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Column コラム

2016TWDW

Yaochi

アシスタントクリエイティブディレクター
劉 堯琪

2016年台湾デザイナーズウィーク出展レポート

台湾で最大規模のデザインイベント、「台湾デザイナーズウィーク 」はデザインを愛する全ての人が、一年で最も期待するイベントです。またアジアと世界のデザイン界が交流もさかんに行われます。特に、2016年は台湾デザイナーズウィーク10周年。特別な意義を持っています。

今年もさまざまなコンセプトで表現された作品や試行を凝らしたイベントから、デザイントレンドとその動向を感じることができました。

今年の台湾デザイナーズウィークのキービジュアルのテーマはImpact

台湾デザイナーズウィークは9月23日から10月2日までの開催期間中、台北松山文創園区にて計13点の展示とイベント、さらにデザインフォーラム、ワークショップなどが催されました。Loftwork 台湾チームは今年は「Creative Approach for IMPACT」をテーマに、「Branding & Media」、「Innovation Creativity」、「Future Space Design」の3つのテーマで、現在進行中の代表的なプロジェクトを展示。さらに「FAB Tomorrow」というデザインフォーラムを企画しました。

多くの来場者が足を止めた、ロフトワーク台湾のブース

家庭用水耕栽培機「foop」

クリエイティブを流通するプラットフォームとなることをミッションとするロフトワークは「Open Collaboration」の理念に基づき、様々な企業やデザイナーとのコラボレーションを進めています。中でも デルタ電子株式会社とのコラボレーションで生まれた、スマート菜園foopはスマートフォンを利用する水耕栽培ができるのIoTデバイスです。植物の成長状況が小さなディスプレイでコミカルに表示されます。

台湾では、食の安全が社会問題になっていたこともあり、多くの人からの注目を集めていました。「これは直接食べられるのですか?」、「ディスプレイに表示されているのは野菜の気持ちですか?」また、何人かの子供を連れた母親からは「どこで買えますか?」という質問もされるほど。

台湾を訪れていた、foopの日本人のスタッフは、日本と異なる台湾の気候で、野菜の成長に影響がでるのではと心配していましたが、予期していたよりもずっと早く、さらに生育状態もより良いもので、皆大変驚いていました。しかし急激な成長の結果、早めに食べられてしまうことに(笑)。

リンク:家庭用水耕栽培機「foop」

TECHTILEツールキット

触覚の情報をデジタルに変換して伝える、TECHTILEツールキットも展示しました。これは、様々な技術を利用して、物や人体が感じる感覚を伝達する装置で、様々な触覚の再生・拡張ができます。

参加者が両手にそれぞれ紙コップを持ち、そのうち一つの紙コップに水を注ぐと手にしているもう一つの紙コップにも水が注がれている感覚が得られます。その他にも、大豆、カプセル、バスソルトなどいくつかの質感の異なる材質を用意し、多くの来場者が、驚きの表情を浮かべながら体験していきました。

TECHTILEツールキットは、ハードウェアとソフトウェアの情報が公開されており、誰でも作ることができます。

リンク:TECHTILE TOOL KIT

電気伝導インクAgIC

デジタルファブリケーション領域のグローバルクリエイティブアワード「YouFab 」から、2014年に準グランプリを受賞した、AgICが展示されました。これは、ナノ銀粒子を含むインクを基礎技術とし、特殊な電気伝導インクをペンとインクカートリッジに入れた製品です。

手書きの線が直接電気回路となり、製造者と設計者との距離を縮めます。デザイナーが原型を制作し、インスピレーションを具現化することに役立つだけではなく、同時に優れた教育ツールにもなっています。展示期間中は意外にも小学生の多くが足を止めて見学していました。もしかすると近い将来、 AgICは小学校の教材になっているかもしれません。

リンク:youfab2014

リンク:AgIC

日台のクリエイターと考えた、 FABの未来

展示会の最後を締めくくったのは、ロフトワーク台湾が企画したデザインフォーラム「FAB Tomorrow」。3Dプリンターや、レーザーカッターの認知が広がりつつある昨今、人々のFABに対するイメージはどのように変化しているのか。日本と台湾のクリエイターを招き、FABの未来の可能性を考えました。

Loftwork TaiwanとFabCafe Taipeiの共同ファウンダー黄駿賢(Tim)をイントロダクトリーとして、参加者とFabCafeのグローバルな成長と現在、そしてこの1年で進めてきた各種ワークショップと活動について紹介しました。

FabCafe TokyoでFABマスターを担う金岡大輝は、国際的なデザインコンペティションであるYouFabの設立のモットーと作品募集の方法を紹介。今年はヤマハ株式会社の協賛が決まり、選出者はヤマハとコラボレーションする機会も提供されます。

レーザーを主に創作とするアーティスト施惟捷は、電子と化学という二つの異なる分野を結合する「LaserDye」という作品がYouFab賞にノミネートされています。近年ではレーザーと大型ロボットアームを結合させて、今までにない材質と形状の創作を行っています。

今回の台湾デザイナーズウィークでは、展示とフォーラムを通じて多くの人々と交流することができました。技術やクリエイティブの分野で様々な可能性を秘めた地元企業とのつながりを作っただけでなく、優秀な現地のクリエイターとの接点を生みました。

アジアと日本を繋ぐ台湾には、これからも国内外のクリエイティブのエネルギーを集め様々な企業との「Open Collaboration」を推進していきます。

執筆者

Yaochi

アシスタントクリエイティブディレクター劉 堯琪

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