Main menu

Column コラム

「OPC Hack & Make Project」グッドデザイン賞ベスト100の受賞によせて

mayumi_ishikawa

パブリックリレーションズ
石川 真弓

ロフトワークが支援してきた、オリンパスの「OPC Hack & Make Project」がこのたびグッドデザイン賞のBEST 100と、未来づくり賞を受賞しました。
今年のグッドデザイン賞の応募総数3658点の中から、「オープンプラットフォームカメラから広がる新しい映像体験と、共創するエコシステムのデザイン」を評価いただき、ビジネスモデルカテゴリーでの受賞となりました。

グッドデザイン賞展にて

ロフトワークでは、オープンプラットフォームカメラ(OPC)のプロトタイプを公開して、新しい写真体験を開拓する「OPC Hack & Make Project」を立ち上げて支援をしてきました。
受賞の対象者はもちろんオリンパス株式会社になりますが、私たちロフトワークのプロジェクトメンバーも我が事のように嬉しく、感慨深く感じています。

今年の春にオリンパスから発売されたオープンプラットフォームカメラ「 OLYMPUS AIR A01」は、マイクロフォーサーズのレンズが交換可能ないわゆるレンズスタイルカメラ。

本体はファインダーも無い、液晶のビューワーもない。撮像モジュールだけが搭載された「筒」の形状のカメラを、スマートフォンと接続して使います。

スマートフォンや普通のカメラでは撮れなかったようなアングルで撮影できたり、自作した装置に取り付けていろんなスタイルで撮影したり、他のガジェット(例えば自動雲台とか、Pepperとか、スマートウォッチとか)と組み合わせて使うことだって出来る、逆に使い手の発想を無限大に膨らませることができる、自由なカメラなのです。

このカメラで、新しい写真体験を「共創」しながら作ることができないだろうか?その実験がこの「OPC Hack & Make Project」。
デベロッパーやクリエイター、そしてユーザーと一緒に新しいカメラと写真体験を探求しよう!イノベーションのヒントを探りつつ、新しいビジネスエコシステムを構築しよう!というものです。

実際に製品が発売される前から、オープンプラットフォームカメラの「プロトタイプ」としてカメラの筐体を公開してしまい、さらにiOSとAndroidのアプリ開発キット(SDK)や本体の3Dデータを公開し、「Hack & Make」可能なプラットフォームを提供しました。

私がこのプロジェクトに加わったのはもう1年半以上前ですが、この前例のない未開拓のプロジェクトを進めていくにあたり、最初は疑問だらけでした。

「新しい写真体験って、何なんだろう?」
「製品も発売していなくて、プロトタイプしかないのにどうやってクリエイターコミュニティを作るの?」

オリンパスという日本有数のメーカーが、製品も出ないうちからプロトタイプのカメラのSDKや3Dデータを公開すること自体、前例が無いことだし、デベロッパーやクリエイターを巻き込んで何か面白いことをしてみよう、そこからイノベーションが生まれると信じ、これまでも、そしてこれからも活動を続けていく…。
ここまでたどり着くのに、決して平坦な道では無いことは容易に想像がつくと思います。

私たちも手探りなところからスタートし、一緒に試行錯誤して並走してきました。
でも実際は、オリンパスの中でものすごく頑張っている人々がたくさんいます。
この小さくて不思議なカメラがこの世に発表され、そしてオープンイノベーション活動をしていくための裏舞台には、多くの人たちの熱意や努力があることを私は身を持って知りました。

「現在はカメラのメーカー(作り手)とユーザー(使い手)が別れている状況ですが、このようなプラットフォームを提供すればその境目がなくなり、その先にイノベーションのヒントにつながる新しい写真体験があるのではないかと考えています。」という言葉にオリンパスの思いが込められています。

ロフトワークでは、このカメラの価値を考えるためのクリエイターワークショップをやったり、ハッカソンをやったり、PILOT PROJECTを立ち上げて、クリエイターと一緒に新しい写真体験をつくる実験をしたり、FacebookWebサイトでのコミュニケーションをしたり、Engadget Fesに出たり、FabCafeでOPC Hack & Make gatheringを定期的に開催したり、大阪などでアイデアソンを実施したり、OPCの作品のコンテスト、OPC Hack & Make Awardを行ったり、ロフトワークとFabCafeのプラットフォームと、クリエイターコミュニティを最大限活用しながら、一緒にプロジェクトを進めてきました。

この活動に賛同してくれるクリエイターが集まりコミュニティが生まれ、そして様々な作品がつくられ、新しい写真体験を開拓するためのオープンなエコシステムが形になっていく様子を目の当たりにして、いつも小さく感動していました。

微力ながらいちユーザーとしても、プロジェクトメンバーとしても、試行錯誤しながら、刺激的で、やりがいがあって、未開の地を開拓していくようなこのプロジェクトに携わることができて、とても誇りに思うし何より楽しかったです。
OPC Hack & Make Projectは、これからも続いていきますし、今後も支援をしていきたいと思います!

※OLYPUS AIRはオンラインショップのみの販売となります。

執筆者

mayumi_ishikawa

パブリックリレーションズ石川 真弓

WEB制作会社勤務を経て、シックス・アパートで広報及びマーケティングに携わる。2013年7月より、ロフトワークとFabCafeのPR/プランナーとして、広報活動や各種プロジェクトのコミュニケーション戦略のプランニングを担当。本業の傍ら、個人ブログの運営やWebメディアでのライター業務、日本初のHDR写真をテーマにした書籍『HDR写真 魔法のかけ方レシピ』(技術評論社)を刊行するなど、週4日勤務社員とライター・ブロガー活動のパラレルキャリアを実践している。

最近執筆した記事

コメント

blog comments powered by Disqus