Home > セミナー・イベント > 主要CMS徹底解剖セミナー

主要CMS徹底解剖セミナー

株式会社ロフトワークは、2009年10月28日、CMS選定に頭を悩ます企業のWeb担当者向けにセミナーを開催。ベンダーニュートラルな立場で多数のCMS導入を支援してきたロフトワークが、一挙に7つの実力派CMS製品を解説するという滅多にないチャンス。さらに、パネルディスカッションには、ベンダーとクライアントの両方の立場で数々のCMS導入を経験してきた楽天株式会社の清水誠氏が登場するとあって、会場には100名を超える参加者が詰めかけました。

POSTメソッドで組織に合う最適なCMS製品を選ぶ

「CMSの『選定』はCMS導入の中で一番楽しい時かもしれません」と切り出したロフトワーク代表取締役社長の諏訪は、CMS選定は楽しい反面、その後に続くプロジェクトの道のりを考えれば、ほんの一要素に過ぎないことを強調。一要素でありながらプロジェクトの鍵を握るこの重要な作業をどう進めるかについて、「POSTメソッド」(Forrester ResearchのJeremiah Owyang氏が提唱)が参考になるとしました。

People(人):誰がどう運用するか
Objective(目的):導入により何を実現したいのか
Strategy(戦略):導入にあたっての戦略は何か
Technology(技術):どのCMS製品が最適か


「残念ながら、この『POST』を逆に辿る。つまり先に選定から初めてしまい、CMS選定が失敗してしまうケースが数多くあります。CMSベンダーは使ってもらいたいターゲットとなる企業や組織を決め、その企業がCMSをどう活用し何を実現するかをイメージしながら開発をしています。したがって、導入の目的や戦略が違えば、“合う・合わない”が異なって当然です。すべてのニーズを満たせる製品など存在しません。○×表を使った機能比較では正しいCMS選定は出来ません。開発の背景にある開発者の考え方を理解することがCMSの選定では重要なのです」と諏訪。

つまり、開発の裏側にあるフィロソフィー(思想)を見抜けるかどうかが、CMS選定の鍵になります。逆に、利用者の目的と開発者の狙いが一致しないCMSを○×だけで選んでしまえば導入したCMSは使われなくなるか、現場に大きな苦労を与えてしまうことになります。さらに諏訪は、「もう1つ、実績を見ることも大事。その際は、サムネールだけで判断せず、規模、ジャンル、テンプレートの自由度、コーディングの品質、情報設計の整合性、開発パートナーの力量など、サイトの品質をきちんとチェックすることです」と説明しました。

また、あまりオススメできないCMS製品として次の3つを挙げました。

●制作会社が(片手間で)作ったCMS・・・開発力、開発持続力に欠け、有力な制作パートナーの確保が難しい。
●開発後2年未満のCMS・・・バグが多く、開発とビジネスの両面から安定性が保証されない。
●「誇大アピール」なCMS・・・「なんでも出来るCMS」をうたう製品は欠点を把握できていない可能性があり、トラブルの要因になりかねない。

こうして、数多くのCMS製品の中から安定性や信頼性を欠くCMS製品を除外していくと、自ずと検討対象は絞られてくるわけです。ここで諏訪は、ガートナーによるCMSの格付けレポート2009年版を示しながら、世界のCMS状況を紹介。その上で日本に参入をしている世界的なCMS3製品、国内で実績のある国産, 準国産CMS4製品を紹介しました。

「今回ご紹介する7つのCMSは、いずれも実績と実力があるだけではなく明確なターゲットと哲学が存在するCMSです。特に大規模なCMS導入において、この7製品のいくつかは選択肢に登るのではないでしょうか」と7つの製品を順番に紹介しました。

●Movable Type 5
ブログの元祖。一番の強みは、日本最大の開発コミュニティを持っていること。ユーザーオリエンテッドなCMSで、プラグインの豊富さも魅力。工夫次第で幅広い使い方ができ、しかも安価である。
●Autonomy Interwoven TeamSite
CMSベンダーとしては世界で最も古く、かつ最大手の企業が開発した製品で、“CMS業界のドン”とも言える存在感を放つ。世界中で4,700社ものグローバル企業に採用されている。幅広いソリューションを持ち、完全性や安定性に優れる。
●NOREN5 Content Server
柔軟な構造および価格体系を持つ製品で、さまざまな形で導入できる。日本企業約370社への導入実績があり、販売元であるアシストの手厚い営業サポートも大きな強み。困ったときに非常に心強い。
●SDL Tridion 2009
先進的なプラットフォームを持つ期待のCMS。翻訳サービスを手がけるSDLとの連携で、多言語、多チャンネルにフォーカスした強力な機能を持つ。欧州で採用している企業が多い。
●HeartCore
英国生まれの製品を日立情報システムズが日本向けに開発し販売。その開発力とサポート力を利用できるのが強み。プラグイン開発などのカスタマイズ対応も安心できる。データベース連動が可能な動的CMSであり、トップレベルのWYSWYG機能の評価も高い。
●Oracle Universal Content Management
Webにとどまらないコンテンツの統合管理環境を提供する点が特徴。非常に成熟した製品で、安価になったライセンス体系、オラクルの営業力とサポート力も魅力。社内のドキュメント管理やワークフローなどを含め、業務改善まで実現できる奥深さがある。
●WebRelease 2
きわめて高いコストパフォーマンスを誇る純国産のCMS。とにかく設計がスマートで、汎用性が高く、工夫次第でいろんな用途に使える競争力の高い製品。日本における導入企業は約340社と実績も十分である。

