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顧客視点で体験を描くカスタマージャーニーマップ
  • 11
    9月
  • 無料
  • 東京

レポート掲載中

loftwork COOOP (ロフトワーク 渋谷 10F)

顧客視点で体験を描くカスタマージャーニーマップ

商品やサービスを認知し、登録や購入に至るまでのプロセスを旅に例えて、顧客の行動や思考を可視化する「カスタマージャーニーマップ(以下、CJMと略)」。ロフトワークとオラクルは、その手法を短時間で体験できるワークショップを共催。参加者たちは、イノベイティブなアイデアの創出に向け、業界や企業の枠を超えてワークに取り組みました。

Session

“顧客中心のトランスフォーメーションにシフトせよ”

日本オラクル株式会社の田澤氏は、「カスタマーエクスペリエンス(以下、CXと略)=顧客体験価値は、商品やサービス自体の顧客満足度を高めることとは別に、今CEOやCOOがもっとも取り組まなければならない課題の一つ」と指摘。

日本オラクル 田澤 孝之氏

「今日はCXにフォーカスし、発散と収束を繰り返しながら、イノベイティブなアイデアを出していきたい。その際、次の4つの視点で見極めていく」と語り、ワークショップ前の座学として、CXジャーニーマッピングの考え方、進め方を紹介しました。

  • 新しいCXを生み出すための“4つの目”

  • ●Insights - 顧客ニーズを正しく理解する
  • ●Impact - フォーカスすべき事業価値を明確にする
  • ●Issues or Opportunities - 顧客ニーズを満たすための阻害要因は何か、改善すべきことは何かを明確にする
  • ●Innovate - 顧客価値の創造と事業価値の提供を実現するためのソリューションをデザインする

なぜいま、CXなのか。それは、作れば売れた時代と違って、チャネルやニーズも変化・多様化しており、顧客を理解しなければ、個々の顧客に対していい商品やサービスを提供することはできないからです。「ネットを中心に常に検索し、常につながり、常に共有している」顧客たちは、もはやマス広告には振り向きもしません。企業はこうした顧客像を認識し、顧客中心のトランスフォーメーションにシフトする必要があるのです。

そのために重要なのが、デザイン思考に必要な「洞察・観察・共感」の3つのプロセスです。また、CX戦略を考える際は、「有用性(顧客価値)・経済的実現性(事業価値)・技術的実現性(ソリューション価値)」の3つの領域をバランスよく実現することがポイントになると言います。

「顧客価値とソリューション価値があっても、儲からないビジネスならやる意味がない。事業価値とソリューション価値があっても、顧客価値がなければ売れない。顧客価値があり事業価値もあるが技術的に実現できないなら、絵に描いた餅で終わる。だからバランスが重要なのです」と田澤氏。

さらにここからは、実在する事例を使ってワークショップの進め方を解説していきました。

GEヘルスケアのエンジニア(ダグ・ディーツ氏)が、幼い子どもたちが怖がることなくMRI検査を受けられる新しい体験を生み出した実話。ご興味のある方は、TED(英語)でダグ・ディーツ氏のスピーチを視聴できます。

Workshop

“発散と収束の繰り返しから、思いもよらぬアイデアへ”

ワークショップは6チームに分かれてスタート。今回はペルソナやカスタマージャーニーをゼロから作成するのではなく、事前に用意されたペルソナとストーリーラインを使用。椅子が撤去された会場で、参加者は手にポストイットとサインペンを持ち、壁に貼られたストーリーライン上でワークを進めていきました。

  • <ペルソナ>
    ニューヨークの賃貸マンションに住む28歳の独身女性、ジェン。ファッション・ブログ・環境保護に興味がある。マイカーはない。コスト意識が高く倹約家。
  • <ストーリーライン(概要)>
    親友の結婚式に呼ばれ、ドレスが決まったところで、会場には車でしかいけないことに気づく。ネットでレンタカーを比較するうちにカーシェアリング会社「ズームゴー」にたどりつき、リーズナブルな料金で借りられるオシャレな電気自動車を予約。

    結婚式当日、予約した車に鳥のフンが付いているトラブル。結婚式の帰り道には、エンジンがかからない、高速道路で止まる、ロードサービスがなかなか来ない、電話がつながらないなど、相次ぐトラブルに見舞われた。さらに後日、請求書に含まれていた遅延料の返金処理で再びトラブル。結局ズームゴーのアカウントを削除することに。

