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HAPTIC DESIGN CAMP 1
  • 19
    11月
  • 無料
  • 東京

レポート掲載中

FabCafe MTRL

HAPTIC DESIGN CAMP 1

触覚はデザインできる!?

HAPTIC DESIGN CAMP 1参加レポート

普段なにげなくモノに触れる行為は、「触覚」の情報を生み出します。わたしたちは、この触覚を含め視覚、聴覚などの五感を使い日々様々な情報を取得しています。

視覚に対するビジュアルデザインや、聴覚に対するサウンドデザインがあるように、触覚(Haptic)においても、素材のさわり心地や、情報伝達など、人とモノ、人と人との身体を通じた関係性をデザインすることができます。

そんな触覚のデザイン(HAPTIC DESIGN)を触覚研究の第一人者とともに学び、考えるイベントがFabCafe MTRLにて開催されました。デザインやコミュニケーション、ビジネスに関わるメンバー約50名が参加し、様々な素材に実際に触れ、参加者同士で議論しながら理解を深めました。

リンク:HAPTIC DESIGNとは

議論を広め、HAPTIC DESIGNERを生み出す

冒頭、イベント全体の企画・運営を担当しているロフトワークの小原がプロジェクトの主旨を紹介。体やさわり心地を通してどんな体験ができるのか、幅広く議論しながら考え、触業(HAPTIC DESIGNER)を生み出すことを目的に活動していくと宣言。Hapticデザイナーを生み出していくために、多様な価値観/評価軸/ことばを徹底的に議論し、体系化していくこれからの活動を参加者に共有しました。

プロジェクトの趣旨を紹介するロフトワーク 小原

さらに小原は、触覚のデザインで導く、新たなものづくりや体験を募集したHAPTIC DESIGN AWARDとゲストの審査員紹介し、イベントがスタートしました。

HAPTIC DESIGNの基礎を学ぶ

HAPTIC DESIGNの基礎を解説したのは、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の南澤孝太准教授。もともとバーチャルリアリティなどテクノロジーの研究を行っているという南澤氏。近年話題になっているVRに触れ、「やってみると楽しいけれど、まだ何か足りないと感じてしまう。もっと「質感」「情感」「実感」を伴ってもよいのでは」と疑問を投げかけました。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の南澤孝太准教授

人間が身体で経験していることをもう一度整理し、どのようにデザインしていくのか考えるために、プロジェクトをはじめたといいます。第一段として、誰でも使える技術を目指して開発したテクタイルツールキットが紹介されました。

実際に触れていない触覚を電気信号にて変えて体験するもので、タップダンスのリズムや、ザラザラといったや触感を振動の違いとして体験することができます。

さらに南澤氏は触覚をデザインした様々な取り組みを紹介。社会に対して、触を通じた新しい価値の提案を目指して活動していくと語りました。

続いて登壇したのは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の主任研究員である渡邊氏。「Hapticはすでに様々な領域に存在し、意識して捉えることで、ものづくり、衣食住、情報技術、教育において、豊かに、深く伝えることができるようになる」と思いを語ります。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 主任研究員 渡邊 淳司氏

渡邊氏はHapticについて詳細に解説。Hapticを体験する3つの側面をまとめました。

質感:物と人 触覚のテクスチャーデザイン

実感:自己と環境 触覚のリアリティデザイン

情感:他者との関係性 触覚のコミュニケーションデザイン

さらに、具体的に触感の感覚をわかりやすく分類するため、「かさかさ」「ざらざら」「べちゃべちゃ」というオノマトペから、色相環に着想を得たオノマトペ分布図を作成し、感覚の共通言語化の取り組みを実際のプロジェクトとともに紹介しました。

Pseudo-Haptic Music Video

Hapticの基礎講座に続き、ゲストトーク最初のセッションは、Youtubeでの再生回数が1,000万回を超えた、安室奈美恵 「Golden Touch」のMVを手掛けたPARTYの川村氏が登場。川村氏はニューヨークから映像での出演となりました。

Pseudo-Haptic(スードハプティック)の概念を取り入れた本作は、映像の中心に視聴者が指を置くことで、自分の指が様々なアクションを起こしている錯覚を覚える作品。

制作のプロセスを紹介しながら、様々な発見があったと川村氏。例えば、CGよりも実写の物体の方が触っている感覚が強くなりやすいことや、触る前の時間をなるべく確保することで、より強く印象に残せると解説しました。

参加者全員で、スードハプティックを体感

川村氏の作品に対して、登壇者たちは一様に「やられた〜と思いました」と口を揃える一コマも。

空間認識を変えると、コミュニケーションが生まれる?