CMS製品の詳細や比較検討はウェブエキスパートへ

CMS製品の比較検討ができるだけでなく、製品に関する機能概要、お問合せやお見積りもできます。パートナーベンダーからの最新情報や事例情報など参考になる情報が満載です。

CMS導入は変更を前提に、気長に構えて定着化を図る

続くパネルディスカッションでは、ロフトワークの君塚をモデレータに、楽天株式会社の清水氏をパネリストに迎え、諏訪とのトークが繰り広げられました。

<最近のCMS市場について>
ますます複雑化していくCMS製品がある一方で、Movable Typeのようにシンプルな製品もあり、二極化が進むCMS市場。特に企業サイトへの導入となると、必ず議論に上るのがオープンソースCMSです。清水氏は、「開発者が使いたいように作っている側面が強い。好きに作れるという意味では拡張性が高いので、技術者メインの組織ならいいかもしれませんが、普通の組織では難しいでしょう」と指摘。

また、最近の企業側のニーズについては、「会社ごとに要件がバラバラで、パターンはかなり分かれますね。ただ、多くの企業が、“コンテンツをちゃんと作らないと売上も落ちていく”ことに気づき始めており、いかに効率よくコンテンツをアップしてお客様にアピールするかが重要になってきています」と分析。

これを受けて諏訪は、「以前はコストを削減したいとか、現場が疲弊しているからという理由が多かったのに対し、経営企画や営業視点からの“攻めのCMS導入”が増えつつあるように感じます」と最近の印象を語りました。

<CMS導入の心得について>
コンテンツ管理は、ほとんどの組織にとって新しい取り組み。手探りでのプロジェクトが後悔につながることも少なくありません。導入時の心得として清水氏は、「未体験となると、要件定義にも限界があります。それなら、後で変更が入ることを前提に、変更しやすいような導入の仕方をすればいい。変更やバグ修正のための予算と体制を確保しておくことも重要です」とアドバイス。諏訪も「最初から完全な形を求めないこと。スモールスタートで、できるところから段階的にやっていくことです」と付け加えました。

また、多くの企業が直面するのがステークホルダーの調整です。一番変えることの難しいものが「人」であり、両氏とも「ある程度時間がかかっても仕方のないこと。気長に構えるべき」と強調。個別最適で進めるのではなく、まずは経営者の理解を促してトップダウンで進める方法もあれば、最初から無理にプロジェクトに引き込もうとせず、自然と仲間が増えるのを待つのも1つの方法です。「ある程度定着して成果が見えてくると、それなら私も、という動きが出てくるものです」(諏訪)。

<パートナー選びについて>
「最初にCMS製品を選び、その製品ありきでRFPを書き、コンペをし、結局失敗したケースを知っています。製品とパートナーはペアで選ぶべきです」と清水氏。また、パートナーが自信を持って使いこなせる製品であることも重要とのこと。

一方諏訪は、「CMS製品と同じで、実績が重要。経験やノウハウの蓄積は大きな差となって現れます。また、失敗の原因がプロジェクトマネジメントにあることも多い。受注側だけでなく、発注側のプロジェクトマネジメント能力が高いと、受注側の不足分を補うことができ、リスクを低減できます」と説明しました。

もちろん、スムーズな構築を目指すなら、何に困っていて何を改善したいのか、プロジェクトでフォーカスしたいポイントを絞り込むのはもちろんのこと、HTMLだけなのか、画像やWord原稿も管理するのかなど、管理対象となるコンテンツを明確にすることも必要になります。

ただ、その際に注意すべきこととして、「あらゆることをガチガチに決めてから相談されるのも、案外困りものだったりします。10万円でやる方法もあれば、1億円かけてやる方法もある。今、どの段階にあるのかを明らかにした上で、“何をいつまでにやるか”ということから相談するとよいでしょう」と清水氏は語りました。

最適なCMS製品とパートナーを選び、プロジェクトが成功すれば、確実に成果につながります。さらに成果が評価されるようになると、攻めの姿勢で新しい試みができるようにもなります。こうした“正の連鎖”を生み出すためにも、CMS選定は楽しみながらも慎重に取り組みたいものです。

CMS導入 個別相談受付中

複数製品の比較検討や、構築に関する予算などCMS導入に関するご相談は随時受け付けております。お気軽にご相談ください。

次回セミナーのご案内

日本ユニシス株式会社、SDL Tridion株式会社 協賛:タクトシステムズ株式会社

  • 開催日時 : 2010年08月05日(木) 14:00〜17:00 (13:30開場・受付開始)
  • 場所 : 日本ユニシス株式会社 本社6階 プレゼンテーションルーム  【 地図・行き方
  • 参加費 : 無料(事前登録制)

日本ユニシス主催「Web戦略ソリューションセミナー」で諏訪光洋が講演

お問い合わせ

株式会社ロフトワーク セミナー・イベント担当 : お問い合わせ時間10:00~18:00(土・日・祝祭日を除く)

TEL 03-5459-5123



Copyright© 2000-2010 Loftwork inc. ALL Rights Reserved.