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SDGsは、視点を変える糸口になる。 開かれたチームで実現する、100年先の未来
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100BANCH 3F Loft

SDGsは、視点を変える糸口になる。 開かれたチームで実現する、100年先の未来

SDGsは、視点を変える糸口になる。開かれたチームで実現する、100年先の未来

サステナブル、という言葉を聞くと、どんなイメージが浮かびますか?

自然や環境問題における「エコな話」のイメージを抱く方は多いかもしれません。あるいは、世界規模で考えると、壮大に思えたりなかなか自分と重ねにくいと思う方も少なくないでしょう。

100BANCH、国連開発計画(UNDP)の共催で行われたイベント「Social Good Summit 2017 in Tokyo『次の100年をつくる活動 × SDGs』」では、国連が設ける17の目標「SDGs」につながるソリューションを提供する実践者をゲストに招き、身近な課題とSDGsの共通点や示唆を発見・議論しました。
「健康・福祉」「教育」「まちづくり」の3つのテーマ×「サステナビリティ」のケーススタディを中心に、イベントの様子をお届けします。

「次の100年をつくる」ために、組織を越えて連携したい

Social Good Summitとは、国連開発計画(UNDP)(*1)が主体となり、貧困や教育、公衆衛生、防災対策などの社会的課題の解決のために、ソーシャルメディアや新しいテクノロジーの活用法を議論する国際的なイベントです。
UNDP駐日代表・近藤哲生さんによるSDGsについてのインプットから、ミートアップがスタートしました。

(*1)http://www.undp.org/
(*2)http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

国連開発計画(UNDP)駐日代表 近藤哲生氏

「SDGsとは、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに達成を目指す指標です。私たち国連機関は、『国際の平和および安全の維持』を目指す国連のビジョンを達成するため、さまざまな取り組みを行っています。その一例、2000年に開催された国連ミレニアムサミットで採択されたMDGs(Millennium Development Goals)を後継するかたちで、SDGsが設定されました」

「MDGsでさえ全8つの目標があり、実は私自身当初はそらで言うのは難しかった。それでも、世界の飢餓人口は’90年に約36%(約19億人)だったところ2015年には約12%(約8.4億人)に減少(*3)するなど、成果もあります。とはいえ乳産婦の死亡率はなかなか減らず、都市衛生や教育の普及などまだ問題はたくさんある。今度の目標は17に数が増えました。
これらを達成するテクノロジーは、ナレッジは、コミュニティはどこにあるか。UNDPだけでなく、組織の壁を越えて、各分野のプロフェッショナルたちとオープンに連携しながら実現していきたいと思っています」

(*3)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000137905.pdf

1列目はMDGsの積み残し。2列目は産業、3列目は政治について。“There is no plan B. Because there is no planet B.”という前国連総長の言葉を引用し、「自分を主語にSDGsを考える人が増えることを願う」(近藤氏)。

次の100年の、健康・福祉、教育、まちづくり

2017年のSocial Good Summitで取り上げるのは、全17あるゴールのうち「#3 健康・福祉」「#4 教育」「#11 まちづくり」の3つ。各分野の実践者たちに、活動内容を聞きました。

#3 Good Health 「すべての人に健康と福祉を」(FiNC CEO・溝口勇児氏)

FiNC 代表取締役社長 CEO 溝口勇児氏

「すべての人にパーソナルコーチを」をスローガンに掲げる、予防ヘルスケア×AIテクノロジーに特化したFiNC。代表取締役社長の溝口さんは、冒頭で“人生ラスト10年”を過ごす2人を比較する動画を流し、健康寿命の延伸は寝たきり生活の短縮とイコールになることを解説。健康寿命を延ばすことは、個人の幸福はもちろん、経済効果も見込めると話します。

「予防」の観点からヘルスケアに取り組むFiNCには、医師、薬剤師、栄養士、エンジニア、データサイエンティスト等様々な専門家が集っています。そして今年6月、「Health for Tomorrow」を発足。北島康介さん、プロサッカー選手の香川真司さん、TABLE FOR TWO International代表の木暮真久さん、そして溝口さんがFounderとなり、FiNCのアプリを持って歩くと、歩数に応じてアフリカの子どもたちへ栄養価の高い給食が寄付される取り組みや、賛同企業を募った企画で寄付などもスタート。AIテクノロジーを生かしたデータ起点のサービスを展開する溝口さんは、今後もデータをもとに一人ひとりに合うソリューションをつくり、次なるインフラを生み出したいと語りました。

#4 Quality Education「質の高い教育をみんなに」(教育と探求社・福島創太氏)

教育社会学者/教育と探求社 クエストエデュケーションプログラム主宰 福島創太氏

教育と探求社の福島創太さんは、タイトルに挙げた「質の高い教育をみんなに」の“質の高い教育”とは何か、“みんな”とは誰か、と会場へ問いかけます。
新興国では識字率の低さが指摘されることが多い中、日本はといえば就学率が99%で学習機会はほぼ整備されている。一方で、現在子どもの主体性や創造力の向上という課題に直面しています。学校は格差を是正するための仕組みなのに、学校教育が機能しないとなると、家庭教育に依存することになる。つまり、格差が広がってしまう。そんな日本ははたして、“質の高い教育”を“みんな”に届けられていると言えるのだろうか。

