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Column コラム

みんなでイマジンしてごらん・・・。絞込みと機会の想像。

Hiroki Tanahashi

イノベーションメーカー
棚橋 弘季

前回のワークによって、今回の班活動で取り組んでいく問題は、‘距離’によるコミュニケーション障害である。ということが明らかになりました。 でもそれって具体的にどんなことなの?フワッとしててよくわからないなぁ。
具体的な困っている事がわからないと、解決の糸口をつかむことができません。みんな!困ってる事の具体的なお話、聞かせてよ!!

「‘距離’によるコミュニケーション障害」をさらに分解して‘具体的に何が問題なのか’という本質を見つけ出す作業を行います。これが『問題の絞込み』です。

問題の絞り込みは、まず「現場検証」から。

ロフトワークでは東京と京都のオフィスでやり取りをする際に、「FaceTimeで打ち合わせしようとしても繋がらない!」ということがたまにあります。これはロフトワーク社員ならみんな一度は必ず遭遇する困り事(問題)です。

しかし、もしそれが単純に回線がオフラインだったからというようなおっちょこちょいが原因だったらどうでしょう?また、その人の使用しているiPadの不調が原因だったら?

万が一そんな‘単なるうっかり’を‘考えるべき問題’として設定してしまったら、一生懸命解決手段を考えたところで、回線を繋げば、iPadを設定し直せば、一瞬で解決してしまいますね。

「困り事の大枠が見えたんだし、絞込みなんてやらなくていいじゃん!」と思われるかもしれません。でもこういう見落としがあるかもしれないからこそ『問題の絞込み』が重要なんです。

なので、解決したい問題におおよその見当が付いたら、次は具体的に「どこで」「なにが」「どう困っているか(本当にそれは困っているのか)」をしっかり検証しなければなりません。

どこに問題がありそうか見当が付いたら、まず一番最初にすること。それは「現場検証」なのです。

今回は、各自が『現場検証』を通じて発見した「距離が離れた所にいるAさんとBさんがこんな場面でこんなやりとりで困ってたよ!」という実際のエピソードを共有し合いました。

「現場検証」の時には、警視庁鑑識課さながらカメラを片手に現場をおさえると、一緒に問題を解決するメンバーにも臨場感が伝わり、情報共有にはとっておきの手段なのでオススメです。

発表者は証拠写真を用いて話す

聞き手は発表者の要約メモを付箋に記入

共感したものにシールを貼る

『現場検証』で見つけた具体的なエピソードを共有し合った後、聞き手が書き出した要約メモを前回のワーク同様にディスカッションをしながらグルーピングをし、重要度の高いものを見つけ出しながら「問題の絞り込み」をします。

便利な世の中だから困ってた!?全容が見えてきた問題とは。

‘距離’という一つの問題に対して絞込みの結果・・・。これが我らロフトワーカーが困っていることだということが判明しました!!

大きくグループ分けすると、‘距離’による問題の中にある「ココロ」と「ツール」に関しての問題が大きいのではないか?という結果になりました。

ロフトワークでは東京と京都、それぞれのオフィス間でのコミュニケーションが必須であったり、社内コミュニケーションツールがたくさんあるんです。(FaceTime、Skype、Yammerなどなど・・・)

世の中が便利になり、直接合わなくてもコミュニケーションが取れるご時世。でも、本当にそれって相手に伝わってます?理解できてます?こういう問題って、わたしたちだけの問題では無いように思えます。どうでしょう?皆さんも一度自分の胸に手をあて、ココロに問いかけてみてください。

『機会表現文』で解決の糸口をさらにつかむ。って、それ何?

絞込みの結果導き出された問題に対して、解決策を考えます。具体的には、「こんな未来だったらいいのになぁ・・・」ということを想像して文章にしてみるという作業を行うのです。

あ!ちなみに、ここで作る文章のことを、『機会表現文』と言います。

『機会表現文』を作るというワークショップを通して改めて問題と向き合ってみると、問題の重大さと、解決までの道筋が見えてきます。

『機会表現文』を作るワークショップの流れとポイントを以下に記します。必見ですよ!!

1.「問題の絞込み」において絞り込んだ、‘距離’による問題の中にある「ココロ」と「ツール」というそれぞれの問題に対して、どういう機会を設けたら解決できるか?を長文になりすぎないように簡素な文章でまとめる。

※具体的な方法ではなく、「こういう素敵な未来だったらいいのになぁ。」というような、どういう気持ちを持てば良いのかを文章で表現することが好ましい。
ex:「○○だったらいいのに」という文章が好ましい。
  「○○をする!」のような具体的な解決策はこの段階ではNG。

ココロの問題を解決する機会はこんなにある!

