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Column コラム

国の行政支援に頼らない、日本のものづくりを本気で考える人達のための「ヒト・コト・ワザ・カネ」のプラットフォームをつくりました

mayumi_ishikawa

パブリックリレーションズ
石川 真弓

国の行政支援に頼らない、日本のものづくりを本気で考える人達のための「ヒト・コト・ワザ・カネ」のプラットフォームをつくりました

ロフトワークは、3年連続で経済産業省の補助事業「 MORE THAN プロジェクト」の事務局を務めています。このプロジェクトは、海外展開を目指す日本のものづくり企業とプロデュースチームの活動を支援するためのもので、公募で採択されたチームには、経産省から補助金が交付され、情報発信や販路開拓などのサポートが提供されます。
このMORE THAN プロジェクトを始まりからずっとリードしてきた秋元ですが、2016年初頭、社内外の人たちを盛大に巻き込み「JAPAN BRAND FESTIVAL 」という取り組みを(ほぼ有志で、でも会社公認)新たに立ち上げました。

…じゃぱんぶらんどふぇすてぃばるって?

JAPAN BRAND FESTIVALの説明文には、
「立場や所属を超え、ジャパンブランドに情熱を傾けるあらゆる文脈の人々を巻き込み、その活動を拡大・活性化する、現代版「楽市・楽座」のような場をつくることでジャパンブランドに新たな価値を紡ぎます。 」

と書いてあります。

でも、なぜ始めたのですか?MORE THAN プロジェクトと何が違うんですか?

という純粋なる疑問に答えてもらうべく、ロフトワークの秋元と、もう一人の発起人である株式会社 Culture Generation Japanの堀田卓哉さんにお話を聞いてみました。

左:堀田氏、右:秋元

「海外進出=海外の展示会に出展」する、以上。 で終わってはいけない

そもそもの大前提として、今の日本のブランド、ものづくりに対する問題点や課題、グローバル市場における日本の立ち位置ってどうなんでしょうか?

(堀田)僕が代表を務めるCulture Generation Japanでは、日本伝統工芸技術を活かしたコラボレーション商品の開発や、 国内および海外販路開拓といったことに、事業としてずっと携わっています。日本の職人さんは基本的には技術屋さんです。「この凄い技術があるから、こんなに凄いものを作った、だから売って欲しい」となることが多いですが、市場のニーズを理解した上でのものづくりというよりは、どうしても技術ありきになるパターンが多い。そして実際は売れなくて「新しいものって難しい、やっぱり国内で粛々とやろう」となりがちです。
国際市場を目指すなら、やはりグローバルチームの力が必要だし、チームの力がないと世界には近づけないということを5年間で痛感しました。

(秋元)問屋という仲介構造の問題もありますね。百貨店などの小売店があって、モノづくりをする職人さんがいて、そこを仲介するのが問屋さんです。

(堀田)昔は、職人さんは問屋さんに販売は任せていれば良かったし、任せることができたので、職人さんはモノづくりに集中することができて、そのおかげで技術力はあがりました。でも今は、問屋さんのプロデュース力が弱くなってきていることで、その仕組みが成り立たなくなっている。特に海外市場に出ようとするときに顕著。日本の良い物を海外に売りだそうという気概のある問屋さんは少なくなっています。一方、海外のものを日本に仕入れる問屋さんはいるようです。

- クールジャパンとか、TPP施策とかありますが、そういった課題に対して、国はどういう施策をしているのですか?

(秋元)クールジャパンというと、アニメなどコンテンツ系までを包括する施策なのでちょっと違うのですが、「JAPANブランド モノづくり系の海外進出施策」も沢山あります。ただ、今までは「海外進出=海外の展示会に出展する」で終わっているケースが多い印象を受けました。国はその「出展するまで」を支援しそれで終わり。「ミラノサローネ出ました、アンビエンテ出ました」ことがゴールになっているというか。でもそれって、しっかりとしたモノづくりをしている日系企業であれば、出展費用さえ出せたら、基本的に誰でも出れちゃうやつです。だからそれだけではダメだよね、ということでMORE THAN プロジェクトではちゃんとプロデュースチームを組み、海外の展示会に出展するのがゴールではなく、商談の成立までをコミットして支援する座組になっています。

(堀田)中小企業庁の事業として中小機構と我々が手がけたプロジェクトとして「Next Market In事業 ~ Contemporary Japanese Design Project」というものがあります。この事業では、海外専門家(デザイナー、バイヤー)をモノづくりのプロセスから巻き込んで、海外ニーズを取り込んだ商品開発をするということを行っています。

JAPAN BRAND FESTIVALは、本気で日本のものづくりに取り組む人たちのためのプラットフォームです

Next Market In事業は海外で売れる商品を「つくる」、MORE THAN プロジェクトは、海外に「売りに行く」を担っているわけですね。
そして本題に入っていくわけですが、このJAPAN BRAND FESTIVALは、前述のような課題や、国の支援事業があるなかで、何がきっかけで始まったのですか?

