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Loftwork Webmaster Camp Vol.6「Webマスターのやらないことリスト」開催レポート
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レポート掲載中

Twitter Japan株式会社 大会議室

Loftwork Webmaster Camp Vol.6「Webマスターのやらないことリスト」開催レポート

ロフトワークを代表するシリーズイベントとしてすっかり定着したLoftwork Webmaster Campの第6回は、多様な業務に追われるWebマスターが、本来のミッションに集中する環境を整えるにはどうすればよいかを考えました。「やらないことリストを作る」ワークショップを通して、その糸口が見えてきたようです。

ミッションから考える、やるべきこと、やらないこと

今回は、本イベントのアドバイザリーボードを務める本間氏と、ゲストの増井氏、清水氏三人のセッションでスタート。それぞれのWebマスター時代を振り返りつつ、テーマについて持論を展開しました。

アビームコンサルティング株式会社の本間充氏は、「社長は事業について一生懸命考える人。Webで何ができるのかはみなさんが声に出して言わない限り、会社は気づいてはくれない」として、こう問いかけます。

「Webマスターは“よろずや”になりがち。コンピューターに詳しそう、あの人に言えばやってくれそうといったように、何かと重宝されてしまう。一日そうした業務に明け暮れて、あなたにしか考えられないこと、将来について考えるべきことがおろそかになっていませんか?」と。

ここで、敢えて先に「やらないこと」を洗い出すことを提案する本間氏は、「そうすれば自ずとやるべきことが見えてくる」と説明。自身の考える「やるべきこと」「やらないこと」を紹介しつつ、切り分けの軸となる考え方にも言及しました。

やるべきこと、やらないことの考え方

・あなた以外の人が行えることはあなた以外に任せる
・事業に貢献しない品質の追求はやめる

続いて、合同会社フォースの増井達巳氏は、「やるべきことも、やらないことも、価値前提ありき」だとして、「Webマスターには、Web制作の基本を理解した上で、企業のコアコンピタンスを活かしつつプロセスをコントロールし、ビジネスをデザインすることが求められている。その際、どういう価値を提供したいのか、あるいは提供しろと言われているのかを明確にしない限り、やることもやらないことも見えてはこない。価値前提がないか曖昧なら、自分たちで作る必要がある」と強調。

あるべき姿:ミッションを考える

・Web担当者としてやるべきことは?

現在の課題:ミッションとのコンフリクトを考える

・Web担当者としてやるべきなのにできていないことは?
・Web担当者としてやるべきではないのにやっていることは?

ヒント:Web担当者の仕事5つのステップ

・レベル1(超初級):Webサイト(ページ)を機能させる
・レベル2(初級):Webマーケティングを意識する
・レベル3(中級):Webマーケティングを行う
・レベル4(上級):会社全体のマーケティングとWebを連動させる
・レベル5(超上級):経営を意識したWebマーケティング

重要なのは、ミッション(あるべき姿)とのコンフリクトを考えること。すなわち、Webマスターとしてやるべきなのにできていないこと、やるべきでないのにやっていることは何かを考えること。特に、「今やっていることでやらないことを作っていかない限り、向かうべき方向性に集中できる環境を整えることはできない」と語りました。

一方、電通アイソバー株式会社の清水誠氏は、やるべきこととやらないことを明確に切り分ける上では、自らの活動の「組織への浸透」が鍵を握るとして、楽天時代に立ち上げたというアクセス解析最適化推進チームを例にヒントを提供。チーム名にこだわったのも、専門性を高め、信頼を得るためだったと清水氏。

また、「チームのミッションに関係ないことはやらないと決めた」と語る清水氏は、「一番大事なのは、確実に横展開でき、長期的に成果につながること。限られた時間をいかにうまく使うか」だと語り、そのポイントを解説しました。

業務にフォーカスして成果を出すためのポイント

・チームのゴールを明確にしよう
 ゴールを共有できるように文書化が必要。チーム名もその一つ。
・ゴール達成に必要なタスクを図解で整理&共有しよう
 特に図解すると効果的。
・上記をチーム内外で徹底しよう
 何ができて何をしようとしている人たちなのかを明確にブランディングする。