ゲストトーク2人目は、大河ドラマのオープニングや、東京駅のプロジェクションマッピングなど、デザインと映像の組み合わせを追求してきたNAKEDの大屋氏。映像が表現者の内面を表すものから、コミュニケーションの道具へ変わっていくのにあわせて、現実の空間で映像を拡張するプロジェクションマッピングという手法にたどり着いたといいます。

NAKED Inc. General Manager 大屋 友紀雄氏

さらにコミュニケーションを作り出す空間について考え、リアルな空間で、外のコンテンツと映像がどのように結びつくと、人間の空間認識が変わるのかを追求。人間の生理学的な見地から、触覚の可能性に着目し、日本で初の触感の専門誌「ふるえ」の発行しながら、研究を深めています。

プロダクトの設計は触覚の設計

最後のゲストトークは、おもちゃ開発者の高橋 晋平氏。元々バンダイで10年間にわたり、人を笑わせるネタグッズを作ってきたという高橋氏は、ついついやってしまうハマり要素は全て、触覚であると語りトークをスタート。これまで手がけてきたものを振り返りながら、「触覚」と「ハマリ要素」の関係を紐解いていきました。

株式会社ウサギ 代表取締役 アイデア・コークリエイター 高橋 晋平氏

simpeiというボードゲームの開発経験から、おもちゃにとって重要なのは気持ちよさだと悟ったと語る、高橋氏は、第一回おもちゃ大賞を受賞した「∞(むげん)プチプチ」の開発秘話を紹介。つい潰したくなる感覚を、アフォーダンス理論で説明し企画化を勝ち取ったと話します。その後、つい潰したくなる様々な商品など、触覚をキーとしたおもちゃや商品をそのこだわりとともに紹介。最後にプロダクトの設計は触覚の設計であると語りトークを締めくくりました。

ゲストトークに続き、南澤氏をモデレーターにトークセッションが展開されました。

ハマるコミュニケーションについて深掘りが行われたトークセッション

触れながら考える、Hapticデザインワークショップ

トークセッションに続いてタッチ&トライのワークショップが行われました。目的はHAPTIC DESIGN AWARDに参加するための触覚を使ったアイデア作り。「質感」「実感」「情感」を伴った新しい触覚体験を4コマの絵コンテにまとめていきます。

アイスブレイクとして行われたのは、さわり心地名刺の作成。会場に用意されて様々な手触りの素材を使って各自を表現するための名刺を作ります。

自由に使える素材が大量に用意されました。

アイスブレイクを終え、触覚やHapticとしてどんなことが起こると面白いかをグループでディスカッション。体験を4コマの物語にするために、1コマずつグループ内で描きながら回していきます。

4コマ目が埋まる頃には、1コマ目では想像できないストーリーが生まれるはず…。

出来上がったアイデアをグループ内で共有。1コマ目からは想像もできないストーリーが各グループで出揃いました。

最後に生み出されたアイデアを発表。キーボードのキーを好みの触感に変えられるPCで体験を改善するアイデアや、エアコンの風を通じて、手を握り、温もりがシェアできるアイデアなど、触れて感じることを中心とした様々なアイデアが発表されました。

触覚をデザインする。これまであまり、意識されることがなかった触れるという視点からのデザイン。この視点の追加が、今後わたしたちの身の回りにどんな驚きや心地よさを伴った体験を提供してくれるのか、これからの可能性を感じるイベントとなりました。

取り組みはまだ始まったばかりですが、ロフトワーク及び、FabCafe MTRLはプロジェクトメンバーとしてHAPTIC DESIGNが多くの人の当たり前になるよう拡大に努めていきます。

執筆:山口 謙之介(ロフトワーク)

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