STEP1)オンステージに注目する
ペルソナがジャーニーを通じて直接接する人とモノを洗い出し、ペルソナの経験に直接影響を与える要因を考える。

STEP2)態度に注目する
ペルソナがそれぞれの瞬間に考えていることをペルソナの言葉で表現する。感情を軸に見えていくと面白い気づきがある。

STEP3)バックステージに注目する
ジャーニーを通じて接することはないが、後ろ側でサポートしている人とモノを洗い出し、オンステージエクスペリエンスを支えるエコシステムを理解する。

STEP4)評価と優先順位付けを行う
STEP2で出した態度に対し、ブランドとして見逃せない瞬間だと思うものに一人3票ずつ投票。チーム内でポジティブトップ3(ビジネス機会になるシーン)と、ネガティブトップ3(ブランドの課題として解決が求められるシーン)を決める。さらに、その中からブランドとして特に注視すべきシーンを1つだけ選択。以降はこのシーンにフォーカスして議論を深めていく。

STEP5)KPIを選択する
選択したシーンに関連するKPIを事前に用意されたKPIから選ぶ。

STEP6)ニーズを細分化する
選択したシーンの周辺にあるジェンの要求を細分化し、「瞬間におけるニーズ(モーメントニーズ)」(例:安全に会場に着きたい)と「感情におけるニーズ(エモーショナルニーズ)」(例:親友の重要な日に一緒にいたい)を洗い出す。ジェンのデモグラフィック情報およびサイコグラフィック情報を意識するとニーズを可視化しやすい。

STEP7)ブランドのコントロール外にあるものを挙げる
ブランド側ではコントロール不能な6つの視点「PESTLE(政治的・経済的・社会的・技術的・法的・環境的)」で、今回のストーリーに関連するものを挙げ、それが阻害要素か、支援要素かを考える。マイナスに働くものは避けて事業計画を立てる。

STEP8)本来あるべきプロセスを明らかにする
オンステージもしくはバックステージの中から人かモノを1つ選んで、本来あるべきプロセスを3つ以上書くことで、現状を再確認する。

STEP9)ニーズとプロセスを評価する
STEP6で出したニーズが満たされているかどうかを評価し、もっとも満たされているものと3つ、もっとも満たされていないものを3つ選ぶ。さらに、人、モノの本来あるべきプロセスができているかどうかを評価する。

STEP10)ストラテジーキャンバスにまとめる
ここまでストーリーライン上に貼ってきたポストイットをストラテジーキャンバス上に移して整理し、さらに収束をかける。

STEP11)新しい体験をデザインする
STEP4で着目したシーンにおいてニーズを満たす新しい経験をできるだけ多く考える。飛んだアイデアでよいのでイノベイティブに発想する。

STEP12)実行可能なアイデアを選ぶ
STEP11の中から、すぐにパイロットに移せる実現可能なものを選び、このアイデアを実行したときに、ジェンの態度、行動がどう変化してKPIの達成につながるかを考える。

STEP13)仮説・立案シートをまとめる
ストラテジーキャンバスにまとめた内容を言葉にする。プロトタイプを実行するとき、人に説明できなければならないため、きちんと手でプロセスを書くことが重要。

すべてのワークが終了したところで、チームごと新しい体験を発表。「故障時に自動的に代車が手配される仕組みを作る」「結婚式場とズームゴーがタイアップして結婚式送迎プランを作り招待状に同封する」「アマゾンポイントで返金できるようにする」など、知恵を絞った多彩なアイデアが披露されました。

ワークを振り返りつつ田澤氏は、「今日の学びを持ち帰って自社でも実施してほしい。困ったことがあればぜひ、ロフトワークや当社にもお気軽にご相談を!」と挨拶。

また、クロージングトークに登場したロフトワークの諏訪光洋は、「かつてはスティーブジョブズのような天才にしかすばらしいユーザ体験を作れなかったが、今日体験したようなメソッドを使えば我々自身にもできるようになっている」と強調。

ロフトワーク 代表取締役社長 諏訪 光洋

イノベイティブなアイデアを生む土壌が広がりつつあることに期待感を示しました。

参加者のアンケートには、「実際にカスタマージャーニーマップの作成を体験できてよかった」「フレームワークがしっかりしており、短期間で成果をだしやすかった」「シチュエーションに合わせて立場を変えて考えることができる貴重な体験だった」など実際の体験がさまざまな気付きを生むきっかけとなったことを伺い知るコメントが多数寄せられていました。

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