Main menu

2016年、本気でリニューアルを考える担当者へWebリニューアル事前講座
  • 25
    11月
  • 無料
  • 東京

レポート掲載中

loftwork COOOP(ロフトワーク渋谷 10F)

2016年、本気でリニューアルを考える担当者へWebリニューアル事前講座

Webサイトの規模が大きくなり、複雑化するにつれ、そのリニューアルも一筋縄ではいかなくなっています。ロフトワークは2015年11月25日、何からどう着手してよいのかわからないというWeb担当者に向けて、リニューアルの足がかりとなるセミナーを開催。ロフトワークが実践するプロセスや手法を中心に、成功するリニューアルのポイントを紹介しました。

オープニングトークで、「何のためのWebリニューアルなのか?誰のためのWebサイトなのか?この2点を明確することが大切」と強調したロフトワークの渡部晋也は、「具体的にどうやって目的やユーザー像を決めていけばよいのか。要件定義フェーズにおいて、当社が実践する手法をご紹介していきたい」と挨拶しました。

ユーザー中心設計に基づいたリニューアル全ステップ

ロフトワークの矢橋友宏は、「かつてホームページと呼ばれていた頃に比べると、Webサイトの規模は大きく、複雑になってきている。基礎を疎かにすれば大変。Webリニューアルを考えるときは表層のデザインから入りがちだが、その前にやるべきことがたくさんある」と語り、ジェームス・ガレットの「5 Planes Model(戦略→要件→構造→骨格→表面)」を提示。

さらにもう一つ重要なキーワードとして「ユーザ中心設計」を挙げ、「従来のリニューアルは今ある情報(As-Is)をどう整理するかの議論から始まるケースが多かったが、Webの目的は、ユーザになんらかのアクションをしてもらうこと。したがって、ユーザの行動をベースにどうあるべきか(To-Be)を考える必要がある」と語りました。

つまり、ユーザがどんな情報を求め、どんな順序で探すのかを分析した上で、Webサイトを設計することが重要になります。そこで矢橋は、これらの考え方に基づいた具体的な手順として、リニューアルの全ステップを解説していきました。

(1) リサーチ
ターゲットになるユーザーを想定した上で、そのユーザーが何を求め、どう行動しているかを把握する。

(2) 要件定義
ワークショップなどを通じて関係者が組織の壁を超えて議論し、基本となる方針や方向性、目的や機能を言語化する。

(3) 設計
サイトマップや主要なページのワイヤーフレーム、ナビゲーション、リンクを設計する。

(4) デザイン
ロフトワークの場合、3ヵ月のプロジェクトであれば、1ヵ月の終わりあたりでやっとデザインに着手する。それだけ要件定義や設計に時間をかけている。

(5) コーディング
HTMLに書き換える。

(6) 開発
CMSを利用する場合などは開発を行う。

(7) 登録
全ステップの中でも、特に「こんなはずじゃなかった」という話が出やすく、最も緊張感が漂うプロセス。ロフトワークでは、登録の計画書を作成し、あらかじめ代表的なページの見栄えを関係者に見せておくようにしている。

(8) テスト

(9) 公開
ここで力尽きてしまうケースが多いが、公開後は注目度も高まるため、ここからが大変。

(10) 運用(PDCA)
アクセスログを解析しながら、当初の想定どおりにユーザーが動いているかどうか確認し、修正を繰り返す。

さらに矢橋は、制作会社にWebリニューアルの相談をする前に準備することとして、IBMが作った言葉「BANT」を借り、B:バジェット、A:決裁者、N:ニーズ、T:期間の4つをWebリニューアルにあてはめて紹介。

B:予算、前回の制作費、相場感
A:プロジェクトチーム、最終判断者、承認ルートの変更の必要性
N:課題、ゴール、プロジェクトが始まるきっかけ
T:公開日、段階的な公開、承認にかかる時間

これらが明確になっているプロジェクトは成功しやすいとしつつも、「すべて決めておかないと相談できないわけではない」と矢橋。

・困っていることをまとめておく
・困っていないことはそのままにする(無理やり決めない)
・必ず達成したいことを明確にしておく

この3点を強調した上で、「リニューアルはあくまでも手段。リニューアルのためのリニューアルになってしまわないようにしたい」と語りました。

Workshop

現状と理想の間にあるギャップを明らかにする

続いて、矢橋の言う「BANT」の「N」の部分を整理するワークショップを実施。テーマは「自社のAs-Is(現状)とTo-Be(理想)を考える」。要件定義のステップを体感すると同時に、Webリニューアルに関する稟議書や社内プレゼンテーションに役立つ情報を洗い出し、自社に持ち帰って活用してもらう狙いもあります。

