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XPD2016 SPRING DAY2 “Sustainable Food System” 「未来のバリュー・デザイン」開催レポート

XPD2016 SPRING DAY2 “Sustainable Food System” 「未来のバリュー・デザイン」開催レポート

次世代のUIを発明する XPD2016 SPRING DAY2 “Sustainable Food System”「未来のバリュー・デザイン」開催レポート

2016年3月25日(金)Loftworkを会場としてXPD DAY2を開催。スピーチがメインのDAY1に対し、DAY2では、「FabCafe Tokyo」「FabCafe MTRL」「loftwork COOOP」といった3つの会場で、テーマの異なるワークショップを実施しました。

『未来のバリュー・デザイン』の会場となった「FabCafe Tokyo」

「FabCafe Tokyo」で開催した、“Sustainable Food System”『未来のバリュー・デザイン』では、すべての人に関わる「食」や「農」をテーマに、生活者視点の再体験、実践者からのインプット、ロフトワークのプロジェクト事例紹介などを踏まえながら、未来のバリューに繋がるサービスを、アイデアソンによって創出することが狙いです。

このワークショップにはDAY1でも登壇いただいた、デンソーの磯貝俊樹様にゲストとして参加をしていただきました。

「野菜当てクイズ」で味覚を再発見

色鮮やかな野菜のドレッシングと、有機野菜のスティック

まず、会場に入場されたお客様を迎えるのは、テーブルに用意された、「赤」「緑」「オレンジ」の色鮮やかなドレッシングと、有機農法で育てられた「にんじん」「大根」「キャベツ」のスティック野菜。そして、それらの横に積まれた、ポストイットの束が、ここが単なるカフェやレストランではなく、ワークショップ会場であることを示しています。

このドレッシングは、“野菜で野菜を食べる”をテーマに作られており、材料のほとんどが野菜のピューレと言う仕掛け。未来のバリュー・デザインワークショップは、このドレッシングの原料となっている、「野菜当てクイズ」で幕を開けました。

真剣な表情で、ドレッシングの材料を考えます

たっぷりとドレッシングをつけた野菜を、ポリポリ、ムシャムシャと食べながら、舌触り、甘み、酸味、苦味、などを鋭敏にして原料となっている野菜を感じていきます。そして、それぞれの頭脳にインプットされている野菜のデータベースから、回答を導き出していく作業によって、参加者の一人ひとりが野菜の世界に引き込まれていきます。

デンソーとロフトワークの食と農のプロジェクト「Denso Agri Lab」

デンソー磯貝様とFabCafe岩岡のトークセッション

気になる答え合わせを引っ張りつつ、プログラムは進みます。

次は、デンソーとロフトワークが取り組んでいる、食と農のプロジェクト「Denso Agri Lab」と、そのプロジェクトから生まれたイベント「Farm to Table/ Table to Farm」の紹介。

デンソーと聞くと、自動車向けテクノロジー開発を行う企業と言うイメージが強いかと思いますが、新規事業の取り組みも盛んで、施設向け農業ソリューション「profarm」の開発や、バイオ燃料の研究開発など、様々な分野にチャレンジしています。

Denso Agri LabのBlog http://agri.project.cc/

その1つである、「Denso Agri Lab」では、“みんなで一緒においしい野菜をLabしよう”をテーマとして、イベント「Farm to Table/ Table to Farm」を軸に、デザイン、サイエンス、テクノロジーを使いながら、“おいしい野菜”の未来を創造することを目指しています。そして、このワークショップ「未来のバリュー・デザイン」では、「Denso Agri Lab」の楽しさの一部を体験してもらうような流れが意識しています。

私たちに“おいしい野菜”は届いているのか?

CSAの考え方から、おいしい野菜を振り返る

次は、デンソー磯貝様、FabCafeの岩岡、ロフトワーク伊藤によるパネルディスカッション。

生活者と生産者をつなげる食と農の試みのベースとなる、CSA(Community Supported Agreculture)の概念をベースに、生活者、生産者、流通業者に起こるギャップについてのディスカションを行いました。

CSAとは、コミュニティで支える農業を意味し、生産者や生活者が共に農業を支え合いながら、農家が本当に作りたい野菜を作り、生活者が本当においしい野菜を食べられる仕組みを作ろうという文化でアメリカで確立されたと言われています。

そのような文化がある一方で、野菜の規格やパッケージなど、生活者の身近にある素朴な疑問をテーマとしてディスカッションをすることで、今、私たちが必要としている野菜が手に入る環境にあるのか。また、私たちは生産現場のことをどこまで知っているのか、そんな問いを感じる時間になりました。

デンソー様のトマトの栽培実験の様子

加えて、デンソー技術による、トマトの栽培における葉のつき方と味の因果関係の説明や、深夜に起きているトマトの驚きの動きを捉えた動画も披露していただき、農業分野における、テクノロジーの可能性も垣間見ることができました。

本当においしいトマトを食べるためのIdeathon

そして、メインとなるワークショップのテーマは、「ギャップ」。

生活者、生産者、流通業者の間に存在するギャップを知り、そのギャップをサイエンスやテクノロジーなどの技術で解決することで、“Sustainable Food System”を創出するための、Ideathonを行いました。

ギャップからアイデアを考えるワークショップ

3人一組になったチームに、生活者、生産者、流通業者それぞれの、ペルソナシートが配られました。そこには、それぞれの暮らし、家族構成、仕事、野菜に対するこだわりなどが書かれています。

まずは、一人でペルソナシートを読み込みながら、3者の中に流れている、ギャップや課題を抽出する作業を行い、次に、チームで課題をシェアします。すると、抽出された課題はまさに三人三様で、性別、職業、視点の違いなどによる、多様な課題があぶり出されていました。

ギャップから見えてきた、課題をチームごとに発表

多様な課題を抽出した後は、Ideathon。
「運搬の難しい完熟トマトを流通させるにはどうしたら良いか」のアイデアをチームごとに考えてます。ポイントは、運搬、加工、そして、できるだけ自社製品を使ったアイデアを考えるという点。自社製品をポイントに入っている理由は、自社のソリューションやサービスのバリューを再発見してもらうためです。自社の目線だけでは、見慣れて埋もれてしまっていた商品やサービスも、新しい目線で捉えてみると、新たなバリューが生まれるかもしれない。そんな体験をしてもらうことも意図されていました。

自由な発想のアイデアがいくつも飛び出しました

参加者のバックグラウンドは実に多様で、電機メーカー、システム会社、化粧品メーカー、大手検索エンジン会社、大学教授、新規事業イノーベター、と様々なバックグラウンドを持つ参加者が集まったことで、様々なアイデアが行き交い会場は熱気に包まれます。

最後に、各チームごとに、アイデア、それに伴うバリューをシート書き出し、発表をしてもらうと、既成概念の全くとらわれない、幾つもの、斬新なアイデアが産み出されていました。

アイデアで埋め尽くされる、ワークショップシート

例えば、トラックでトマトを栽培しそのまま販売に行き、生活者に収穫してもらうというアイデア、スーパーがお客様の要望を把握し、生活者の生産者の「ハブ」になるというアイデア、その他にも、自由な発想のアイデアがシートを埋め尽くします。

チームごとに個性のきわだったアイデアの発表がありました

ユーザー視点に立ち戻りながら、多様な価値観の存在するチームでアイデアを考えることで、楽しみながら、新たな価値を産みだすことができるということが実感できる貴重な体験になったのではないでしょうか。

2016年3月25日、XPD DAY2で生まれたこの体験が、日本の食や農の『未来のバリュー・デザイン』を創造する、一つのきっかけなることを期待しています。

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