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Column コラム

渡部 晋也

マーケティング
渡部 晋也

こんにちは、渡部です。守破離(しゅはり)って素敵な言葉ですよね。

守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。個人のスキル(作業遂行能力)を3段階のレベルで表している。まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
引用:Wikipedia 守破離


渡部は剣道をやっていました。毎日毎日何千回って素振りをしたり、夏のうだるように暑い道場の中で延々と型の稽古をしたり。当時は「なんでこんな辛い思いして同じこと繰り返しているんだ」って、毎日辞めたいって思っていましたが、だんだんその意味が分かって来たりするんですよね。

個人的に守破離が素晴らしいと思うポイントは2つ。基本である型の習得に止まらず、そこからさらに技を洗練させて自分のものとして、既存のルールに縛られることなく新しい価値を生み出そうとするマインドをたった3文字で表現できていること。そして「道」という保守的だと思っていた領域で育まれた思想だということ。

そんな素晴らしい日本の思想「守破離」をヒントに、企業の中から新規事業を興しイノベーションを生み出すために必要な態度や本質的な成功への"型"を、対話を通じて編み出していくイベントを開催しました(半ば強引)。

組織変革・リーダー育成のプロフェッショナルとコラボレーション

プロノイア・グループ CEO ピョートル グジバチ
グーグル(現Alphabet社)やモルガン・スタンレー等にて、長年、人材開発やリーダーシップに携わってきたHRプロフェッショナル。国内外さまざまな企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティングを行う国内外の多国籍なメンバーやパートナーとともにグローバルなサービスを展開している。「0秒リーダーシップ」と「世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法」著者 https://goo.gl/tbm59L

今回、このちょっと挑戦的なプログラムを一緒にやってみたい!とお誘いいただいたのが元Googleでアジア全体やグローバルのリーダーシッププログラムや組織改革を統括していたピョートルさん。今は独立をしてプロノイアグループとして様々な企業と内側からイノベーションを生み出すための組織づくりに取り組んでいます。流暢な日本語を話し、メンバーからは「ピョーさん」と呼ばれる素敵な方です。

プロノイア・グループ Consultant 世羅 侑未
1991年、東京生まれ、大阪育ち。個人・企業のパフォーマンスを最大化する仕組み&マインドセットを整えるためのコンサル事業に従事。慶應大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)修士学生としても「フロー状態」の研究に取り組む。ALiA、Action Inquiry Associatesなど欧米の教育機関にも所属し、東西の知恵の相互交流を促進。『行動探求』(英治出版)は日本での第一人者として翻訳協力。共著に『The SAGE Handbook of Action Research』(SAGE Publications, USA)。

もう1人が、ピョートルさんと一緒に企業の組織改革、文化醸成に取り組む世羅さん。プロノイアで働く傍ら、ご自身でも様々なプロジェクトを推進しているパワフルな女性です。大学院(慶應SDM)では修士学生として「フロー状態」の研究に取り組んでいて、仕事における充実感と生産性の両方を同時に高めたい方は彼女に相談してみてください。

企業の中からイノベーションを生み出すための「パターン」を編み出す

多くの企業が、社内ベンチャープログラムや新規事業プロジェクトを立ち上げ、いろんなアプローチでイノベーションに取り組んでいます。

ロフトワークでもそういったプログラムの企画設計や、新規事業プロジェクトの立ち上げ・グロースを、彼ら組織の外側からご支援する機会が増えてきています。そのアプローチは様々ですが、一環しているのは企業や組織を超えたコラボレーションが生まれる仕組みを作ること。

それが時には空間をつくりその中のコミュニケーション設計もしたり、テクノロジー × オープンな公募型プロジェクトによるアイデア発掘だったり、社会に対する問題提起をするための機会領域を探るものだったり。


一方で、課題も明確になってきました。それは、新しい価値を追求するために必要な開拓者としてのマインドや、既存事業や組織のルールを超えてイノベーションをおこすための勇気みたいなことを、「組織の中」にまで入り込んでインストールしていくことが如何に大変かということです。

そんな折、声をかけてもらったのがピョートルさんと世羅さんでした。彼らは、企業の中からイノベーションを生み出すための文化、組織作りのプロフェッショナルです。そして我々ロフトワークは、クリエイティブを通じて企業の外側からイノベーションを起こすためのエッセンスを注入していく存在。

この両社の経験と、新事業に携わる参加者のみなさんがいれば、イノベーションへの新しいアプローチを編み出せるかもしれない!そんな想いで「Innovation “Pattern” ─ これからの新規事業部のあり方を考える」と題したイベントを5月29日に開催しました。

自分の言葉として語れる「型」

このイベントの特徴は、企業の内側からイノベーションを生み出し成功させるための具体的な方法を"対話"を通じて明らかにしていくこと。

ケーススタディを聞いて分かったつもりにならず、他人の言葉を借りず、自分で成功のためのストーリーを語れるようになることを目指します。

また、対話のためのメディアとしてプロノイアとロフトワークで「Innovation Pattern ver.0」というフレームワークを作りました。

元々プロノイアで開発したフレームワークとロフトワークのナレッジを合わせて、新規事業に携わる担当者・チームを率いる責任者・経営者が持つべき視点・視座・態度を編み出したものです。

