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齋藤 稔莉

“太陽のような笑顔”という言葉がぴったりのクリエイティブディレクター、齋藤稔莉。彼女の醸し出す雰囲気は、自然とオフィスやプロジェクトチームを明るく前向きな空気に変えてしまう力があるようです。

“どんなことが起こるか分からない”という未知を楽しみ、積極的にクライアントやクリエイターとの信頼関係を築いていく彼女のディレクションスタイルは、新しいものにわくわくする無邪気さと同時に、優れた洞察力で物事を客観的に捉えて的確に判断する力を併せ持っているからでしょう。

“未知”の領域が自分の経験値を高めてくれる

齋藤は、Web制作会社やセキュリティーソフト関連会社等で、人事や広報のキャリアを積み、3社目の転職先としてロフトワークのクリエイティブディレクターになりました。

「自身のキャリアを振り返ると、職種としてはクリエイティブではなかったのですが、自社で発行するフリーペーパーのライティングを担当したり、写真撮影をしたりと、どういうわけか突発的に発生したクリエイティブな仕事を振られることが多かったですね。でも、堅い会社の中でのクリエイティブ寄りの仕事を担当するというのはキャリア面で中途半端な気がしていたのもあって、それらを生かしてディレクションに特化できれば、と考えてロフトワークに入社しました」

前職からクリエイティブ寄りの仕事をしていたという齋藤。とはいえ、クリエイティブに特化した仕事はロフトワークが初めてだと言います。実際に働いてみてどんなことを感じたのでしょう?

「私の両親は、母がアパレルのパタンナー、父はハウススタジオのレンタルやロケーションコーディネーターなどをしています。ふたりともいわゆる横文字系の仕事なのですが、感性に支えられているようなアバウトさも少し感じていて、その反動か、私はついつい横文字系の仕事を避けてきたところがあるんです。経営学部に入ったのも安定した職を持ちたいという動機でしたし。

でもロフトワークは、クリエイティブという、一見ふわふわしたものにPMBOKというプロジェクトマネジメントの論理体系を採用していることが斬新でした。クリエイティブなプロジェクトを、気合や感性でどうにかするのではなく、数値目標とロジカルな制作体制で進めていく。そこに惹かれました。プロジェクト単位で始まりと終わりのメリハリもありますし、ここならきちんと評価してくれそうだし仕事しやすそうだな、と思いました。

あと、面接の時に多様性を受け入れる社風を直感で感じて、それが私の性格と合っていましたね」

多様な社風や仕事内容は、未知のものと出会うことが好きな齋藤のパーソナリティーとも一致したといいます。

「私は未知のものが大好きなんです。たとえば私は一人旅が好きで、国内外を旅しましたが、基本的にスケジュールは細かく組まずにふらっと旅します。というのも、予定されていたり保証されているものは安全ですが、それ以上の振れ幅は期待できないじゃないですか。でも、未知のものだと、どんな結果になっても経験値になりますし、わくわくしますね。その分、未知のものには危険やリスクも伴います。一人旅だと命に関わる。自分ひとりで一つ一つのものごとに優先順位をつけてリスク回避していく力は、今のディレクションの仕事にも通じるところがある気がします」

ロフトワークでの仕事は、たとえばWeb制作でも、大手企業の案件から、モバイル用ソーシャルゲームのようなエンタテインメント案件までと非常に多様です。クリエイティブディレクターに求められることは、そうしたプロジェクトを横断して様々な企画や判断ができる対応力でしょう。

PMは「いかに人を生かせるか」が問われる仕事

齋藤はクリエイティブディレクターとして、ソーシャルゲームなどのコンテンツ制作からWebサイト制作のプロジェクトマネジメントまで幅広く手がけています。その中で、クリエイターのくせを逆に活かすことで面白いプロジェクトが生まれたことがあったそうです。

「とあるソーシャルゲームのコンテンツ制作で出会ったイラストレーターの方がとんでもなく個性的だったんです。本来コンテンツ制作というのは、ディレクターとクライアントでモチーフ(設計図や仕様書)をつくり、それをもってクリエイターに発注します。つまりクリエイターはこのオーダーに応じて制作を進めるわけなのですが、その方はいつも作るものが全然そのオーダーに沿ってない。設定もどんどん変えてくるし、なぜかポエムまでつけてくれたりして。さらにはそれを無限にアップしてくる!」

しかし、齋藤はこの力を生かそうとしたといいます。

「どうしようかと思ったときに、断って他を探すのは簡単なことですよね。でも、この人は自分の力を100%発揮できる場所さえあれば、きっとすごい戦力になるに違いないと思ったんです。そこで、それをそのまま企画にできないかとクライアントに提案してみたところ、クリエイターが自由な発想のもとにつくっていく“自由枠”というものを作ってもらえたのです。この枠ではクリエイター自身が設定も考えた上で企画提案をしていきます。結果的にこの提案によって、クライアントからも“ロフトワークは企画力もある制作会社だ”という評価をいただくことができました。そのイラストレーターの方も、水を得た魚のように活躍してくださり、嬉しかったです!」

どんな個性も、生かす場所次第でアウトプットが変わる。それを様々なプロジェクトで試していけるというのは、プロジェクトマネジメントの醍醐味と言えるでしょう。

ギズモードとのコラボ企画「GIZMODO LOVES JAPAN PROJECT」のTシャツを着て…

Happyな人をもっとHappyにするより、困っている人を少しHappyに

最後に、今の仕事を踏まえてどんなことにチャレンジしていきたいのか、これからについて聞いてみました。

「クライアントの依頼よりも一歩踏み込んだ価値を提供することですね。というのも、たとえばゲームのコンテンツ制作でも数をこなしていると、そのゲームのよりよい姿というのがイメージできるようになる。既に信頼関係を築けているクライアントには積極的な企画提案をしています。今後は、新規案件の受注段階で企画考案にまで踏み込んだ提案ができるよう、さらに幅を広げていきたいと思っています。

あと、もっと大きなことでいうと、私はどちらかというと、ハッピーな人をもっとハッピーにするというより、困っている人をふつうとか少しハッピーにする方がやりがいを感じるんです。最近では“Art for LIFE”という、アートで震災復興援助しようというプロジェクトがあったのですが、その締めくくりとなるイベントに運営スタッフとして参加しました。今後も自分の仕事を通して社会問題などにも関わっていけたら、と思っています」

ムードメーカーとしてもロフトワークにおいて欠かせない齋藤。未知なものと出会うことが好きという彼女の姿勢があるからこそ、本当の意味でクリエイターの視点に立った提案ができたり、受注者・発注者を超えたパートナーになれるのでしょう。それはロフトワークのクリエイションにとって、もっとも必要な力かもしれません。

loftworkers vol.7

Minori_Saito

コーポレート齋藤 稔莉

多摩大学経営情報学部卒業後、Web制作会社にて人事部立上げにリーダーとして参加。その後、セキュリティソフト開発会社にて広報を担当し、自社製品紹介の映像制作に関わる。2011年にロフトワーク入社後は、主にソーシャルゲームコンテンツ企画・制作、WEBコンテンツ制作ディレクションを担当。父の撮影スタジオで幼い頃から身につけた構図構成力と、人事で培ったコミュニケーション能力を活かし、積極的に企画提案に挑むディレクターとして邁進中。