社会への順応性を高める教育から、自ら動き、思考し、創造する力を育む教育へシフトするために、教育と探求社は社会と連動しながら、「生きる力」を育む学習プログラム「クエストエデュケーション」を開発し全国約2万人の中高生に届けています。子どもは“知識の学習者”であるだけでなく、“知恵の創造者”でもある、という姿勢で行ってきたアクティブ・ラーニングの実践は10年を経て、いまは「先生の学びの場づくり」にも向き合っているとのこと。
福島さんは、「正解のない問いの立て方」というメソッドが確立していない学びの現場では、先生たちも模索中と言います。子どもを中心に考える近代型の教育はどうあるべきか、それをすべての子どもたちに届けるためにはどうすればよいのか。先生側にも目配せをしながら考えようという呼びかけに、会場の端々で議論が生まれていました。

#11 Sustainable Cities and Community 「住み続けられるまちづくりを」 (JR東日本・村上悠氏)

JR東日本・チームファンタジスタ代表 村上悠氏

JR東日本の村上悠さんは、社員の有志ユニット「team Fantasy-sta.」でサステナブルなまちづくりの活動中。自分たちが「ほしい未来」を模索しながら、会社でファンタジーを実現する(=事業化する)という姿勢で取り組んでいます。誰もがまちづくりに参加できる状況をつくりたい、という強い想いから、埼京線に住まう人々や学生との対話を通したまちづくりのプロジェクト「SAI-KYO DIALOGUE LINE(*4)」や、あらゆる分野で活躍するプロフェッショナルたちがソトもの目線でまちのコンテンツを提案、実施する「ソトものツアーズ(*5)」などのプロジェクトを実践。これらをきっかけに、まちに面白い人たちが集まりはじめ、自然発生的に様々な動きが生まれているとのこと。

こうした個人の想いを起点に活動する村上さんは、会場に「“まちづくり”の主語は誰か?」と投げかけます。行政、企業、市民……誰もが主語になりうる状況をつくれば、小さくても多様でたくさんのアクションが生まれ、サステナブルなまちづくりの第一歩になる。専門領域や組織・年齢を超えたコラボレーションも、可能になる。ソトものツアーズから派生した中学生×クリエイターのチームで作品をつくるプロジェクトを紹介しながら、「こうした動きは、ある種建物をつくるまちづくりよりも健全かもしれない」という指摘に、思わず唸りました。

(*4)SAI-KYO DIALOGUE LINE
(*5)ソトものツアーズ

視点を変える糸口としてのSDGs

実践者たちのプレゼンテーションの後は、参加者同士で課題共有や意見交換のワークを実施。
まちづくりのテーブルでは「そもそも地方創生の定義は何か?」「人の定住が、持続性の前提ではない」。教育のテーブルでは「“成功”の定義は何?」「地方と都市の教育格差は、物理的な距離ではない問題があるのでは」。そして健康・福祉のテーブルでは「国連×保健の組み合わせは、つい大事と捉えがち。身近なHealthとは何か?」等々、総勢50名近い参加者の間にたくさんの意見が飛び交っていました。

ワーク後には、登壇者の4名のラップアップを経て、「会場を出たあとに、SDGsに向かって自分なら何ができるか」をカードに書きイベントは終了。レポートの最後に、登壇者のコメントを抜粋して紹介します。

多様な人がいるなかで、違う価値観をちゃんと理解する「インクルーシブネス」が今後議論するうえで大事になる。例えばヘルスケアの観点なら、所得の低い人の方が健康意識が高いといったことを理解する。正しく課題を認識することが大事。”(溝口氏)

ワークで、インターネットではなく、リアルなやりとりのなかで「それ面白い!」となる機会が地方には少ないんじゃないかという指摘があった。でも、どこにだって「面白い人」はいる。すべての人が子どもたちにとっての教育コンテンツになることを目指したい。そのための意識変革の糸口として、SDGsは有効。”(福島氏)

2030年、私たちはどんなまちに住んでいるのだろう? 1920年代にコルビュジェがまちづくりの計画を発表してから今まで、どこのまちも同じつくり方をしているようにみえる。でも、主語になる人がどんどん増えていけば、まちのつくり方はかわっていくはず。教育×まちづくりの可能性にも気づきがあったので、今度はみんなで学べる「まちづくりのトレーニング」を考えてみたい。”(村上氏)

今年7月、岸田外相が国連会議で約1130億円の拠出を表明した(*6)。SDGs推進本部の本部長を安倍首相が務める今、政府が「SDGsのための」実施指針を決めた。この発言から財界も動き、SDGsの観点から企業行動憲章の改定を経団連が発表(*7)。8月13日に発表されたGDPの速報値は、年率4%超というバブル以来の好景気。欧米の影響ではなく、国内の動きでライフスタイルが変わったというのは、意義あること。2030年に向けて、持続可能性の実現は実態をもって進んでいると感じた。”(近藤氏)

(*6)https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN17H09_X10C17A7000000/
(*7)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/entakukaigi_dai3/siryou4-7.pdf



クロストークでは、今回3つの目標それぞれの課題や必要なアクションを議論しながらも、「これってあの目標にも繋がるのでは?」という発見があったという意見も。目標それぞれで課題解決を測るのではなく、オープンに、分野を横断して議論・アクションすることも、ひとつの鍵になりそうです。

2030年、SDGsはどんなかたちで実現されているのか。そして100年先の未来に、どんな景色が見えるのか。
みなさんもぜひ、身近なことから取り組んでみませんか?

(文:ロフトワークPR 原口)

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