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- LOCAL COMMUNITY×GLOBAL NETWORK - グローバルマーケットへの新しいアプローチ 開催レポート
  • 5
    8月
  • 無料
  • 東京

レポート掲載中

loftwork COOOP(ロフトワーク渋谷 10F)

- LOCAL COMMUNITY×GLOBAL NETWORK - グローバルマーケットへの新しいアプローチ 開催レポート

インターネットを通じて、ローカルなコミュニティをグローバルなネットワークにつなげることができる今、これからのグローバル展開に必要なことは? 2015年8月5日(水)、ロフトワークは「グローバルマーケットへの新しいアプローチ」と題するセミナーを開催しました。

ローカルビジネスと世界中のユーザを結ぶグローバルネットワークの潮流

最初のセッションには、ロフトワーク代表 諏訪光洋が登壇。国内外の事例を多数用いながら「サステナブルなグローバル戦略とクリエイティブの可能性」について話しました。

諏訪はまず”Local to Global”の事例として最新のクラウドファンディング動向を紹介。「クラウドファンディングで集めた資金は3〜5年以内には寄付ではなく、投資として認められることになる」と予測。米・スミソニアン博物館や、米・GE社などもクラウドファンディングを利用しており、世界中の人々の共感や支援によってローカルなプロジェクトを成功させる事例が増えていることを示唆しました。そして、今後のグローバル戦略におけるキーワードを3つの言葉に集約し、それぞれについて事例を取り上げて説明しました。

今後のグローバル戦略におけるキーワード

・「WEB FIRST」Webからの情報発信をきっかけとした世界進出を行う
・「DESIGN THINKING」作りながらフィードバックを繰り返しイノベーションを生み出す
・「COMMUNITY」製品のファンとなるユーザ、製品づくりに参加するユーザを集める

「WEB FIRST」では、「Evernote」の日本進出の事例を取り上げました。「Evernote」にとって、日本はアメリカに次ぐ大きな市場。デベロッパーコミュニティとのイベントなどを活発に行っているにもかかわらず、日本オフィスのスタッフ数は今でも10人ほどです。「人員が少なくても事業が回るのは、Webならではのスケール感だ」と諏訪は言います。

「COMMUNITY」では、ロフトワークが運営するFabCafeがリアルなクリエイターコミュニティに成長していることを紹介。オープンから3年半で、ハッカソンやメイカソンなど500回のイベントを開催、デジタルファブリケーション機器を使った1万のプロダクトが生まれ、クリエイターとメーカーの出会いの場にもなっているのです。「FabCafe」のネットワークは、東京、台北、バルセロナ、サンチェス、バンコクに広がり、今後はシンガポール、フランス、アメリカのサンフランシスコとニューヨークへ展開予定。バルセロナやバンコクの「FabCafe」では無印良品とコラボレーションしたハッカソンも開催。諏訪は、「人々の生活に入り込む方法をデザイナーとともに考えるプラットフォームを提供している」と語りました。

諏訪は、これからの海外進出の方法として、「膨大なリソースのかかるブランディング・広告戦略はプロトタイプが完成して、製品が『売れる』という手応えを得てからはじめても遅くない」と指摘。「まずはプロトタイプを出して、クラウドファンディングなどのプラットフォームを用いてユーザの認知と共感を広め、コミュニティをつくる。そのうえで仮説検証を繰り返してブラッシュアップするケースが増えている」と語りました。

また、コミュニティを育むうえでは、「デザイン思考のプロセスをオープンにしてコミュニティを育むことが、これからの海外進出のコア」だと語りました。

日本とアジア、クリエイティブネットワークを活用しあえる関係づくり

続いて登壇したロフトワーク台湾のTim Wongは3年前を振り返り、「ロフトワーク代表のふたりに出会ったとき、すでにリアルなコミュニティがグローバルネットワークにつながるアイデアを持っていた」。とセッションをスタートしました。「そして今、驚くべき成長を成し遂げている」と言います。

Timは、日本と台湾が共同で行ったプロジェクトを紹介。訪日外国人のインバウンド獲得を目的とした、和倉温泉「加賀屋」の事例を取り上げました。同プロジェクトでは、台湾と東京のデザイナーが和倉温泉に集まって合宿を行い、現地でインタビューを実施。日本よりも海外からの顧客のほうが「より長くステイしたい」というニーズを明らかにし、ローカルカルチャーの情報も充実させ、海外向けサイトのデザインへと落とし込んだのです。

続いて、2週間前に始まったばかりの台湾に拠点を持つ日本のデパートチェーンのプロジェクトも取り上げました。同プロジェクトは。「デパートに行くという顧客の行動が変化している」という課題をクリアすべく、Webサイトではイベントやクリエイティブなアイデア発信を行い、顧客のアクションへと結びつける方法を模索しているところです。

Timは、アジア各国で予測される若年人口不足への問題意識があることを背景に、2万人のクリエイターを持つ「loftwork.com」と、台湾内のデザイナー・クリエイターのネットワークを持つ「台湾デザイナーズWeb」の統合を進めるプロジェクトも進行中だといいます。

「リソース不足はどの国にも起きるが、それはビジネスチャンスにもなる。だからこそ、僕は若く才能あるデザイナーをアジア内で行き来しやすいプラットフォームを作りたい」と語り、セッションを終えました。

