言葉。

来る10月26日、大きく変化しつつあるWebマーケティングとCRMをオラクル社、伊藤忠テクノロジー、前述の中野編集長、そしてロフトワークで考える「売上げの鍵を握る— イノベーション・Webマーケティング」というセミナーを開催する。特に中野編集長の『ビッグデータが切り開くデジタルマーケティングのイノベーション』は必見。対談で出てきた数々の具体的な事例を楽しむ事ができるはず。お楽しみに!

執筆者

mitsu_suwa

代表取締役社長諏訪 光洋

1971年米国サンディエゴ生まれ。
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。

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