最後に清水氏は、自らが提唱するコンセプトダイアグラムの作成を推奨。全体を俯瞰して自分を客観視し、逆算でアクションを導き出せるとして、その描き方を解説しました。

やらないことリストを作る

ワークショップでは、ゲストセッションでインプットされた情報を参考に、「やらないことリスト」の作成に取り組みました。ワークは個人ワークとグループワークの二部構成。

第一部では、ワークシート上で自分の一週間のスケジュールを振り返ることで、どんな業務にどれだけの時間を費やしているのかが浮き彫りに。それぞれに気づきを得たところで、ひとまず「やらなくてもよさそうなこと」を個人レベルで洗い出していきました。

続く第二部では、業務範囲の類似する者同士が4~5名でチームを編成。「やらないことリスト5箇条」の作成に向け、まずは個人ワークの成果を共有し議論を深めていきました。

各チームとも実際に取り組み始めてみると、意外にも「やらないこと」のリストアップが難しかった様子。また、議論の段階で、「自分の業務範囲から外すには、越えなければいけない山が高い」と言う声も。つまり、マニュアル化や教育がネックとなり、なかなか前に進めないという意見です。

これに対し、「山になる前に毎日少しずつ崩していきましょう」と清水氏。また、増井氏も「私の場合、どうやったら人に振れるか?を考えた結果、事前にエスカレーション先リストを作っていた。私より詳しいからそっちに聞いて!と他人にも振り先を教えてあげられる。これを作る手間を省いてずっと受け続けるか、ラクになるか(笑)」とアドバイス。

こうして議論を重ねた結果、最終的に絞り込まれた「やらないことリスト5箇条」が各チームより発表されました。中には5つ出し切れずに断念したチームもあったようです。

●チーム1

・バナーやLPなどの制作系業務
・単純な資料作成やレポーティング業務
・コミュニケーションロスの原因となる業務
・その他雑務

清水氏「解析することやレポートを作ること自体が目的ではないので、単純作業を自動化するのは賛成」

●チーム2

・大人数の打ち合わせへの出席
・マニュアル化できる業務
・他人や他部門に振れる業務
・指定した時間以外の相談業務
・ユーザーのためにならないこと

増井氏「何かを極めるようなことはやらなくて正解。仙人並みのその人しかわからないオペレーションを探すのではなく、誰もが代われるようなオペレーションを作ることのほうが重要」

●チーム3

・そもそも理解のない上層部への説得(説得ではなく洗脳へ)
・単純作業
・属PC業務
・Webの責任を引き取ること

増井氏「サイトのオーナーシップをきちんと整理することは大事。サイト全体は社長の持ち物であり、事業部サイトは事業部のもの。自分ごと化が進まないといずれ大事故につながる。不必要な責任は敢えて負わないほうがいい」

●チーム4

・目的が曖昧な会議への出席
・ソーシャルメディアに関わるネタ集め
・単純なチェック作業
・定型的な報告資料の作成
・惰性でやっているメールマガジン

清水氏「目的、効率、成果、貢献度を無視したこと、つまり惰性でやっていることは、データを活用して見える化すると優先順位がつけやすい」

●チーム5

・目的が曖昧な仕事
・Webのことがわからない上司への成果についての説明

増井氏「Webは企業全体の情報が載っている唯一のメディアなのに、コミットメントしていない状態で、なんとなくこれがWebの価値だとか、いいWebってこんな感じとか、曖昧になっていることが多い。やはり価値前提を共有することが大事」

ワークショップ終了後は、Twitter Japan株式会社の森田謙太郎氏が、10周年を迎えたTwitterのビジネス活用について紹介。簡単なワークショップも行われ、参加者たちは効果の上がるTwitter広告のお作法を学びつつ、80文字で自社をアピールする「ツイートコンテスト」にも挑みました。

最後にクロージングトークに立った本間氏は、「みなさんがハッピーにならないと日本のWeb業界は盛り上がらない」として、「やりたいことがあるのなら、社内でぜひ声に出してみてほしい」とエールを贈りました。

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