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既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法とは 開催レポート【前編】
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既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法とは 開催レポート【前編】

既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法【前編】

「何を作るか」よりも「どう体験してもらうか」。

いわば、モノづくりからコトづくりへの変化が叫ばれています。視点を得るための方法は多数ありますが、今回は「コミュニティ」に光を当てます。

コミュニティ戦略のメリットは、複数ユーザーの体験や視点を通すことで、技術や製品に新たな価値を見出し、まだ見ぬ顧客へのアプローチや、新たな機会領域を探せること。
2017年7月21日に開催されたイベント『既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げるコミュニティ戦略の実践方法』では、ロフトワークメンバーが事例に基づくコミュニティの有効性や形成プロセスについて語りました。

メーカーや研究機関で事業開発に携わったり、マーケティングやプロモーションの領域を担う方には参考になるトピックも多いことでしょう。

参加者が懇親会で言葉を交わすイベント会場より、ライターの長谷川賢人が当日のレポートをお届けします。

「フラット型」の「オープンコミュニティ」が価値を創造する

ロフトワーク コミュニティ・ディレクター 岩崎諒子

最初に登場したのは、ロフトワークでクリエイターが集まるコミュニティサイト「loftwork.com(ロフトワークドットコム)」の企画・運営を担当している、コミュニティ・ディレクター 岩崎諒子。
岩崎はまず定義によって捉え方が異なる「コミュニティ」について、「ある目的意識を共有している」「コミュニティ全体と参加者との間で何からの価値交換が行われている」と整理しました。

なかでも、参加者が自由に議論を交わせる「オープンコミュニティ」の可能性に触れ、その特性は「たこつぼ型」と「フラット型」に分類できると説明。それぞれの要素は時に混ざり合うため、必ずしも明確に分類されるものではありませんが、岩崎はゼロからコミュニティをつくる場合や、新たな価値創造をめざす場合には、「フラット型」が向いていると述べました。その理由は、参加者のコミュニティへの関わり方をより自由に設計できること、公募やワーキンググループなどの「プロジェクト」を組み込むことで、一定の期間内でも成果を導きやすいことが理由です。

なぜコミュニティで共創するのか?

では、そもそもなぜ「既存技術・製品に新たな価値を見つけて拡げる」のにコミュニティが有用なのでしょうか。岩崎はその理由を「担当者が『あたりまえ』だと思っている価値観から一度離れ、多様な視点から価値を発見するため」と述べました。

開発担当者や、営業担当者は、自社の製品や技術について誰よりも深い知識を持っている反面、新鮮な眼でそれらを捉え直すことが難しい場合もあります。また、チーム内で新しい利用者層やユースケースに関する仮説を持っていても、適切な検証方法がわからないケースもあります。

そのような状況下において、バックグラウンドや発想法も異なる参加者による多用な視点が、まだ見ぬ価値や課題の発見につながると考えているからです。

岩崎は5段階からなる「価値の発見プロセス」の図式を掲げ、「仮説の設定」と「仮説の検証」の段階でコミュニティが効果を発揮すると話します。リサーチ後の仮説を基にコンセプトをつくり(=仮説の設定)、その仮説を検証する過程を経て、「価値の発見」を目指していけるからです。

実際にコミュニティを作るために、岩崎は3つの「必要なもの」を挙げます。コミュニティに参加する「メンバー」、情報を発信したり、内外とコミュニケーションをとるための「メディアとコミュニケーションツール」、そしてメンバーが一同に会し、アクティビティを実行するための「場」です。なかでも大事なのはメンバーであり、「できるだけ自社の社員ではない人が『ここは、自分たちの場なんだ』と感じながら参加できるような空気づくりが大切です」と岩崎は言いました。

また、これまでのロフトワークの経験から、コミュニティの成果を一定期間で可視化するには、次のような職能をもったメンバーを巻き込むのが有効だと述べました。アイデアの可視化や具現化を行える「クリエイター(デザイナー/イラストレーター/エンジニア などを含む)」、専門領域に関する広く深い知見を持ち、多角的に観察・分析して仮説を立てることができる「研究者」、作品や表現を通じて第三者に向けて新しい概念を体験として提供できる「アーティスト」です。

共感を生むコミュニティに重要な、コンセプトつくり

コミュニティを形成する目的、そしてメンバーの重要性について語った岩崎は、次にコンセプトづくりの大切さを述べました。

岩崎は「メンバーがオープンコミュニティに参加する動機は、はじめは『共感』や『ワクワク感』、『小さな野心(あたらしいビジネスにつながる、など)』といったもの。コミュニティのコンセプトはメンバーの参加動機の裏付けとなる大切なもので、企業とメンバーとの間で共有されるビジョンやメッセージを矛盾なく体現している必要があります」と指摘します。 

たとえば、「刺繍ミシンを普及させる」というメッセージよりも、「刺繍ミシンでファッションをハックする」というメッセージのほうがよりファッションに関心のある層に共感を呼び、コミュニティ・メンバーのクリエイティビティを刺激します。

そして、オープンコミュニティにとって、「コンセプトのスケール設定」は肝要です。「コンセプトのスケール設定」とは、コミュニティの活動が世の中のどの範囲に影響を及ぼす(あるいは、及ぼしたい)のかを想定することです。岩崎は自社や自分たちのブランドがもともと持っているコンセプトを見つめ直し、新しく立ち上げるコミュニティではそのスケールを大胆に転換してみることも一案だと話します。

たとえば、「テクノロジーを通じて人類発展に貢献する」といった企業のコンセプトは、スケールが壮大なのはいいのですが、この会社が何をしているのかは一見して想像しづらいです。コミュニティではコンセプトのスケールを「カルチャー」にダウンサイズし、「テクノロジーを通じて音楽をもっと刺激的にする」としてみます。これにより一層身近に感じられ、音楽に関心のある層はこのコンセプトを自分ごととして捉えられるようになります。 逆に、普段はスペックを謳い文句にしているブランドや製品を題材とするならば、コミュニティでは社会課題の解決につながるコンセプトを提示してみても良いかもしれません。

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