Main menu

答えはすべてユーザの中にある! UX向上に役立つインタビューワークショップ講座 開催レポート
  • 17
    4月
  • 有料
  • 東京

レポート掲載中

loftwork Lab.(ロフトワーク 10F)

答えはすべてユーザの中にある! UX向上に役立つインタビューワークショップ講座 開催レポート

ロフトワークでは、ユーザエクスペリエンス(以下、UX)のデザインに役立つフレームワークとワークショップの進め方をまとめた「UX Design Tool Box」を無料公開。2015年4月17日、この資料で取り上げているユーザインタビューにフォーカスし、その具体的手法を実践するワークショップ講座を開催。ロフトワークのシニアディレクター 西本泰司と共にインタビューを通したユーザインサイトの捉え方を学びました。

UXの起点は「共感」からはじまる

ロフトワーク シニアクリエイティブディレクター 西本 泰司

はじめに、「今日の講座の目的はデプスインタビューを体感すること。デプスインタビューとは、ユーザのインサイトを明らかにしてそれをUXデザインにフィードバックするためのものですが、そもそもUXとは何でしょう?」と西本は会場に問いかけました。ここで「おでん」を例にしてUXの全体像を説明しながら「一口におでんと言っても、買い物に行き、食材を買い、レシピを検索し、調理し、家族とおでんを囲むなど、さまざまな体験がある」と説明。

「それがWebサイトを作ることに置き換えても、近視眼的にサイトの中だけでユーザ体験を考えがちだが、おでんの例で言う体験全体を考えて、“寄り”と“引き”のように視点を変えることで体験全体が見えてくる」と強調しました。

共感を起点としたUXデザインのプロセス

  • ステップ1
    ユーザ体験への深い洞察と共感
  • ステップ2
    問題定義
  • ステップ3
    解決策の創造
  • ステップ4
    実際に触ったり操作できる形でプロトタイピング
  • ステップ5
    プロトタイプを使ったテストとフィードバック

引用元:デザイン思考 5つのステップ (一般社団法人デザイン思考研究所) / CC BY-NC-SA 3.0

共感のための代表的手法

  • デプスインタビュー
    一対一で対話をし、「なぜ?」「どうして?」を掘り下げていく。労力は高いが、じっくり話す分深い共感が得られる。
  • グループインタビュー
    複数名と特定のテーマについて話し合う。他の人の言葉に影響されやすく、共感は浅い。
  • 文脈的インタビュー
    現場で実際に作業してもらいインタビューをする。現地に足を運ぶため、労力は高い。
  • フィールドリサーチ
    現場で直接観察をし、関係者への調査を行う。現地に足を運ぶため、労力は高い。

4つの手法の中でも、もっとも深い共感が得られるのがデプスインタビューです。西本自身もよく使うというこの手法のメリットは、ユーザの本質的な欲求や本音が見えてくる点。そこに共感できたとき、初めてユーザを深く知ることができるのです。その進め方は次のとおりです。

デプスインタビューの進め方

  • 準備:リクルーティングの条件、質問内容を整理したガイド、進捗を把握するための管理シートを作成する。
  • リクルーティング:外部ではなくても、知人やクライアントのネットワークを使って条件に合う人を集める。
  • インタビュー:進行係、メモ係、撮影係で臨む。
  • 分析:インタビュー内容からパターンを整理し、ペルソナを作成する。


デプスインタビューの目的や手順を確認したところで、西本による座学は終了。いよいよ1~4の流れを実際に体感するワークショップが始まりました。

ユーザインサイトをつかむためのインタビュー実践!

ワークショップでは、「某飲食店情報サイトを運営する架空の企業が、ビジネスパーソンの平日の夕食をサポートする新規Webサービスを検討することになった」との想定のもと、企業のUXデザイン担当者としてインタビューを実践。ミッションは、「共感」を通じて、新規Webサービスのビジネスチャンスがどこにあるのかを特定することです。

ワークショップの流れに沿って、その様子を簡単に紹介します。

質問内容づくり

インタビューの質を高めるため、まずはインタビューによって明らかにしたいことをグループごとに議論。その結果に基づいて、「属性」「サービス関連」「コンテキスト」に関する質問内容を整理していきました。「はじめに全体を把握し、気になる点を深堀していける状況を作るように心がけると、網羅的に話が聞ける」と西本。

インタビュー

3人編成のグループ内で、インタビュアー、ノートテイカー、フォトグラファーの役割を決め、他グループのメンバーにインタビュー。

  • インタビューのポイント
    共感できるまで「なぜ?」を繰り返し、「○○だから●●なんだ」とわかるまで聞くこと。
  • ノートテイカーのポイント
    要約したり、自分の言葉で置き換えたりせず、事実をそのまま書き起こすこと。
  • カメラマンのポイント
    引きと寄りのカットを両方押さえること。レポートへの掲載を想定し、アングルにもこだわると良い。

分析

今回は時間の制約上、1グループのインタビュー結果をピックアップし、参加者全員で分析に取り組みました。具体的には、ノートテイカーのノートから重要箇所を抜き出して付箋に書き出し、親和図法でグルーピング。最後に、各グループの内容を要約するラベルを付けるという手順です。今回のケースでは、次のようにまとめられました。

得られた気づき

・「仕事が忙しいエンジニアでも仕事は楽しい」
・「食事を長く楽しむために栄養、運動を気にする」
・「一人暮らしで面倒、時間がないので外食してしまう」
・「忙しいから夕食の時間を有効に使いたい」
・「平日は固定メンバーで終電まで飲む」
・「コミュニケーションがしたいから外食をする」

これは一人のインタビューから得られたインサイトに過ぎません。実際には、インタビューが終わるごとに分析を行い、最後に全員分のインサイトを集めて再び親和図法で分析。最終的に見えてきたパターンをもとに、ビジネスチャンスを特定していくことになります。

ワークショップを終えた西本は、改めてUXデザインの価値に言及。「例えるなら、UXデザインはコンパス。変化のスピードが速い時代に、地図はもはや役に立たない。体験を軸に考えていけば、世界がどう変わろうとキャッチアップしていける。今後ますます、総合的な体験のデザインが大事になってくる」と総括しました。

関連リンク

コメント

blog comments powered by Disqus

次回セミナーのご案内

  • 20
    10月

大学WEB VOL.2 事例:立教大学「大学Webサイトの存在意義を問い直す」

2020年度から従来の大学入試センター試験に代わり、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入されます。評価方法が変わるとともに、大学のアドミッションポリシーなどに沿った入試が実施され、大学と受験...

このイベントに申し込む

お申し込みを受け付けております。