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「IoTはリモコンじゃない」 最近のIoTトレンドとサービスに必要なポイントとは?
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「IoTはリモコンじゃない」 最近のIoTトレンドとサービスに必要なポイントとは?

「IoTはリモコンじゃない」 最近のIoTトレンドとサービスに必要なポイントとは?

IoT(Internet of Things、モノのインターネット)時代が到来し、世の中に存在する「モノ」がインターネットに接続され、さまざまなサービスが登場しています。どんなサービスが生き残り、どんなサービスが消えてしまうのか。一般にまで名称が浸透したIoTですが、まだ実感が伴っていない方も多いのでは?実際に生み出された価値あるプロダクトやこれからの可能性などを、多彩な事例を挙げながら改めて考える機会を、ロフトワークが企画しました。
イベント概要:ユーザー参加型のIoTサービスとコミュニティデザイン

「モノがネットに接続できて、スマホで操作?リモコン的な?」という認識だった私、ライターの髙岡が、IoTの専門家たちによる実用例が聞ける今回のセミナーのレポートをお届けします。

テクノロジー、マーケティング > ユーザーニーズ?

最初にトークしたのは、森内さん。MTRL KYOTO(マテリアル京都)というクリエイティブラウンジを運営するロフトワーク京都のディレクターです。ここでは、企業やクリエイターが、西陣織のような伝統素材からセンサーデバイスなど最新テクノロジー素材を用いて、ユーザーにどのような新しい体験を提供できるのか、ワークショップやプロトタイピングが行われています。

森内さんがIoTにかかわるプロジェクトを通して感じているのは、ユーザーよりも、マーケティングや、テクノロジーサイドの加熱ぶりです。

現状、IoTというワードに敏感なのは、「厳しい市場で未来への布石を模索するメーカー」、「話題性を求めるメディア・広告業界」、「市場規模を広げたい投資家」、そして「テクノロジーを保有する企業」などだそう。

MTRL KYOTOで行われているような取り組みを通じて、ユーザーニーズとテクノロジーをどのように結びつけるかを考えることは大事ですね。

IoTもここまできた!プロフェッショナルが推薦する驚きのIoTプロダクト

まず気になるのが、IoTの定義。登壇者のギズモード・ジャパン編集長の松葉信彦さんが説明してくれました。ギズモード・ジャパンは、記事のカテゴリに「Internet of Things (IoT)」があるほど、重要視して日々情報をチェックしています。

IoT とは何なのかを大きく分類した条件を教えてくれました。「センサーでものから情報を取得する(センシング)」「インターネットを経由して『クラウド』にデータを集積する」「クラウドに集積されたデータを分析する(人工知能)」「分析結果に応じてモノが人にフィードバックする」。これに当てはまるものがIoTとなるそうです。そして、今松葉さんが注目しているプロダクトを紹介してくれました。

「電池が必要でない温度計」
ルーターからの電波で動く、2ミリ四方の極小温度計。センサーの値段が下がって進化していることで制作が可能となった。しかも価格が20セント。現状は電波が送れる距離が2.5センチ以内なので活用方法が限られているが、今後に期待されている。
http://www.gizmodo.jp/2015/12/tiny_wireless_sensor.html

「e-skin」
着られるセンサーであり、洗えるIoTシャツ。関節の曲がり方など、カメラを必要としないタイプの身体センサーで身体のトラッキングが出来る逸品。
http://www.gizmodo.jp/2016/01/iot-xenoma-e-skin.html

「Amazon Echo」「Echo Dot」「Amazon Tap」
家の外から、家の中の物を操作するホームターミナル。発した言葉に反応して、Uberでタクシーを呼んだり、ピザを頼んだりできる未来的なプロダクト。このAmazonの製品に対抗して、Googleも開発しているそう。
http://www.gizmodo.jp/2016/03/amazon_echoecho_dotamazon_tap.html

「SNOW-1」
Iotは、趣味娯楽でも活用される。国内企業Cerevoによるスノーボーダー専用のIoTバインディング。自分の滑りのデータを収集して分析できる。
http://www.gizmodo.jp/2016/02/cerevo_snow1.html

「電玉」
遠く離れた人と対戦、協力プレイもできる、IoTけん玉。いままでになかった楽しみ方。クラウドファンドで達成して実現したプロダクトで、「ニッチではあるけれどファンが居る。ちょっと便利になるだけではなく、確実に欲しい人がいる」ということがプロダクト実現の決め手だった、とのこと。
http://www.gizmodo.jp/2016/03/iot-dendama.html

IoTは情報を道具化すること、インターネットを透明化すること

シードルインタラクションデザイン株式会社の代表取締役社長であり、インタラクションの研究者である渡邊恵太さんによるIoT関連のプロダクトも興味深いものでした。どれも問題解決の視点が盛り込まれ、どれもがコンセプチュアル!