2.1つのグループに対しての機会表現文が考えても考えても出なくなったら次のグループへ移る。
  ※今回は「ココロ」と「ツール」だったので、2グループです。

3.2グループにそれぞれに書いた機会表現文に対する‘具体策な解決策’を機会表現文の付箋の近くに貼る。
※ここでは、「○○をする!」のような具体的な解決策を表した文章でOK!
※明らかに実現不可能なことは書かない。ex:「地球を滅亡させる!」

ツールの問題を解決する機会だってこんなにある!!

具体策だってこんなにあるよ!!!

4.機会表現文、具体策の内容をよーく見て、2つのグループからどの解決策をより深く考えていくかを決める。
※全てにおいての‘具体策’を出したのは、今回は思考を深めたかったためです。
※絞込みは機会表現文のところで止めても構いません。
※機会表現文と具体策を考えることは体力使うので、休み休み行いましょう。(お茶休憩挟んだり。)

これって、デザインしなくてもいいんじゃない?いつの間にか問題解決!?

「機会表現文」と「具体策」に全力で向き合った私たち。

すると、、、あれ??
今まで「問題」だと思っていたことが、「○○をする!」というような具体的な解決策が見えた(共有できた)ことにより、デザインせずとも解決できるレベル(例えば、お互いの気遣いなど)の話であるということが分かってしまいました。

ここまでやってきたことが意味なし!?

いやいや。そうじゃありません。こういうことに気付けたことにも意味があるんです。「○○をする!」っていうことをやればすぐにでも解決できるんですから。

という訳で、私たちサービスデザイン班はデザインをするネタを見失ってしまいました・・・。

どーする、どーなる、サービスデザイン班!?

次回ワークショップでは「距離」というテーマは残しつつ、「どんな未来があれば‘距離’を感じずに素敵なことができる?」かいうことを想像してみます。 素敵な未来をイマジンするんです。

サービスデザインって、その過程がとても面白い!!だって、深刻な問題かと思っていたことが、実はそうじゃなかったということに気付けてしまうんですもの。次回はどんなことが起きるのやら・・・

先生からの‘今回の一言’

今回は「距離が離れたところにいる人ともうまくコミュニケーションしながら仕事を進めていくためには?」というテーマに関連する現実の問題に対する理解をより深めるために、みんなで「日常の業務のなかで実際にこんなことで困った」というエピソードを探してきて紹介しあうことからはじめました。

それをきっかけに問題を絞込み、その解決の機会を探ってみたのですが、その過程で明らかになったことは、向かうべきゴールの輪郭ではありませんでした。むしろ、明らかになったのは、その時点まで深刻な問題と考えていた遠距離でのコミュニケーションの問題は、実は既存のやり方そのものを変えてみたり、お互いの気遣いで改善できそうで、サービスデザインで向かうべきゴールではない!ということでした。

つまり、この段階で僕らはサービスデザインで解決すべき課題を見失ったわけです。でも、それはそれで1つの重要な学びでした。それ以上、そっちの方向に進んでもても無駄だよという重要な学び。この学びを得たことで、僕らはゴールのない方角へと突き進んで路頭に迷わずに済みました。

というわけで今回の一言。

ゴールを見失ったり、ゴールが見えていないのは大した問題じゃない。問題なのは間違ったゴールに向かって進み続けること! ふらふらと蛇行しながらでも、素敵な未来を実現するための本当のゴールを見つけ出すことにこだわろう。

執筆者

Hiroki Tanahashi

イノベーションメーカー棚橋 弘季

芝浦工業大学卒業後、マーケティングリサーチの仕事を経て、1999年頃よりWeb制作の仕事に携わるように。2004年からは株式会社ミツエーリンクスにてWeb戦略立案や人間中心設計によるコンサルティング業務に従事。 2008年からは仕事の対象をWebからプロダクト/サービスへとシフトし、株式会社イードにてユーザーリサーチやインタラクションデザインに関するコンサルティングを経て、2009年株式会社コプロシステムにてクライアント企業のための新規商品/サービス開発支援業務や社内イノベーター育成のための教育プログラムの提供などを行う。 2013年にロフトワーク入社。サービスデザインの領域を中心に、クライアントのビジネス活動にイノベーションを実現するための支援業務を担当する。

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