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Column コラム

集合知で珠玉のWebデザインを見出す、Awwwardsのしくみ

Satoshi Iritani

クリエイティブディレクター / ファシリテーションエヴァンジェリスト
入谷 聡

集合知で珠玉のWebデザインを見出す、Awwwardsのしくみ

Webデザインのトレンドを追うのに、どのサイトを見ていますか?

いくつもある優れたギャラリーサイトの中でも、”Awwwards“は、掲載のしくみが少し変わっています。日替わり・月替わりの「特選」サイト紹介のほか、「採点」システムもあります。

Aboutページを眺めていたら、採点や評価のしくみが詳しく出ていたので、抄訳しながら紹介します。この説明を読んだら、すっかりAwwwardsのファンになってしまいました。

http://www.awwwards.com/

投票と得点のしくみ(Evaluation System)

Awwwardsの投票機能は、ログインすれば誰でも使えます。”NOMINEES”リストにあるページから “VOTE ON THIS SITE“をクリックすると、デザイン・クリエイティビティ・ユーザビリティの4つの視点から、それぞれ10点満点で投票ができます。

この投票結果を、次の配分で「加重平均」したポイントが、投票者1人あたりの平均スコアになります。

  • デザイン 50%
  • クリエイティビティ 25%
  • ユーザビリティ 15%
  • コンテンツ 10%

でも、実は「みんなの投票」は、このサイトとしてのスコアリングには反映されません(!)。公式スコアに使われるのは、Awwwardsの「審査会(Jury)」に参加する8人の審査員(うち平均点から最も遠い1名の点数は除外)と、コミュニティユーザーの中で貢献度が特に高いメンバー(Honorary Members)の平均点です。

2013年の審査会(Jury)のメンバーは、600人の中から厳選されたデザイナーやWeb開発者 総勢66名で、日本からはシフトブレイン社のアートディレクター鈴木慶太朗さんが入っています。また、一般参加者の中でスコアに組み入れられるのは、「ステータスポイント」5000点以上の人ですが、ポイント計算は投票やコメント1回で5点、入賞すると100点… という感じなので、相当長く継続的に関与しているコミュニティメンバーだけが対象のようです。

Awwwardsの概要説明ページから。

ひとりの恣意的な感覚ではなく、視点ごとの重み付けと、複数メンバーの点数の平準化のしくみがしっかりしているのがユニーク。このフィルタを通ってなお、8点以上の高得点をマークするサイトは、本当に全てにおいてよく作り込まれたサイトだということが納得できます!

「賞」選定のしくみ

“Site Of The Day”を初めとする各賞は、次のように決まっていきます。

ノミネーションから「本日のサイト」まで

まず、平均点が6.5点を超えたサイトは、Honorable Mention(入選 的な感じ)のリストに掲載されます。このHonorable Mentionのうち、直近3ヶ月のものの中から、日替わりで選ばれるのが Site Of The Day (SOTD: 本日のサイト) です。

ある日のSOTD、平均点7.19。クリエイティビティの評価が高いけど、ユーザビリティ・コンテンツが低い(ビジュアルを重視したサイトの傾向)。

月ごと・年ごとの特別賞

そして、Site Of The Month (SOTM: 今月のサイト)は、各月内の「ハイスコア上位6位まで」を対象に「再投票」を行って選定するそう。さらにSite of the Year(今年のサイト)は、毎月のSOTMに加え、SOTDから「敗者復活」の追加3件を候補として、投票が行われるそうです。

こうした、複数のフィルタを通して「珠玉」を見つけ出すロジック、また「単純合計」だけではなく、再投票によって本当に良いものを選び直すしくみが、とてもバランスよく、すばらしいと感じました。

最高賞である2012年のSite of the Yearは、デザインエージェンシーBlacknegativeのサイトで、平均スコア8.28点(!)。実際見てみたら… 確かにこれはやばい。受賞発表のブログ記事には受賞したメンバーのインタビューもあります(英語)。

http://blacknegative.com/

Site Of The Monthを月1回チェックしておくだけでも、通年の「トレンド」をいち早く知ることができると思います。また、ワイヤーやデザインを「模写」して練習するのにも、こうした各賞で取り上げられているサイトはぴったり。さまざまな業種やサイト種別に出会えて、とても勉強になります。


すばらしいギャラリーサイトは他にもあります。デザイナーに限らず、気に入ったところを定点観測して、日々「目を養う」のはどうでしょうか。

Awwwards運営者のインタビューも読んでみたい。リーガルのページには、スペイン・バレンシアのエージェンシー Tierra Virtualの名前が出ていましたが、「中の人」がどんな人か、気になるところです…。

執筆者

Satoshi Iritani

クリエイティブディレクター / ファシリテーションエヴァンジェリスト入谷 聡

ロフトワーク京都でWebサイト制作プロジェクトを主導するクリエイティブディレクター。堅実なプロジェクトマネジメントを得意とする、ロフトワークきっての理論派。優れた情報整理能力と洞察力・言語化スキルで数々のクリエイティブを飛躍させてきた。PMI認定PMP(*)。1児の父。

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