ロフトワーク MTRL プロデューサー 小原 和也
兵庫県姫路市出身。法政大学卒業後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科x-DESIGNプログラムにて、デザインプロセスにおける暗黙知の言語化に着目した研究活動を行う。2015年ロフトワークに入社、FabCafe MTRLプロデューサーとして様々な企画、プロジェクト、新規事業の創出に携わる。モットーは 「人生はミスマッチ」。編著に『ファッションは更新できるのか?会議 人と服と社会のプロセス・イノベーションを夢想する』(フィルムアート社、2015)がある。あだ名は弁慶。

今回、Innovation Pattern ver.0はプロノイアとロフトワーク FabCafe MTRLプロデューサーの小原(通称 弁慶)で開発を進めました。もともと弁慶が学生時代に研究していたパターン・ランゲージからもヒントを得ています。

パターン・ランゲージ*とは暗黙知となっている事柄を言語化しそれを体型的に捉える手法のひとつ。弁慶は、新規事業をよく担当するメンバーへのインタビューを重ね、それをプロノイア世羅さんと分解・統合を繰り返すことによってInnovation Pattern ver.0を作っていきました。

パターン・ランゲージとは、暗黙知を表現・共有・活用する方法の一つで、特定の状況で繰り返し現れる問題とその解決方法等(パターンと呼ぶ)を集めたものです。 個々のパターンには名前があり、コンテキストや問題、背景となる因果関係、解決方法、結果、例などから構成されます。
引用:http://kray.jp/blog/pattern-language-in-kray/


イベントでは大判のパネルでこれを貼り出し、みんなで読み込みながら、自分の経験から出てくる生々しい知見を参加者同士で交換し合いました。

例えばInnovation Pattern ver.0にはこんな「型」が載っています......

立場を取ろう

立場をとるということは、あなたが責任を持って関わっている証拠。
相手との関係性や自分の役割を明確にして、仕事の生産性を高めるチャンスです。 すべてのスケールで”自分ごと”として考えてみましょう。


守りの姿勢ではなくて、チームの中で、組織の中で自分の出来ることを明確に表明することが大切。そうすることで自分の立場が明確になるだけでなく、メンバーや上司との関係性もはっきりとして結果として仕事の生産性も上がる。というメッセージ。

こういうパターンを全部で20個用意しました。参加者のみなさんには、失敗成功含めて自分の経験を共有するだけでなく、どうしたら上手くいくのか?についてアイデアを出し合ったり、パターン自体をブラッシュアップしたり、自分ごととして考えるためのきっかけとしてこの場を使ってもらいました。

ゲストにはシャープ 太田 敦士さん、NTT西日本 中村 正敏さん、リクルートコミュニケーションズ 竹内 誠一さんが登壇

パネルディスカッションは、ピョートルさんモデレートのもと、新規事業や企業の先端領域で活躍する3名のゲストとロフトワークプロデューサーの松井が登壇。みんな、時には企業のルールや慣習を超えて、チームやパートナーを巻き込んで突き進むことが大切だとおっしゃっていました。まさに「守破離」を実践しているみなさんだからこそ言えることかもしれません。

ロフトワーク CEO 諏訪

最後にクロージングセッションでロフトワーク代表の諏訪がプレゼンテーション。

「組織の外側から、クリエイティブをどうやってインストールしていくのか。オープンイノベーションの持続可能な仕組みをどうやって作っていくのか。そういう仕組みづくりの面でロフトワークはたくさんの挑戦をしてきました。」と、場・仕組み・そこで生まれるコミュニティを軸にしたイノベーション創造についていくつかの事例をもとに紹介。


その一方でプロノイアのように、リーダーシップやモチベーションをキーワードに組織の内側からイノベーションが生まれる環境を作っていくアプローチも大切で、組織の内と外どちらからのアプローチも必要、どちらから攻めてもアリ!と締めくくりました。

今回、ピョートルさんと世羅さんからのお声がけで実現したInnovation “Pattern”。バージョン0であり、これをスタート地点として、イノベーションを生み出すための「守破離」を実践するオープンコミュニティを育てていきたいと思っています。次回は7月下旬に開催予定なので、関心がある方は引き続きフォローしていただけると嬉しいです。

執筆者

渡部 晋也

マーケティング渡部 晋也

青山学院大学国際政治経済学部卒業。学生時代に代表の林千晶も審査員として加わったmy Japanプロジェクトの運営に携わる。このプロジェクトがきっかけで、大学在学中からロフトワークでインターンとして働くようになる。2012年から正式にロフトワークに加わり、マーケティング Div.でビジネスセミナーや外部コラボレーションイベントの企画運営に携わる。最近は、増え続ける体重が悩みの種。

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