ファシリテーターを務めたロフトワークの柳川雄飛は、「現状と理想の間にあるギャップを明らかにすることで、初めて課題解決のための道筋が立てられるようになる」と説明。ワークは、ロフトワークがプロジェクトで実践しているプロセスや手法をベースに進められました。

<ワーク1>現状と理想のWeb活用を考える

誰にとって価値あるWebであるべきかを明確にする。
STEP1:自社のWeb活用の現状課題を書き出す
STEP2:Webリニューアルによって実現したい状態を書き出す
STEP3:Webサイトを利用するユーザーに関わる項目にチェックする

<ワーク2>ユーザーの体験を考える

ユーザーがどんなことを考えているのか?どのようなことを言われているのか(聞いているのか)?どのようなアクションを起こしているのか?どんな情報に触れているのか?を考え、ユーザー像を明らかにする。
STEP1:共感マップを作る
STEP2:ペルソナを作る
STEP3:ユーザー(ペルソナ)が欲しい情報を書き出す
STEP4:STEP3で書き出した内容を、自社のWeb活用で対応できていること(YES)、対応できていないこと(NO)、対応はしているが不十分なこと(MAYBE)の3つに分類する

こうして最終的にユーザー視点で判断した「NO」や「MAYBE」に、Webリニューアルで解決すべき課題があると考えられます。そして、この「現状と理想の間にあるギャップ」こそが、課題解決に向けたスタートラインなのです。

ユーザー視点のWebサイトづくりは、共感にはじまる

最後のセッションでは、ロフトワークの原が、事例をベースに要件定義の一例を紹介。原が取り上げた事例とは、あるBtoBビジネス大手企業が、従来のプロダクト軸のサイトから、顧客のニーズやシナリオに即したインバウンド思想のサイトへシフトチェンジを図るという案件でした。

この事例が特殊だったのは、新しいサイトのターゲットが現在の顧客(情報システム部門)ではなく、未知の顧客であった点です。はじめにインタビューや市場調査、競合調査を行い、「ビジネスモデルキャンバス」を使ってビジネス課題を整理していく中で、既存の顧客ではない人がターゲットになることが明らかになったのです。

しかし、「通常ならユーザーにインタビューしたり、行動を観察したり、ユーザーを巻き込んでのワークショップを実施したりするが、今回はそもそも未知の顧客とは接点がなく、ターゲット像もないため、リクルーティングさえできなかった」と原。そこで、最終的にどこに活路を見出したかというと、日々情報システム部門にリアルに対峙している若手営業マンでした。具体的には次のとおりです。

若手営業マンのみなさんを巻き込んでのワークショップを実施
・共感マップを使って共感
・ユーザ行動をストーリーでイメージ

  ↓

ターゲットの仮説を導き出す
・技術面での知識に乏しい人
・IT活用のトレンドは積極的に欲しがる人
・売りたいがためのサイトではなく、ニーズにフィットした形での提案を求める人

原は、「ここまでイメージできてくるとプロジェクトが一気に加速。ユーザーになり切って、どういうコンテンツやナビゲーション、サイト構造が必要なのかを検討できるようになった」と説明。また、リニューアルコンセプトやポジショニング、デジタルマーケティング戦略、サイトマップなどが次々と鮮明になっていったと言います。

こうしたプロセスを振り返り、原は、「企業様への共感・その先のユーザへの共感があってこそ、ユーザ視点でのWebサイトづくりができる」と強調。ロフトワークでは、この点を重視して要件定義を行っているとして、本セミナーを締めくくりました。

2016年、本気でリニューアルを考えるなら「要件定義」に時間をかけること。共感を起点にWebサイトを考えること。この2点は、リニューアルの成否を左右する重要なポイントと言えそうです。

コメント

blog comments powered by Disqus

次回セミナーのご案内

  • 25
    1月

Fab Meetup Kyoto vol.12 「つくる」をテーマにした、ネットワーキング&プレゼンテーションイベント

Fab Meetup Kyoto vol.12 「つくる」をテーマにした、ネットワーキング&プレゼンテーションイベント 「Fab Meetup」とは? FabCafe Tokyoで毎月開催され、ク...

このイベントに申し込む

お申し込みを受け付けております。