(秋元)昔から想いはあったんです。みんな繋がった方が価値が出るのはわかっている、なのになぜつながらないんだろう?「日本のものづくり支援」となると、行政が入ることが多く、なかなか横でつながれていない。そして(国の行政支援となると)いろんな制約が出ることも多い。
日本のものづくりに使命感をもって、同じ志(こころざし)を持つ人々同士でオープンでフラットな関係性を築くことできたらいいのに、そうしたらもっと価値を生み出せるのに、そういう想いから始まっています。

(堀田)9月に渋谷ヒカリエで開催されたMORE THAN プロジェクトのイベントのストラテジーセッションに登壇したのですが、たくさんの聴衆がいる壇上で、突然秋元さんからこのJAPAN BRAND FESTIVAL構想の話をされて、一緒にやるかやらないか、イエス・ノーを迫られたんですよね。そりゃ、あの場でノーとは言えませんよ(笑)いや、前々から横での連携は大事だという話はしていて、目指しているところは一緒だしやりたいことだったし、共感はしていたので、ぜひやろうとなりました。

(秋元)そうそう、壇上で公開OKもらった(笑)その後、改めて堀田さんに「本気でやりませんか」と話をしにいきました。それ以外にも経産省やいろんな人にこの構想を説明しに行きました。でも行政の方はあまり乗り気では無い人もいましたね。でも堀田さんが腹をくくってくれたおかげで、JAPAN BRAND FESTIVALをどうにか形にすることができました。

- そしていよいよ本題ですが、「JAPAN BRAND FESTIVAL(以下JBF)」ってなんですか?

(秋元)JBF自体は利益を求める事業体ではありません。ジャパンブランドに携わる全ての人達のためのもの。その人達が関わることによって、彼らの事業を広げるためのネットワークを形成していく。そのための必要なヒト・コト・ワザ・カネのプラットフォームにしていきたいと思っています。
モノづくりをして国内外に展開するまでに、上流から下流までいろんなビジネスがあっていろんな人々が関わっています。例えば、商材を持っている中小企業のひとたち、バイヤー、クリエイター、プロデューサー、貿易関連の人、知財を持ってる人など、皆それぞれに想いがあるし、それぞれ専門知識を持っている。
JBFは、それらの人達が一同に集まるプラットフォームです。いろんな人と交わって視点を広げて「知る」ことで、さまざまなものが省けて、加速させることができるはずです。

(堀田)本当に皆、それぞれに日本の事を本気で考えて、良いことをやっているんです。
そういったものづくりの未来を考えている人たちの、志の高い人達のプラットフォームでありたいと思います。

3000人が集まったキックオフイベント

- そして2016年1月11日から17日まで、JBFのキックオフということで渋谷のヒカリエでイベントが開催されました。何か手応えはありましたか?

(堀田氏)7日間で参加者 約3000人、出展者は12社、登壇者も約40人で、「Meet The FURUSATO」や「The Wonder 500」「NIPPON QUEST」など、経産省の主要なプロジェクトが揃ったのも嬉しかったですね。

(秋元)改めて考えると、本当によくやりきったよね(笑)運営もバタバタの中、スタッフや登壇者、出展してくれた皆さんなど、その気持に答えてくれたのが嬉しかったですね。今回はスタートまでの期間も短くて、僕は帯状疱疹にもなっちゃって、3ヶ月でやるなんてもう二度とやっちゃダメだと誓う程に大変だった。
でもイベントをきっかけに、いろんな人が繋がって、それぞれにプロジェクトが始まっている話をたくさん聞きます。クックパッドのwashoku.guideと和食器関連でコラボレーションする話がきたり、パリでのギャラリースペースで展示販売する話が進んでいたり、他にもいろいろ。
全てJBFのイベントがきっかけだったそうです。
本気で何かをつかみたいと思っている人がJBFにくれば必ず必要なネットワークが揃っている、そういう場にしていける!という実感が改めてわきました。

- JBFは今後どういう展開をしていくんですか?

(秋元)JBFは組織でもなければイベントでもありません。と、言いながらも大きめのイベントを2017年の3月に開催することが決まっています

(堀田)それまで、日本全国でキャラバン活動的に各地を回ってJBFについて話して、ネットワークを広げていきたいですね。
6月上旬に六本木でコラボレーションイベントも企画していますし、6月には旭川でのデザインウィークに出れないかと目論んでいたり。ヒカリエに来てくださった方の現地にお伺いしたり、そんなきっかけから仲間が増えてくると良いですね。東京でやっているイベントという見え方にはしたくありません。JBFのプラットフォームを必要とする人のところに情報を届けて、本気で求める人を本気で受け止めたいです。

- 最後に一言

(秋元)本気で価値を掴みたいと思っている人は我々とやりましょう!
あなたのやりたいことは必ず叶います!…って詐欺師みたいだね。でも、それくらい僕らは本気の繋がりが価値を生み出すと信じています。

(堀田)行政の人たちに「なんでそこまでやるんですか?!リスク背負ってますね」てよく言われます(笑)でもリスクをとらないとやる価値も生まれません。我々のコミットも大事。
一緒に本気でジャパンブランドの未来をつくりましょう!

執筆者

mayumi_ishikawa

パブリックリレーションズ石川 真弓

WEB制作会社勤務を経て、シックス・アパートで広報及びマーケティングに携わる。2013年7月より、ロフトワークとFabCafeのPR/プランナーとして、広報活動や各種プロジェクトのコミュニケーション戦略のプランニングを担当。本業の傍ら、個人ブログの運営やWebメディアでのライター業務、日本初のHDR写真をテーマにした書籍『HDR写真 魔法のかけ方レシピ』(技術評論社)を刊行するなど、週4日勤務社員とライター・ブロガー活動のパラレルキャリアを実践している。

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