渡邊さんはIoTを「情報の道具化」と表現していました。今、「インターネットで検索する」ということは普及しているものの、情報と行動の間には乖離があるのではないか?膨大に増え続ける情報に対して、行動するのが人間だけでは、人間がボトルネックになってしまっているのではないか?という疑問を投げかけ、情報を与えるだけでなく、そのあとの行動を支援したり置き換えることがIoTなんじゃないか、と話していました。そうすれば、ユーザーにとっても得た情報が知識だけで終わらず、情報と行動が常にリンクしている「インターネットの透明化」が実現できるのではないか、と。

あくまでIoTはインターネットの延長と考えると、IoTはハードではなくソフトなのだなあと感じます。そんな渡邊さんの作り出すプロダクトは、どれも「情報を行動をつなぐ」という意図に基づいています。

「smooon」
体積の実体化というコンセプトに基づいた、計量を意識しなくていいスプーン。レシピのデータによって、適量が得られる。
http://www.persistent.org/smoon.html

「Integlass」
目盛りの代わりに携帯端末を取り付けて計量する計量カップ。加速度センサーを使って、容器の傾きに合わせて、液体を計量できます。
http://high-awareness.org/products/integlass/integlass.html

「Length Printer」
実寸をマスキングテープで出力できるという、一次元プリンタ。家具の大きさなどが出力されて、長さの実体化が可能。「情報の道具化」というコンセプトで情報を道具のように扱うプロダクト。
http://www.persistent.org/lenghtprinter.html

2名の事例紹介で、IoTの概念を実際に具体化したプロダクトを見ることができました。必要とする人には、便利なプロダクトばかり。まだ私たちの身の回りで見かけることは少ないのですが、数年後には浸透していそうですね。

「IoTプロダクトで一番大切な要素は「必要とされること」」

このような事例を見ると夢が膨らみますね。応用してなにかが作れそうな気分になります。しかし試作段階の作品も多数で、がっかりさせられる事例もちらほら。どういった面でがっかりするか、各々ここ数年の結果でパターンが見えてきたので紹介してもらいました。

まずは、ネット上で話題になった記事を紹介。スマート生活のために、アカウントを作るのが大変、スマホにアプリを入れなければいけない、家の中の回線が混乱するなどトラブル続きですが、奥さんはアナログでササッと作業できるという皮肉。 http://fladdict.net/blog/2015/06/iot-distopia.html

渡邊恵太さんも「IoT、ウーン系」と称して、事例を列挙してくれました。
・スマホで遠隔あるものを制御する系
・物にセンサをつけてスマホでグラフ化、視覚化系
・ユーザのメリット不明なセンシングデータ搾取系
・別にそれスマホでもいいよね無駄にハードウェア化系
・IoTハブ、ゲートウェイつくりました系、でもアプリ事例ない系
https://twitter.com/100kw/status/662962297703264257

確かに機能が目新しくても実際に使わないと意味がない。買って読まない本が増えたり、スマホの中に使わないアプリが増えたりするのと同じです。必要とされて定着してこそ、素晴らしいプロダクトなのかもしれません。

「コミュニティのデザインによって一般に浸透」

では、どうすれば必要とされて新しいプロダクトは定着するのか? 今回会場に集った参加者は、新規事業の立ち上げ部署に所属する人が多かったので、みなさんが気になっている点です。

そこで成功事例を紹介。SAFECAST JAPAN共同設立者のピーター ・フランケンさんによる、東日本大震災のあとのプロジェクト「SAFECAST」。震災で発生した放射線は目に見えず気になる存在です。このプロジェクトによって世界4800万箇所の放射線のデータが集まりました。IoT仕様のガイガーカウンターを車の窓にダクトテープで付けたり、郵便局のバイクに付けて測定。自分の周りを測りたいボランティアが、自主的に行ってデータが集まりました。まさに問題解決から発生したプロジェクトです。

このプロジェクトを広めるために、インターネットでパーツを買って自分で作ることのできる枠組みを設け、また制作のワークショップを開きました。一台作るのに5万円(開発当初は20万円程度してたとか)しますが、約1000台が作られたそうです。そして、それらを郵便局やタクシーに渡すと情報がすぐ集まり、のちのち世界中から情報が集まるプロジェクトに成長しました。

ピーターさん曰く、「SAFECASTが定着したようにコミュニティを作りたいなら、データをオープンにしなければならない」とのこと。APIやクリエイティヴ・コモンズ・ライセンスを公開して、データを社会に託す。そうすると、参加者が増え、データが集まりやすくなる。ここでピーターさんは2点のキーワードを出してくれました。

「Power of Pull」
Pushではなく、Pull。ニーズがあるからボランティアが参加する。測りたい人が自然と集まって増える。

「Deploy or Die」
やってみないとだめ。どこがうまくいっているかわからない。社会に出してみないとわからない。

なるほど。社会の中でデータを活用しないと有用なのかがわからない。データ自体は意味がなく、意味を作るためにコミュニティを作って活用をする。コミュニティを作ることでコミュニティの参加者から新しい価値を見いだすという考え方です。

登壇者が揃ってのパネルディスカッションでは、ピーターさんの発言が国外からの視点を併せ持っていて印象的でした。「日本人は失敗を恐れるが、それは、失敗をした際に責任をとらされる風潮があるため。だから、みんな責任を避けようとする。オランダやアメリカでは、失敗して強くなったほうが価値があるんです。最初から完璧にしようとするとサイクルが遅くなる。サイクルに乗せるためには、失敗してもいいから、新しい考え方を取り入れるという発想が必要なんじゃないかな?」

海外発祥のIoTは、こういった文化的な背景もあって生まれたのでしょう。それに呼応するかのように、渡邊恵太さんも、セキュリティの問題に対して、「確かに懸念はあるかもしれないけれど、とにかく出して使ってみてます」と発言。新しい機能を付ける前に、最初の段階で完璧に作らない。やってみないとわからないというのは、日本人にとっては勇気のいることですが、ブレイクスルーを見つけてほしいですね。

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