隣の島・台湾を巻き込んだ石垣島のリ・ブランディング「USIOプロジェクト」

ロフトワークの寺井翔茉は、日本と台北の共同プロジェクト事例として、今年3年目を迎える石垣島のリ・ブランディング「USIO Design Project」を紹介。「USIO」という名前には、「海流(潮・うしお)が交わるところは豊かな漁場になる」ことから、「石垣島とloftwork.comの2万人のクリエイターを交わらせて、石垣島が本来持つ魅力を再発見して発信したい」という思いが込められています。

LCC就航により、石垣島はかつてない観光ブームに沸いています。しかし、島の人たちは「観光ブームが去った後はどうなるのだろう?」という不安を感じるように。そこで、「改めて自らの魅力や価値観を見直そう」と考えたことからプロジェクトは始まりました。

1年目に取り組んだのは、loftwork.comのプラットフォームを利用して、石垣島の名産品をリデザインするコンテスト。特設サイトを立ち上げて情報発信し204名のクリエイターによる431作品が集まり、最終的に10点のアイテムを採用しました。その後、選ばれたデザイナー10名を石垣島に招待し「デザイナーキャンプ」を実施。生産者と直接やりとりをしながら、リアルな情報に基づくデザインへと仕上げていきました。

もうひとつ、USIOプロジェクトで目指したのは「台湾とのつながり強化」。石垣島にとって台湾は文字通り隣の島。県庁所在地の那覇よりも100kmも近く、歴史や文化の多くを共有しているため、「台湾の石垣島理解を深め、団体ではなく個人の観光客を増やしたい」と考えたからです。

そこで、リデザインコンテストの審査には、台湾デザインセンターのセンター長を招聘。「石垣島の魅力が詰まったプロダクトを台湾で受け入れてもらうには」という視点からアドバイスをもらいました。「漢字一文字を○で囲む紋を見ると、台湾では『高級なイメージになる』など、思いも寄らない発見がいくつもあった」と寺井は振り返ります。その後、台湾デザインエキスポにも出展し「プロダクトから石垣島に興味を持ってもらえるかどうか」も検証しました。

イベント出展では「プロダクトを通じて石垣島に関心を持ってもらえる手応え」は感じたものの、一方で「台湾から見ると、石垣島はアジアに数ある美しいビーチリゾートのひとつ。差異化を諮るにはどうすればいいのか。新たな課題も見つかった」と話します。

同プロジェクトでは、当初からWebとSNSでの情報発信を非常に重視。「すべてのアクションは“関係者化”へのプロセスとして設計されている」と寺井は強調します。「完成する前、ゼロの状態でも情報は発信できる。ストーリーを見せることから共感は生まれる。消費者から“見守るファン”“流れにコミットした関係者”へと意識が変わって行く」からです。

最後に寺井は「グローバル展開を考えるうえで大切な三つのポイント」について語り、セッションを終えました。

グローバル展開を考えるうえで大切な三つのポイント

  • ・リアリティを大事にする
    商品だけでなく背景にあるストーリーや作り手の思いを伝え、受け手のリアリティを高める
  • ・商品/サービスのコアを理解しながら展開する現地の文化に寄り添う
    台湾デザインセンター・センター長の参加によって現地にフィットするカスタマイズをする
  • ・細かいアウトプットを継続する
    発信を増やすことで、受け手のフィードバックを増やし、改善の機会をつくる

3つの方向性。クリエイティビティを活かしたグローバル展開のために。

最後に登壇したのはロフトワークの藤原悠子。「グローバル展開を考えるパートナーのために、ロフトワークは何ができるのか」を具体的な事例を交えて話しました。藤原は、ロフトワークのクリエイティビティを活かした特徴と強みを3つにまとめました。

ロフトワークの特徴と強み

  • COMMUNITY「ネットワークよりもコミュニティ」
  • SUSTAINABILITY「プロモーションよりも持続性」
  • REALITY「マーケティングよりリアリティ」

これらを実現するしくみのひとつは、FabCafeのネットワークやloftwork.comなど、ロフトワークが育ててきたリアルなコミュニティ。そして、世界中からデジタル工作機器を使った作品を募集する「Global Creaters Award」などのイベントです。2014年の「Global Creaters Award」には、27カ国から142の作品応募があり、「FabCafeとloftwork.comの双方に影響を与え合っている」と藤原は話しました。

そして、ロフトワークの一番の強みは、47人ものクリエイティブディレクター集団がいること。「私たちは、フィールドリサーチとワークショップを重視し、ユーザー中心のデザインをしてきた実績がある」と藤井は語り、提供できることに「CAMP」「RESEARCH」「STRATEGY」「EVENT」「CREATIVE」の5つの項目を挙げました。

ロフトワークが提供できること

  • 「CAMP」 現地を訪問するツアー企画(キーパーソンへのインタビューなど)
  • 「RESEARCH」 アジア各国の生活をリサーチして消費ガイドラインを作る、など。
  • 「STRATEGY」 プロジェクト全体の戦略設計
  • 「EVENT」 世界各国のFabCafeでのイベント企画
  • 「CREATIVE」 Web、印刷、映像、空間などあらゆる種類のクリエイティブに対応可能

「ロフトワークは何をしている会社なの?」とよく聞かれることがあるという藤原。その理由を「ロフトワークではオープンコラボレーションという考え方を大切にしているから」だと分析。クリエイター、クライアントとの関係もあくまでフラットに、“パートナー”として共に活動しているからこそ、「どんな形のアウトプットも生み出せるのが強み」だと語りました。

セッションの後は、約1時間にわたるネットワーキングと相談会の時間。登壇者を交えて、参加者との交流が深められました。

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